2 具体案
(2)大学の設置
本大学は、基本的に現に地域地域に居住している人々の教育を目的とするものであり、学ぶために人を動かすのではなく、学生のいるところに学校が出掛けて行くことを基本理念とし、現在の地域社会にいながらにして学べるよう、各合同庁舎単位に校舎を設置することが必要と考えられる。
校舎については、各地域の高校の校舎を利用するなどして初期投資を押さえ、外見よりも中身を充実させるように努める。出来るだけランニングコスト分のみ学費に反映させるようにする。また、県境に近い地域に存する校舎については、他県からの通学者も見込まれることから隣接各県との連携も必要であろう。
(3)学習内容
教育内容としては、経済学科と法律学科を設置し地域の実情規模等に合わせ電子学科等も設置する。ただしどの学科においても外国語教育及び情報処理教育は充実させるものとし、特に外国語教育については、卒業時までに二外国語が話せるようにする。学生及び学校の評価として従来の就職予備校的大学評価に囚われず、国際的なレベルで評価を受けられる人材の育成を目的とする。
その一方で、各校舎は規模的にはあまり大きなものとはならないと想定されることから、受講内容に選択の幅を持たせる事が必要である。その方策としては、隣接する校舎の講座も受講できるようにする外、週休二日制の普及に伴い土曜日に講座を積極的に設ける事も重要である。また、土曜日などはどこの校舎の講座でも受講可能にし、スクーリングなどの夏季短期集中講座なども活用する。転勤等に伴う校舎間の移動は、自由にできるよう配慮するなどの方策も必要である。
大学の在り方として、各地域のアイデンティティの形成に資するよう芸術スポーツ等の振興も図り文化面から豊かな社会実現のリーダー的存在となるよう努める。
(4)入学から卒業入試については、センター試験で一定のレベル以上にある者に資格を与え、 その中から論文試験により選抜するなど、基本的な学力の判断に止めできるだけ門戸は広くすることが必要である。また、高校のほか県内民間企業からの推薦制も取り入れるものとする。
しかし、大学として一定水準のレベルを確保することは不可欠であり、欧米の大学のように、門戸は広いが、確実に学習効果を上げるために、単位取得については厳しく事が必要であろう。基本的に大人の学生を相手にするものであり出席等は問わず、あくまで試験により学生の学習効果を客観的に測定し単位を与えるものとする。学生は、無理のないスケジュールを組み、4年という年数に拘らず8年までの期間を有効に活用し卒業するようにする。各人の都合による休学にも十分配慮することが必要であろう。 |
1991年9月