劇団四季【アラジン】(2回目) | たかびの自己満観劇ブログ
劇団四季【アラジン】を鑑賞してきました。

アラジンの鑑賞は開幕2公演目に続き2度目、今回は先行抽選で取った席です。

前回は売店はスルーでしたが、今回は欲しい物があったので、混む前に行こうと早めの汐留上陸。

お目当ての品も無事ゲット。

皆さんはランプの絵とアラジン&ジャスミンの向かい合った絵、どっちに目が行きますか?オレは向かい合った絵に見える事が多いです。

前回撮り損ねたランプの写真も。

キャストボード。

前回鑑賞時(2015/5/27)からの役付のチェンジは以下の通り。

◇カシーム:西尾健治さん⇒萩原隆匡さん
◇サルタン:石波義人さん⇒増田守人さん

アラジン、ジャスミンともにBキャストが既にデビューしてますが、こちらは前回と変更なく。
そう言えば、道口ジーニーはいつごろデビューするんでしょうね?
ここまで瀧山ジーニーの評判が良いと、後に出る道口ジーニーに掛かるプレッシャーも相当な物でしょう。

※今回もネタバレ御免記事です。

座席は1階下手サイド実質5列の中ほど。下手の袖が若干欠けるかな?程度でしたが、さほど影響はありませんでした。

端の欠けよりも、正面から観る事を前提にしているスモーク演出(例えば、ダイヤの原石としてアラジンの顔を映すシーンなど)が、実際のスモークとスクリーンの演出がズレて見えてしまう、センターで行われるメインキャストのアクションに時折アンサンブルが被さってしまい見えない事がある、など舞台中央で行われる動作に影響が出たかな。

前回は2階6列だったので、もちろん前回よりも役者の細かい表情は良く見えますが、逆にダンスなどの大きな動きを追うのが前回と比べるととても大変。既に一度見てる作品なのに、正直追いきれません。
観たいダンサーさんが決まってる人にはいいけど、あっちも観たい、こっちも観たいって人にはこの距離感はかえって凶と出るかも。

今回も全席完売(目視で数えられる程度に空席があった様にも感じますが…)、ですが開幕してちょうど一ヶ月。
自分自身もそうである様に、そろそろリピーターもそれなりに混ざっているのでしょう。
前回鑑賞時の開幕前に劇場に満ちていた、期待に膨れ上がった空気…と言うのはあまり感じなかった気がします。

オーヴァーチュアーが鳴り響いた時の拍手もなく、静かに立ち上がった印象。

オープニングでは、ランプ伝説を語るジーニーが初っ端からボケをかましてくれますが、小道具を使った小ネタって、一度観ちゃうともう笑わなくなるのが欠点だよね。つまらないとは思わないけど、漫才でも観たばかりのネタをもう一度観ても、面白さは半減してしまうわけで、文字通りのネタバレです。

ただ、上から見た時よりも近いので、ジーニーの細かい(わざとらしい、とも言う)アクションも楽しめたので良かったかな。
ハッ…さっき浅草で買ってきた奴だ。←前回は鑑賞前に自身も浅草に行ったので、まさかの被りが面白かったもんです。

そうそう、近くで見た、と言えば、イアーゴが思いの外、猿っぽいなぁと言う印象。
猿だったアブーがカシーム、オマール、バブカックとして全くその面影を消し、オウムだったイアーゴが何故か猿っぽい。
アブーが猿のまま相棒として登場してても、このイアーゴならイケたんじゃないかなぁ。ビジュアルだけならね。
台詞はどうするよ、と言われてしまったらそれまでですが、実は猿のアニメ版アブーも大半は猿語ながらに、少しだけ人語を話してますね。ちょっとー…とか、アラージーン…とか。

それから、岡本ジャスミン、色っぺえーーー(笑)
間近に見るの楽しみにしてたんですよ。
腹筋締まってるなぁ←。

シャツの代わりにベストを羽織るのがこだわり(by ジーニー)のアラジン、島村さんは、胸板に目が行きます。
別に大胸筋フェチってワケではありません。序盤からすっげー汗の量なんだもん。

まぁ、シャツの代わりに(以下略)なアラジンをはじめ、比較的薄い纏い物のキャストが多い中、負けず劣らずの運動量を誇りながら分厚く開口部もなく、更には通気性もかなり悪そうな…ともすればサウナスーツの様な衣装のジーニーは想像を絶しますね。
実際、フレンドライクミーの後にへばってしまうシーンがありますが、台詞やアクション付きの《へばる演技》なんだろうし、そう考えるとジーニー役の俳優さんの体力って相当凄いんだろうなぁと感じます。

あ、妄想なんですがアラジンの様に、その発汗量が見て取れる役を、劇団内屈指の発汗量と言われてるM島さんが演じたらどうなるかなーと。←
ミストフェリーズの時なんて、顎からポタポタでしたよね。

さて、市場のシーンで大変に目を引いたキャストがいます。

占い師の女性…矢野侑子さん!
矢野さんと言えば、サウンド・オブ・ミュージックのシスター・マルガレッタ然り、マンマ・ミーア!で、ホテルで編み物をしてるおばあちゃん(マネマネのシーン)然り、もうわかり易過ぎるほどにわかり易い表情作り!

今回も占い師…濃いなぁ~濃すぎるな~。

ちなみにアグラバーのお城では侍女に扮する矢野さん、その…こう言ってしまうのもなんですが、矢野さんって比較的ふくよかとと言うか、ぽちゃっとしてるじゃないですか。
でも、似合わないくらいダンスしっかり踊ってますよね(笑)
マンマのカテコの全身オレンジの人と言い、今回と言い。
すげえなあ~矢野さん。←

さて、曲の面に話を持っていくと、今回ちょっと危なっかしい部分がありました。

ジャスミン王女が自室で侍女たちに不満をぶちまける、These Palace Wallsというナンバー。
イントロの尺に合わせて台詞を言ってそのまま歌に突入するナンバーなんですが、どうにもその台詞が尺いっぱいみたいで、今回はもうギリッギリ!

あれだけ『音を切る』事に一生懸命な四季の舞台なのに、台詞尻と歌い出しの音が繋がってた。

岡本さんの台詞にも焦りの色ってものが浮き出てたもんなぁ。聴いててわかりました。
表向きは演技を崩さない様にしながらも、頭の中では数秒を争ってたんだろうなあ。

一幕終盤、ジーニーの登場シーンでは登場だけで拍手喝采。

相変わらず大人気のジーニーです。とある四季仲間は、タイトルをアラジンからジーニーに変えた方がいい、と言っていたほど。

ジーニーの登場シーンの、♪ドンドッコドンドッコドンドッコドンドッコって言うバスドラの音は、SING SING SINGを連想しますね(笑)

そんなジーニー、ランプの中から出てきましたが、山口県出身だそうです。←
BW版ジーニーはどこ出身なのか気になるところですが、このシーンのアラジンとジーニーのテンポ良い掛け合いは本当に見もの。

そして、正に千変万化と言う言葉がしっくりきそうな、芸達者ぶりを披露するジーニー。

他の作品からの引用がてんこ盛りで、わかっただけでもこんなにたくさん。

コーラスライン/ジャズコンビネーション
ウェストサイド物語/オーバーチュア
美女と野獣/美女と野獣
美女と野獣/変わり者のベル(朝の風景)
リトルマーメイド/アンダー・ザ・シー
リトルマーメイド/パート・オブ・ユア・ワールド

特に変わり者ベルは、♪今朝もパン屋のおーじーさーんー、の部分なんだけど、雰囲気がガラリと変わってて面白い。
あと一曲何かあるんだけど、あれは良くわからない。カラー・オブ・ザ・ウィンドかなぁ?

そして、ジーニーはオネェキャラなばかりではなく、非常に独り言が多いキャラだなぁと。現実にいたらキモいレベルです(笑)

だって、そこにへたり込んでる人が、こちらからは話し掛けてもないのに、一人で『もう…ジーニーのバカ…本当は歩けるくせに…』とか喋ってたら、近寄りたくないでしょ?(笑)

序盤は比較的静かだった客席も、フレンド・ライク・ミーでは割れんばかりの喝采、見事なショーストップになりました。

この曲が持つパワーって本当に凄いし、それを客席に伝えるカンパニーも本当に凄いなぁと思います。

2幕はやぱり、A WHOLE NEW WORLDのシーンですよね。

魔法の絨毯がどうやって飛んでるのか?

度々話題になってますね。

絨毯の軌道やバランスからして、理屈を考えると、四隅をピアノ線などの極細ワイヤーで吊ってると考えるのが一番妥当かな…と思っていたんですが…。

まずピアノ線は照明を反射します。

反射しない素材を使っている、或いはコーティングを施していたとしても…。

暗い舞台上(夜空の設定だからね)で、月などの明るい箇所を物体が通ると、どんなに細くても、どんなに光を反射しない素材でも、必ず影(シルエット)が出来ます。

その影がなかった。

そこを注視していたけど、影はなかった。

と言う事は、吊ってるんじゃないのか?

念の為、横や舞台奥、もちろん下もそれなりに気を付けて見ていましたが、何も存在しない、少なくとも存在してる様には見えなかった。

どうやって飛んでるんだろう。そのからくりは結局わかりませんでした。

エピローグでも登場しますが、明るい中で堂々と飛ぶのに、やっぱりからくりはわかりません。

あと、前回見た後に、ちょっと歌詞で気になったんですが、Bメロ~サビの部分。

♪自由よ~流れ星みたい~/この大空~駆け抜け~後戻りはしない(さ?) ※最後の音は良く聞こえない

…この部分。

直前の、流れ星みたい~の部分の歌詞、オリジナル版(英語版)では♪この大空…に当たる部分にある歌詞なんですよね。

これってやっぱり訳詞家のセンスなんだろうなぁ。

日本版を最初に訳詞した湯川センセの詞でも、サビの歌詞はサビにあるし、サビにある単語をBメロに動かすなんて思い付かなかったんだろうなぁ。

ま…湯川センセも、無理に元ある位置で『流れ星』って単語を使おうとしたから、♪流れ星は不思議な夢に満ちているのね…なーんて、意味不明な歌詞になっちゃったんだろうけど…笑。

あ、誤解なき様に付け加えますが、この歌詞すっげー好きです、意味わかんないけど。

ちなみに、後戻りはしないさ、の部分でオリジナルも、後戻りは出来ない(I Can't Go Back to where i used to be)って歌ってるので、ひょっとしたら詞の再現度はアニメ版よりも四季版の方が高いのかも(笑)

あ、そうそう、飛ぶ前後の、ジャスミンに正体を見破られそうになる/見破られた時のアラジンのリアクションが面白すぎました。

カテコは音楽付⇒全員⇒アラジン&ジャスミン⇒ジーニーと計4回でしたが、ジーニーの時だけ桁外れの盛り上がり!

やっぱりこの作品はジーニーありきなんだなぁと改めて認識させられました。

拍手喝采の後、ジーニーの音頭でタモさん締めを一発でカッチリ決め、ジーニーの魔法(の様なアクション)で緞帳が降り終了。

前半に書いた通り、一度観れば笑いの対象からはずれてしまうネタもあるものの、見てると自然に笑ってしまう、笑顔になってしまうシーンが多過ぎて、これは何度でも観たくなりますね。

次のアラジンは8月、次の四季鑑賞はライオンキング10000回公演です♪

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