院長さんの声4 | たかがい恵美子オフィシャルブログ「やりがい、いきがい、たかがい。」Powered by Ameba

院長さんの声4

地域医療を担う中核病院で、院長さんとお目にかかったときのことです。

これからの医業経営には、わが病院はこれ!という‘売り’が必要になるでしょう、といった話になりました。

…だからこそいち早く「放射線治療」を打ち出し、最新機器を入れたのです。

しかし、利用者の多くは紹介ケースで、自前の収益には繋がりません。

結局、地元の人達が求める医療はそういうところになかったのです。

近隣の方は、使い勝手のいい、総合診療を求めています。

それも、ちょっぴり有名な銘柄のついたところで受けたいわけです。

地域の医療は大変です。

…他の医療機関がない地域では、確かに、あらゆる医療が一カ所に集中します。

風邪や下痢症と、がんや心筋梗塞のように、専門的な治療を一定の期間に集中して続けなければならないものとを渾然一体で診る現場では、‘売り’を鮮明にしにくいのでしょう。

消費者心理からすれば、いい医療を受けられる、という信頼が最も大切ですから、このまま行けば、何でも診てほしい指向は、ますます強くなると思われます。

これからの医療では、医療ブランドがなぜつくのか、どういうことでブランディングされていくのかを、科学していくことも必要と思いました。

だって、病院の『銘柄』にもいろいろある、と思うからです。

高度先進医療だけが有名銘柄かというと、そうではありません。

こういうことをしっかり考えていくことが、医療技術そのものの評価を、サービス実態に合う実力本意の医療評価へと成長させていくのではないでしょうか。