衝撃の写真。




これは私が2018年に購入した、2017年製のFender Made in Japan Hybrid 60's Stratocasterのネックである。
ネックジョイントのネジ穴が硬化プラスチックで埋められ、再度空け直されている。トラスロッドを触るためにネックを外したところ発見し、ショックを受けた。同商品は当時実勢価格12万円という、まごうことなきJapan最高ラインのシリーズ。メーカーでこの簡単な加工をミスする可能性があるだろうか。あるいは、別のモデルからネックを流用しているのでは?と思ったが、ストラトであればネックジョイントは同じ寸法のはずなので、これはないかもしれないが、ストラト以外のものからの流用の可能性はまったく捨てきれないというのが正直な感想。

 

楽器のどこに価値を感じるかは人それぞれである。造りがどうであれ音を重視する人、持った感じ、見た目、状態、ブランドやその時代への懐かしさや憧憬など。正直、このようなことも気にしない人もいるだろうし、もっての外と思う人もいるだろう。私は楽器を買うときは、その企業に投資をする、という気持ちが強い。その企業の心意気を買い、その楽器で音楽を楽しみたいと思っている。

その観点からも、12万円のギターに対して、このような品質はあり得ない。プレイヤビリティ、音質以前の問題なのである。この後即売却するに至ったが、おそらく私が手にした固体だけでなく、このような品質のギターが巷に溢れているのであろうことは想像に難くない。


私は、昔からFender Japanが好きだった。日本製らしいかっちりした作りで、おそらく加工の一部または大部分を大陸で済ませてあるであろう近年でも、誰にでもすすめられるつくりの良さに信頼を持っていた。少なくとも神田商会時代には、このようなことは聞いたことすらない。日本法人になり値段をつり上げ、品質を落としたのでは目も当てられない。12万円出せば、別のメーカーでずっとましなギターが間違いなく買える。もはやFenderでなくともいい時代に、危機感がなくはないか。楽器業界にいた私が見て、この品質は、ユーザーをなめている。

 

今回のことで、Fender Japanならびに生産元のダイナ楽器の品質管理には甚だ失望した。少なくとも私の信頼と期待は完全に裏切られた。そんなメーカーにこれ以上投資する気はない。今後私は、この2社の関わる楽器は生涯手にすることはない。