出席している読書会で課題本となり、図書館で借りて読む。他に予約を入れる人が居ないようで、読みにくい文章ながらもゆっくり時間を掛けて読むことができた。
世界を支配しているのは誰なのか、この答えは簡単に示されている。世界の富の大半と世界一の軍備を所有している国だ。これに関しては詳しい検討をしていない。但しその国を操っているのは誰なのか、ということに関しては執拗に論じられる。
中南米と中東を中心に、史上最大のテロを行っている国はどこなのか、という問題と、その国が(この本の出版当時)激しく非難してきたキューバ、イラン、ソ連・ロシアとの比較が鮮やかだった。難民問題に関する指摘も強烈だった。
著者が二つの重大な脅威とする核戦争、地球温暖化への言及も執拗に繰り返されていた。特に核の問題。これまでに少なくとも3回(ソ連で2回、米で1回)、誤った核発射命令が現場に伝達されたとの指摘に戦慄を覚えた。これは指令を受けた現場が従わなかったから(核戦争が)回避されたとのこと。この指摘が事実であれば、生きているうちに「世界の終わり」を見ることになっても不思議ではない。それでも世界は、否、私たちは何事もなく生活を続けているのだが、、、
著者の信じる事柄を補強するかのように、「誰々が次のように言っている」というスタイルの引用が度々なされている。しかし著者がたぶん重要と思う人物であっても、私は聞いたことの無い名前が多かった。だからその引用が著者の見解を補強しているのかどうか判断できなかった。
著者が90歳になる前に書いた本なのだから、老いの一徹で古い信念を繰り返しているのかも、と読んでいて思わないでもなかったのだけど、あとがきでトランプのこと、中国のこと、ヨーロッパにおける極右政党のことなどをちゃんと書いているから、そうでもなさそうだ。畏れ入る。