院長の声2 | たかがい恵美子オフィシャルブログ「やりがい、いきがい、たかがい。」Powered by Ameba

院長の声2

困ってるんですよ!このままじゃ、地域医療が立ち行かない。

…そう話す院長さんの穏やかな表情からは、日々の悩みが滲み出てくるようでした。

診療の合間を見て、わざわざ玄関先まで足を運んでくださって、いただいた一言でした。

「このままでは、職員をも守れなくなります。力をあわせて対応策を打ちだしましょう!」

たかがいは、そうお答えしました。

帰りが遅くなっても、休みを返上しても、眠い目を擦りながら、骨身を惜しまず働いてくれるスタッフたち。

この一人一人が仕事への情熱に限界を感じ、その職を離れるとき、

日本の社会保障は崩壊します。

…このままでは、その日が近い!

その危機感がいつもドクドクと、私の胸に迫っています。

一方、これとは別の視点で、介護難民、限界集落、孤独死などの抽象的な造語が、世間では重宝されがちです。

構えのない状態で、ギクッとする造語をつきつけられる。

…するとほとんどは、こりゃ大変だ!と思います。

そして、あたかもそれらが、社会の悪によって創りだされた‘不幸の象徴’であるかのように、思い込んでしまうのです。

「大変だ!」と思った時点で、「自分はそうなりたくない」「世の中にはそういう人もいるのだ」という気持ちが同時に働きます。

だから、

その原因・成り立ちは?

そうなった人を救済するのに、自分は何ができる?

そうならない予防策は?

…と、こういった気持ちを働かせることは、なかなか難しいですよね。

言い換えると、身近に起こっている深刻な事態を「自分ごと」として捉えることは、案外でき難いのです。

問題の発生構造をどのように捉え、どのような手法によって問題解決に取り組むのか。

いますぐに、五年後十年後までに、どのような状態を実現するのか。

問題提起するだけで、不安を煽るだけで一向に苦しみが解消されないというのでは、生活者の不安は増すばかりです。

気づいた人から声をだす、知恵をだす。

それが「自分ごと」となった一人から、その行動をおこすことです。