次の十年は、今迄の十年の延長線上にあります。

弾き語りの道を極めます。
スペインにて琵琶を弾き語ります。
フラメンコを!
僕にしか出来ないことを。

フラメンコの歌い手なのに、なぜ琵琶を弾き語るのかをよく聞かれます。

有名な「祇園精舎」。
朗読しても良い。
歌っても良い。
叫んでも、囁いても良い。
声に出して読み上げて欲しい。
無常観を出せるのか?

母国語である日本語ですら無常観なんか出せません。

ましてやスペイン語でジプシー達の深い悲しみや心の叫びなどの声の奥にあるものなんて!!!!!

歌えてる気になってはならないと戒めています。

歌うといこと、表現するということを体感し、その難しさ痛感出来たのは琵琶の弾き語りを通してでした。

母国語で深い歌を歌うことで僕の心の奥の何かが動き出しました。

最近自ら歌うフラメンコの歌にも僕の心の奥の変化が跳ね返ってきています。

表現したいこと、歌いたいことが先にあるんです!
形態模写でも声帯模写でもないです。

僕がフラメンコに憧れ強く惹かれたのは、目に見えている踊りの振り付けや聞こえている歌声やギターの音色ではなく、その一歩奥にあるものに揺さぶられたと確信しています。

それはジャンルや言語を超えたところにあります。

または全ての根っこ、根底にある大切な、肝心なものです。


最近、素晴らしいご縁を大切にしてきた結果、多彩なアーティストの方々との舞台に恵まれております。

特にアラブバイオリンの及川さんとの出会いは僕のアートの方向性を決定づけました。
やおよろず的な日本人にしか出来ない美しい調和、融合、音楽と舞踊の楽園です。
古の昔、彼の地スペインでもそのような美しい時代があったと教えてくれました。

小鼓の今井さんに師事し能の謡と小鼓を学んでいます。
言葉にリズムがついてるんです。
リズムに言葉を合わせるんじゃないんです!

薩摩琵琶の岩佐師匠には弾き語りの極意を。

この全てを体型づけた新しいジャンルを体系化する。

今迄バラバラに興味を持ちコツコツ勉強してきた事をまとめ上げ舞台化します。


最後に。
僕の心のブレーキを取っ払ってくれた妻に感謝しています。
彼女無しに、このような信じられない人生は歩めません。