向山信次監訳 塩原通緒訳
副題: 5次元時空の謎を解く
この600頁を越える難しい本を読み通すために他の読書はすべて中断していました。
今しがた読み終わったけど、到底「理解した」とは言えない理解度です。しかし数々の専門的な用語(重要な物理学用語を含む)を理解できないことに目を瞑って読み進み、最後まで読み通したことで著者の言いたいことは見えて来たので、「成果があった。」と言いたいです。
分からなくて一番いまいましかったのは「ブレーン」。これが微細なサイズのものなのか、或いは宇宙がその上に存在するほどの「大きな」ものなのか、読み終えてもさっぱり分かっていません。適当な書籍があれば勉強する必要がありそう。
読んでいる時に気を付けたのは、著者らが提唱する時空観は理論上のことであり、その存在が確認されたものではないということ。しかも現在の技術水準ではそれを確認するための実験もできない状態なのであるから、有力ながらも仮説に過ぎない、という点を忘れずに読むことが大切でしょう。
この理論を検証する際、調べるべき極く微細な空間に、今の技術を越える莫大なエネルギーを注ぎ込めば、そこに微小なブラックホールができてしまう、とも書いてあるので空恐ろしい世界でもあります。
この著作はCERNのLHCが稼動する前に出版されており、著者はLHCの稼動による実験で彼女の理論を間接的にせよ裏付けするような結果が多く出るだろうと期待しています。ヒッグズ粒子の件で大きな話題を呼んだように実験は行われたのだけれど、余剰次元の存在を想定する彼女の理論に関連した実験結果が確認されたとの報道には接していないように思います。期待したような結果が出なかったのか、或いは未だ実験結果を解析中なのか、ますます興味が湧いてきました。