今月15日、紡ぐしあわせ薬膳協会ホームページにて、
薬膳コラム「いか」が更新されました。
2月4日の立春を過ぎて、暦の上ではもう春です。
植物が芽生え、動物が冬眠から目覚めて動き出すように、
暖かくなると、私たちの心も身体も活動的になります。
今の時期はまだ寒い日もありますが、
これから春の風が舞い上がるたびに、
気温も変化しながら次第に上がっていきます。
五行説では、春は肝の季節といわれます。
肝は疏泄(そせつ)といって気の巡りをつかさどり、
血を貯蔵して血流量を調節します。
自然界での陽気の上昇に伴って、
人体の陽気が上亢したり、
新年度を迎えるに生活環境の変化がプレッシャーであったり、
新型コロナウイルス感染症の流行後、
行動制限がストレスになったりで、
肝の疏泄作用が失調すると、
いらいら、怒りっぽくなる、気の巡りが滞る、
張るような痛みなどの症状が現れます。
また、肝の血の貯蔵や血液量の調整を行う作用が失調すると、
めまい、手足のしびれ、夜盲症、ひきつり、月経不順などが
起こります。
本格的な春が訪れる前に、
心も身体ものびのびと行動できるよう、
肝を滋養する食物を摂りましょう。
枸杞の実は滋補肝腎という効能を有し、
肝腎の陰液が乏しい時に生じるめまい、
視力減退、目のかすみ、腰膝倦怠を解消します。
肝の血を補う食材には黒胡麻、鰻、さば、帆立貝、
牛・鶏・豚レバー、人参、ほうれんそう、松の実、
いか、牡蠣、たら、まぐろなどがあります。
なかでも、いか(食性食味/平鹹)は
冬の季節の影響を受けやすい腎と
春の季節の影響を受けやすい肝に帰し、
血を養い、陰液を補い、月経不順を改善し、
肝の疏泄作用がうまくいかないと働きを損なう脾の機能を
正常にします。
春の飛躍に向けた助走の時期でもある
今から取り入れるとよいでしょう。
コラムに合わせた
栄養士、国際中医薬膳師、中医薬膳茶師、
紡ぐしあわせ薬膳協会認定講師
野田知子先生の
ご覧くださいませ。