ありがとうございました。 | 加藤貴子オフィシャルブログ「UCKY SMILE」Powered by Ameba

ありがとうございました。

たくさんの励ましのメッセージありがとうございました。
こんなにも皆さんに愛されていたのに・・・本当に残念でなりません・・・。

この場で皆さん(はじめましての方、久しぶりの方、懐かしい方、いつもの方)と触れあえたことに感謝します。
わたしは大丈夫です。

皆さんから寄せていただいたメッセージを読みながら、いろんな思い出がさらに深く蘇ってきました。

『温泉へ行こう!』の撮影では大抵、実さん演じる“武藤さん”とわたし演じる“薫”の二人のシーンは居残りで、24時過ぎの撮影だったんです。
毎日朝早くから撮影しているわたしたちは、もうそのころには“眠い”“だるい”“しんどい”の三拍子で、いつも掛け合いのシーンを録っていたんです。
しかも二人の1シーンは長いんです。台本で言うと10ページぐらいあるんです。だからNGを出すと帰るのがどんどん遅くなってしまうので、スタッフもわたしたちも必死でした。
わたしは早く寝たいから!実さんは早くビールが飲みたいから!と、いつも冗談を言っていました。
でも25時ぐらいになるとわたしは口が回らなくなっちゃうんですね。
8ページぐらい喋り終わって「あと少し!」って時にわたしの台詞まわしがあやふやになったり、台詞がとんじゃったりして、二人でよく夜中に「どぅえぁ~~~~」って雄叫びをあげていました。
ちなみに実さんは、どんなに疲れていても滑舌が良くて絶対にNGを出しませんでした。う~ん、実さんが皆なに突っ込まれる唯一のネタは、朝一の撮影はお酒臭かったことかな。
でもそんな時は「臭いは映らないから大丈夫!」って、いつもさわやかに笑い飛ばしてました。いや、ちょっとバツの悪い顔してたかな?
NG出すのは大概わたしとスタッフさん。マイクが映ってたり、ピントが合っていなかったりで、監督から「流れがあるから、もう1テイク!」とよく言われました。
そんな時も実さんはいつもにこにこ穏やかに笑って、皆なのモチベーションをキープしてくれました。わたしが「今度こそ!」なんて力が入っていると「鼻の穴が膨らんでるよ!」と和ませてリラックスさせてくれたり、時には渇をいれてくれたり。
本当に優しい方でした。すばらしい先輩でした。

しんどい撮影のときには、皆さんから戴いた感想やお手紙を二人で読んで何度も勇気づけられ、そして元気を貰いました。
書き込みを見て“武藤派”と“海党派”に分かれてるね!なんて言って、先の話を知らないわたしたちも皆さんと同じように予想したりしていました。
いじめで悩んでいる方からのお便りや、生きることが辛くなってしまった方からのお便りも、二人で読みました。苦しい日常の話が綴られた最後に「温泉へ行こう!が一日の楽しみです」って書いてもらって、心が震えたことを今でも鮮明に覚えています。一生懸命突っ走ったあの日々が昨日のことのように思えるのに、本当に残念です。

日本では毎年3万人以上の方が自ら命を絶ってしまっているそうです。
本当にせつなく、悲しいことだと思います。

一人でも多くの方が、1秒でも早く闇から抜けられるように、そんな世の中になることを願います。わたし自身もそのことを胸にし、作品づくりに携わっていきたいと思います。

実さん、おつかれさまでした。ありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。