世界的に有名な童謡で、四季では『はだかの王様』と並んで故・寺山修司氏が四季の為に書き下ろした台本で半世紀近く上演されてる、四季ミュージカルの“古典作品”です。
ファミリーミュージカルなので小さな子供を連れた親子が多いんだろうなぁ…と思ったけど、夜公演だった為か、思った程親子は多くなかった。
今回最前列だった為、後ろの席が小さな子供だったら色々な意味で気まずいなぁ…と思ったけど大人だったので一安心。
それどころかセンターブロックの最前列は全員大人でした。
いや…ファミリーミュージカルは座席指定が出来ないので、別に狙って最前列を取ったワケじゃなく、たまたま最前列だったんだよぉ…。
( ̄ウ ̄;)
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王様役の牧野公昭さん、ローストビーフ卿役の志村要さん、アブラハムハム夫人役の矢野侑子さん、床屋役の渡久山慶さん、ニボシ役の中村伝さんが再見。
ファミリーミュージカルは若手俳優さんが多いのか、知らない俳優さんが多いです。
では、感想を箇条書きで。
◇オープニングナンバーの『幕をあける歌』を聴いた瞬間、本当に懐かしい気持ちでいっぱいになりました。
◇幼稚園時代か小学校時代か、遠い昔に歌った事がある歌です。
♪よ~うこ~そ~皆~さん~ や~ぁこんにちわ~♪
♪楽しい芝居は~い~つ~だって~♪
♪心に枯れない夢を咲かせる~♪
♪ライトに音楽用意はいいか?道具も衣装も支度はいいぞ♪
♪手~を~たたいて!手~を~たたいて!幕を開け~よう~♪
(歌詞中略)
もう懐かし過ぎる。
◇オーケストラピットもなく、1列目から座席がある配列での最前列なので舞台が近い近い。
◇幕が上がり、ダンサーさん達が踊り始めた瞬間に目に映ったのは、照明に当たって浮かび上がった大量の埃…。
◇正にブワッて感じでした…劇場に来て芝居が始まると必ずと言って良い程咳き込むんだけど、この埃が原因か…。
◇羽根モノの衣装を着てるダンサーさんもいる為か、羽毛らしき物もフワフワ舞ってるし…。
◇当然童謡なので子供にわかりやすく書かれている為、大人が見ると、それはないだろ~(笑)と思うシーンもそれなりにあります。
◇例えば、王様に向かって『王様!』って呼ぶ家臣なんか本来まず居ないよね~(笑)
◇まぁ、陛下だの殿下だの言っても子供にはわからないからね(笑)
◇ストーリーは子供向けでも歌とダンスはさすがです。
◇特に森の精達は美しいコーラスに華麗なバレエ。
◇一番前の席だからこそ注目出来たのかも知れないけど、ただ立ってるだけに見える森の精達の立ち姿も、足元を見ると爪先立ちだったり、左右の踵を合わせた状態で足が180°開いてたり…立ち姿を美しく見せるのはやっぱりバレエなんだろうな。
◇果たして子供達にどの位凄さが伝わっているのか…。
◇ファミリーミュージカルを見るのは初めてではないけど、この作品は特に客席と絡む事が多かった様に感じます。
◇舞台の上にいるキャラクター達が『客席』の存在を理解していたり、舞台上から客席のお客に話し掛けたり、客席に下りてきたり。
◇また、奈落をお芝居の1シーンに利用してたりして、それまで脚を伸ばして観てたのに、突然役者さん達が降りてきて慌てて脚を引っ込めなきゃ行けなかったり。
↑とあるシーンでは、床屋役の渡久山さんが脚を伸ばせば蹴れる位置にいました(笑)
◇兎に角、客席が芝居に対して第三者にならない様にする配慮が散りばめられていました。
◇作品のテーマ曲を、客席が一緒に合唱するファミリーミュージカルでは定番のシーンも、エンディングではなく1幕で登場。
役者さんが歌ってるのを良く聞いてると、どう考えてもこんな単純なメロディーラインではありません(笑)
◇ちなみに、♪お~さま~のみみは~…の『耳』の部分だけ1人1人音程が違う気がします。恐らく合唱したら『耳』の部分がハモるんだろうな…。
◇台詞の最中でも『王様の耳はロバの耳』というフレーズだけは歌うのが面白かったけど、あれってサブリミナル効果狙ってる?(笑)お陰で♪お~さま~の耳は~ロバァの耳~♪というフレーズが離れません。
◇役者さんに注目すると…まずローストビーフ卿役の志村要さん。
◇これまで観てきた役は『スルース』のアンドリュー・ワイク役、それに『クレイジーフォーユー』のランク・ホーキンス役。容姿も手伝ってか、こういう陰湿でズル賢い役柄がハマってるイメージ。
◇ところが今回のローストビーフ卿は比較的コミカルな動作が多いなぁ…と思っていたけど、あ…やっぱり(笑)という結果になりました。
◇王様役の牧野公昭さん。これまで観てきた役は『アイーダ』のアモナスロ役、それに『コンタクト』の妻を抑圧する夫役。威厳がある役柄がピッタリなイメージ。
◇今回の王様役はやっぱり威厳を感じる重厚感ある声で喋ってるモノの、その外見のコミカルさや、声の質を突然変える事で笑いを狙った芝居をしたりするシーンがあるお陰で、やや緩いキャラに見えてギャップが面白かった。
◇二幕になると、それまで『わがまま』と言われながらも、やや緩くて優しい印象だった王様が突然極悪非道になりびっくり。
◇王の側近でありながら最終的に国民側に寝返った詩人チキンは、二幕になるとやたら『王様が怖いから私は止める』という台詞を吐きますが、これは名前がチキンなだけに性格もチキンだという事でしょうか?
◇しかし子供にチキンと言っても100%鶏肉を思い浮かべるだろうし、臆病者の事をチキンと言うことを知ってる子供なんてそうそう居ないはず。
◇なので、これはきっと、寺山修司の遊び心なんだろうな…と感じた。
◇子供向けの作品故に回りくどさが無く、メッセージがダイレクトに伝わってくるのは、やっぱりファミリーミュージカルの良さなんだろうな。
◇時々は心の浄化の為にファミリーミュージカルを観たいです。可能ならエルコスの祈りを再演希望。
◇カーテンコールの後はファミリーミュージカル恒例の役者さん達に寄るお見送り。
◇数人の森の精達(誰が誰かはわからない)と、王様役の牧野さんと握手をしてきました。
◇牧野さんと握手をした時に、『他の役(アイーダやコンタクト)の時と全然印象が違ってビックリしました』と伝えたら、『わははは!』と豪快に笑ってました(笑)
◇この作品で、何だか牧野さんに対するイメージが変わったなぁ(笑)
そんなワケで今年の四季初めは終了。
次回の四季は来月上旬、牧野さんは牧野さんでも、牧野公昭さんではなく牧野友紀さん(チップ役)が出演してる(かも知れない)美女と野獣です。
こちらは1年2ヶ月振り3度目の鑑賞。
1・2・3と並びました。
1・2・3と並びました。
こちらも今回に続き最前センターなので楽しみです。