妊活 『スタートライン』
子供が欲しい という欲求は、決して贅沢な望みではないと思います。
でも、授かるまでの壁が高くなればなるほど、道のりが長くなればなるほど、世間では“ 贅沢 ”なことになってしまいがちです。
不妊治療をしていると、お金も時間もかかるうえに、ゴールの見えない不安も付いて回ります。
にもかかわらず、治療の大敵は
“ストレス”です。
なかなか難しいですね。
パートナーやご家族はもちろん、
周囲の理解が得られたならば、
その壁は低くなっていき、
不安も軽減されるのでは、
と思います。
私は34歳から自己流のタイミング法(排卵検査キット&基礎体温)で妊活して、本格的に不妊治療を開始したのは42歳でした。
後悔と焦りからのスタートでした。
「出来ることは何でもやります!」
と、当時ドクターに、必死の思いですがりました。
しかしその勢いとはうらはらに、
ドクターは(⌒‐⌒)にっこりと、
「治療のことは我々に任せて、楽しく過ごしてください」
「身体に良い生活をして笑って過ごしてください」
と、言われました。
そんなこと言われても、
こんな状況では笑えない。
楽しくなんて、過ごせない。
というのが、正直な気持ちでした。
でも今振り返ると、この
“ 楽しく過ごす ”
が、私にとっては何よりも妊娠に向けて、いい影響があったように思います。
では、
稽留流産、不育症、妊娠判定の陰性などなどの辛い経験を繰り返しながら、その中でどうやって“ 楽しく過ごす ”を実践したのか?
と言いますと…。
実は、
まずはつらいこと、悲しいことをなかったことにせず、湧いてくる自分の感情をきちんと感じて、向き合って、寄り添ってあげる。
ことを心がけました。
それだけです。
それだけですが、それが、結果的にはそんなネガティヴな状態から早く抜け出し、“楽しく過ごす”ことにつながるようでした。
それは、
克服する、なんて立派なことではなく、
湧いてくる悲しい感情に、「どうにか楽しいことを見つけよう」とか「こんなことで悲しんでちゃだめ」とか、あれこれ思考をくっつけないで、
悲しみをありのまま認めて、
そこに悲しみがあることを許して、
ただ、きちんと感じる。
ただ、きちんと寄り添う。
それだけです。
それだけのことですが、最初から上手くはいきませんでした。
なのではじめは、心がける、意識する、だけ。
そのうちに、「自分を裁かない」ことも、一緒に心がけました。
卵子の老化に無知だった自分、若いうちにクリニックへ行かなかった自分、お子さんを抱いているママに嫉妬している自分などなど、自分がイヤになる事だらけの日常で、自分を裁くことをやめて、むしろ誉めました。
裁きから湧いてくる自責の念…。
そこから解放されたくて、
もっともっとできることは?
に苛まれる日々。
裁くことをやめて、
「赤ちゃんが欲しいんだから、羨ましくって当たり前」
「忙しい中、やりくりつけて病院へ通って、大したもんだ」
と、自分に寄り添ってあげたら、苦しいサイクルから抜け出せることが増えました。
それで…
少しずつ、少しずつですが、何気ない日常の小さな楽しみを見つけられるようになり(小さな楽しみに目が向くようになり)、次第に心から笑顔になることも増えてきました。
え、そんなこと?
って思うでしょう?
私も最初、抵抗がありました。
(⌒‐⌒)
それまでは、つらい時こそ笑顔で乗り切ることが強く美しい、と本気で思っていましたし、悲しみやつらいことは他所に置いて、笑顔でさえいれば福を呼ぶことができる! なんてことも、本気で思っていました。
でも、
取り残された感情はやがて澱になって、心の奥に何層にも溜まって、そこに蓋をすることで、結果どんな感情にも心が動かなくなってしまっていたんですね。
悲しみに鈍感になることで、楽しみにも鈍感になっていた。
心が、かたまってしまっていた。
ある時ふとそれに気づいて、
というか、ふと、心の奥の悲しみに偶然触れることができて、悲しみを、ただ悲しむことができて、
それが、かたまっていた心をほぐすきっかけになりました。
もちろん
“ 笑う門には福来る ”
ですが、
自分の感情を無視しない!
自分に負荷をかけない!
ようにしました。
そこに至ってはじめて私は、妊活のスタートラインにたてたように思います。
また長くなってしまいました。
次回は
妊活期間を、治療期間を どんなふうに楽しく過ごしたか、お話ししたいと思います。
つづく
私の体験談をお話しします。
ご質問にもできる限りお応えできるように時間を取りたいと思っています。
ご参加お待ちしております。
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