先日挙げたこの商品を用いた場合の圧縮比を計算してみます。

この商品をCB200Fと仮称します。

燃焼室の直径は65.5mmだそうです。燃焼室球面の鉛直方向高さ(深さ)=Vdep.は不明です。

 

燃焼室の容積を算出するにあたり、燃焼室が球面の一部であるということを抑えて置かなければなりません。燃焼室の形状は、球のなかでも「球冠」というようです。細かい説明はwikipediaに任せます。

 

 

公式も載っていました。補完された元の球の半径rと極角θは算出に手間がかかるため、3通りある公式の中で、球冠の高さh(記事はじめVdep.)と球冠の底面の半径aを用いるものを採用します。

CB125Fの燃焼室容積=V125とし、CB200Fの燃焼室容積=V200とします。

過去の記事からV125=15.20(cc)が判明しています。

hはCB125FとCB200Fで等しいと仮定します。

変数aとhのうちhは定数としており、また左辺が判明しているため、aを実際に計測すれば定数hが確定します。CB190Rヘッドの適合を確認したときと同じく、中心を出してa(半径)を計測してみます。

 

純正シリンダーヘッドの半径aは純正シリンダーヘッドガスケットの穴の半径と一致すると考えられます。

 

(中心による半径算出の画像 のちに追加します)

 

計測の結果、a=26.67(mm)と判明しました。容積ccは立方センチメートルに相当するため、a=2.67(cm)で計算します。

 

 

手書きで失礼します。h=1.263(cm)です。感覚的にも納得のいく数字です。

三次方程式かつ係数が複雑なのでツールに頼りました。記事最下部に使用したツールを載せます。

 

判明したhを用いてV200を算出します。

球冠の底面の半径をαとします。直径2α=65.5(mm)が商品写真より明らかなので、

と算出されました。V200=22.32(cc)です。順当に大きくなってくれました。

hを実測するとCB125Fのそれとは異なる可能性がありますが、少なくとも小さくはならないと考えられます。

したがって、22.32ccは考えうるV200の最小値として解釈しておきます。

 

さて、この値を用いて圧縮比を計算してみます。

 

行程容積=174.41cc ボア62.00mm

行程容積=182.96cc ボア63.50mm

行程容積=194.66cc ボア65.50mm

 

計算結果は以下のようになりました。

 

かなり安全な数値になりました!

純正CB125Fの圧縮比(:1)は9.2であるため、②と③が適合しそうです。やはり上記の商品は200cc用のヘッドとして作られているということが計算を通して判明しました。

 

参考までにCB125F純正シリンダーヘッドのままボアアップした場合の圧縮比も再掲します。

 

182ccか194ccか、クランクシャフトなどのことも考えて決定したいと思います。シリンダーヘッドはこれで決定します。

 

前の記事にて検討したセンサー移設などを先に解決してから購入したいと思います。油温センサーに関しては、あとは実践のみという段階に来ているので、近く記事にします。

 

三次方程式を解くにあたり使用したツール