ある利用者との戯言のような会話の場面。

女性利用者が2人並んで座っている。

片方のばあさんに、「隣に座っている人の名前わかる?」とたずねた。

すると、「さぁ…顔は知ってるけど、名前がわからんなぁ…」と答えた。

それではと、「僕のことは知ってる?」と続けて質問した。

すると、「さぁ…名前は知らんけど、顔は知ってる!」と答えた。

「え?名前も知らん?じゃあ教えとくね!」と伝えると、

「うん、教えて!」と答えた。

「僕の名前は、キムラタクヤです」と伝えると、

「あんた、ハイカラな名前やな!」

と言って笑っていた。

もちろん、この人はキムタクのことなんて知らないのだが、響きがハイカラに思ったのだろう。

それから2分おきくらいに、たずねると、
「キムラタクヤさんやな!」と覚えている。

しかし、5分を超えると記憶から消除される。

もちろん、そのやり取りをしたことも同時に消除される。

これが認知症の典型だ。

以前特養にいた頃、認知症の女性利用者のオムツ交換に行くと、「あんた名前なんやった?」と聞かれたので、その時思いついた名前を適当に言ってみた。

「雷電為右衛門(らいでんためえもん)です」と答える。江戸時代の大横綱だ。

すると翌日…

その人の部屋の前を歩いていると、部屋の中から
「ためえもんさ〜ん!!」と呼ばれた。

覚えとったんかいッ!!

一緒にいた当時主任の女性が変な顔をしている。

やばい!と思い、その人のそばに駆け寄り用件を聞き、正式名を伝えて退室…😅

翌日、主任から「あの人、あの後もまだ言ってたよ?ためえもんさんはどこ?って」と…

なんかのきっかけである一定のワードがインプットされることもある。

どうしよ…

今日伝えた利用者が、家族が面会に来た時に、
「キムラタクヤさ〜ん!」て呼んできたら 笑笑

お読み頂き、ありがとうございました!