「日本の地下で何が起きているのか」 鎌田浩毅著 岩波化学ライブラリー266 | takacciの「見た・観た・聴いた・読んだ」

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音楽に関すること、観たこと、読んだことへの感想などを書いていきます。(文中敬称略) 2019年4月より別サイトで掲載していた写真の記事も同居させましたが、20年7月に元に戻しました。

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火山学・地球科学・科学教育の専門家である著者による、今後起きると予想される大地震、火山の巨大噴火を警告し、人々に日頃からの準備を訴える書だった。

 

著者は研究の発表を通して大災害の起きる可能性を公にしてきたつもりだったが、実際に災害が起きると、自分の警告が一般人に伝わっていなかったと痛感せざるを得なかった。そこで如何にしたら広く伝えることが出来るのかを研究する道に進んだという。

 

東日本大震災の発生を契機に、日本の地盤は1000年ぶりの「大地変動の時代」に入ったのであり、その後各地に直下型地震と火山活動の活発化をもたらしていると書いてある。

 

地球科学的な時間の捉え方で言うと、南海トラフ巨大地震、首都圏直下型大地震、富士山の噴火などはいつ起きてもおかしくないそうである。ただしこれが数年内なのか数十年内なのか、もっと長い期間なのかがはっきりしない。しかし専門的に考えるととっくに満期の過ぎた定期預金のようなものだそうである。

 

29000年ほど前に鹿児島湾で起きた姶良カルデラ噴火があるが、これと同規模のカルデラ噴火が阿蘇で起きれば時速100㎞の火砕流が九州を駆け巡り、ウン百万人が最悪の場合犠牲になる、というのを読むと、恐ろしくなって読み進むことが出来なくなってしまった。もちろん予兆を察知することにより犠牲者の数は大幅に減らせるそうではあるけれど、その時になって果たして何割が危機を肌身で感じ逃げ出すのだろうか。著者によると、危機を感じた人が率先して逃げ出すことが大事なようである。