加速 | たかがい恵美子オフィシャルブログ「やりがい、いきがい、たかがい。」Powered by Ameba

加速

今朝のNHK番組における宮城県知事の締めの一言が印象的でした。

「政府の決断に期待、…我々は東北地方への医学部新設を希望している…」

冷静で、なおかつ強い思いのこもった発言でした。

東北地方への医学部新設は、東北市長会においても昨年5月以降2度に渡って決議されています。

もとより医療施設が少なく就業している医療人材の配置も薄い東北の市町村では、地域医療体制を再建・補強整備することが、確かに最重要課題のひとつです。

しかし自然体のままでは、医師、看護師、介護職、保育士など社会保障を担う人材を地域内に定着させることが、とても難しいのです。

家族との生活の利便性、教育や研究環境、就業機会などを考えると、自ずと人口の密集する都市化された地域へと拠点を移していく場合が多いからです。

専門性を要する職種のなかでも、人の手に委ねられるサービスの提供分野においては、確実にその役割を担えるだけの充分な人員を確保しなければなりません。

そしてこれらの人材は、人口の密集する都市部だけに集まればよいのではなく、広範な地域に民家の点在する、交通の不便な農山漁村地域や離島等であっても、同じように配置されることが必要です。

私たち国民は、健康で文化的な暮らしを享受する権利を有するのですから、本来はどこに住んでいたとしても、同じように社会保障サービスを利用できる環境が保たれて然るべき。

しかし現実は、果たしてそういう状況であろうか‘このままではいずれ住民の命を守ることが難しくなる’…

そのような強い危機感を抱いている首長さんたちだからこそ、復興の旗標として東北地方に医学部を新設し、東北地方に定着して地域医療に従事する人材を育てるべきだ!と決意なさったのだと思います。

ふるさとが復興した将来の姿を描こうとしている今の段階で‘地域医療は人々が暮らすためのライフライン’と明確に位置付けて、新たな取り組みを長期的な展望を持って着々と進めたい!という強い意志を感じます。

復興を象徴する国家の政策として切望されている東北地方への医学部新設は、言わば次代に合う地域医療を備えた新たな東北の街づくりを牽引する中核ともなるでしょう。

現代に生きる東北人として、医療職として、政治家として、実のある復興加速化策を、これからも多いに後押ししていきたいと考えています。

東日本大震災の発生から3年目に入る明日を前に、ますます強力に、熱い心で復興の加速化に取り組んでいく決意を胸に刻んで。