私が初めてフジゲン製のギターを購入したのは19歳の時である。ブロック体の「Fujigen」という現在使われていないロゴや、独特のFホールがついたセミアコで、特に気に入ってその後何年もメインギターとして使っていた。その後も同社NCST(ストラトモデル)なども使っていたが、ある時から使用するのをやめた。それは(確か2012年ごろの)現在のロゴへの変更が理由である。

 

昔はどのロゴもかっこよく、オリジナリティにあふれていたと思う。それがこのざまである。

 

https://mi.fujigen.co.jp/

 

この「FGN」と大文字でやや斜体になったフォントであるが、欧米ではよく中華料理店や、明らかに日本人経営ではない日本料理店の看板に使われるフォントである。要は、わかりやすくアジア的な何かを表現したフォントなのだが、いわばアジア人やアジア文化を揶揄したような表現でもある。ロゴの変更は同社が海外進出を強化するための方針の一環であり、海外で「日本のメーカー」をアピールするためのものだが、上記のような事を知らなかったのか、または知りながらマーケティングのために敢えて採用したものか、いずれにしてもよく恥じらいもなくこのようなロゴが使えると思う。それにしても見るほどに嫌悪を感じる、デザインとしてもひどいものだと思う。

 

この残念過ぎるセンスゆえ、もはやフジゲンに興味がなくなったというわけである。もはや楽器業界とあまり繋がりがなくフジゲンの海外における活躍は不明だが、SNSを見る限りさほどでもないようである。ともあれ個人的にはロゴが再び変わるまで、静観したいと思う。