劇団四季【アスペクツ オブ ラブ】(2回目) | たかびの自己満観劇ブログ
劇団四季【アスペクツ オブ ラブ】を鑑賞してきました。
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今回で二度目の鑑賞です。
 
二度目と言えば、会員限定『日本初演20th Anniversaryウィーク』の対象。
 
先着350名限定という事で、キャンペーンが始まって時間が経っていたのでどうかと思いましたが、なんとか大丈夫だった様で。
 
開演まで5分を切っていると言うのに劇場に到着後汗だくのまま2階ロビーへ。
 
無事、キャスト直筆の手紙を受け取りました。

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手紙はマルセル役の寺田真実さん、男性アンサンブルの斎藤洋一郎さん、女性アンサンブルの廣本則子さんからのメッセージが書かれていました。本当に直筆で一通一通書いてるんだってね。

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ちなみに裏面には、ローズの香りを添えて、と書いてありましたが、良い香りがするお手紙でした。
 
こちらキャストボード。

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短期公演の為、キャストの変更はありません。
 
席は下手ブロック最前列。目の前にサブステージ?がある為、役者さんが本当に近くまで来る席です。
 
んだば雑感を。
 
◇今回は二度目の鑑賞の為、前回鑑賞分の補完の意味も兼ねての鑑賞でした。
 
◇今回は細かい点よりも物語全体を通じて気付かされる点が非常に多かった気がします。
 
◇まずオープニングでアレックスによって歌われる、作品全体のテーマを歌っているであろう『Love changes everything』というナンバー。まさにサブタイの『恋はすべてを変える』ですが、このナンバーのメロディーが作品全体を通して何十回もリプライズされてる事に気付きました。歌唱曲としてはもちろん、BGMとしても何度も何度も流れてました。
 
◇同じ様にリプライズ率が高かったのがローズとアレックスが汽車の中で歌う『Seeing is Believing』や、ジョージが歌う曲(この恋もいつかは思い出~みたいな感じの曲)の二曲。全編を通じて、同じ事の繰り返しなんだ、と訴えているかの様。
 
◇隣の人、見事に寝てました。下手ブロックで右隣に座ってれば嫌でも目に入ってくる。寝ちゃう人が多い作品らしいけど、本当にそうなのかなと思う。しっかり舞台に自分の感情が入り込めれば寝てる暇なんかない作品だと思うんだけどな。
 
◇前回は初見という事もあり、自分は完全に第三者だったんだけど、今回はそうでは無しに舞台上のキャラに自分を投影したらどうなるか、と思ってやってみたワケなんだけど…全然違う作品になりました。
 
◇男目線での話なので、当然アレックスに感情が入っていきます。そしたら、この作品はあまりに酷だと思えてきました。
 
◇アレックスは本当に芯が強い男性だと思う。自分がアレックスの立場だったら、特にジョージがローズに自分の過去をバラす嫌がらせ(多分ジョージは軽い気持ちでやっている)をはじめ一連の出来事に、トラウマか人間不信になると思う。
 
◇ローズに対して必死に弁解しようとする気持ちも、逆にジョージが誇らしげにしている絵や詩が盗作である事をローズにばらしたくなる気持ちも本当に良くわかる。
 
◇どんどん必死になってなんとかローズの気持ちをジョージから離そうとする余り、我を忘れそして大人の余裕にすら気付かなくなっていくアレックスを見ているうちに、アレックスに感情が入り過ぎて、心拍数が上がって息苦しくなってしまった。自分自身にびっくりした。
 
◇そして、ジョージが現われた際のローズの変わり身の早さを見て、本当に自分のすぐ近くにローズタイプの女性がいなくて良かったと感じた。わからないけどね。ひょっとしたらローズタイプに変身する女性は多いかも知れない。
 
◇それでも誘惑を続けるローズに対し銃を向けるアレックスに、結局はストーカーなど恋愛絡みの事件ってこうやって生成されるものなんだろうな、と思った。女性の方には軽い悪戯心、或いは大人の余裕があってもそれを受け流せない男性がこうなってしまう。逆もまたしかり。
 
◇そう考えると、凹みはするけど割とすぐに乗り換える術を身に付けた今の自分はここ数年で本当に変わったなと思う(笑)
 
◇しかし、今の自分も例外ではないけど、一度手に入れた女性はよっぽどでは無い限り、例え関係が断ち切れても自分のものにしておきたい願望って、男性は少なからず持ってるんじゃないかと思う。話脱線。
 
◇しかし、フッと思ったのが、アレックスがローズに銃を向けた時、マダムと呼ばれたローズはまだ正式にジョージとは結婚してないんだよね?ローズとジョージの結婚式ってもっと後のシーンだったよね?
 
◇その後のシーンで、アレックスとジョージがローズを譲り合うシーン…ジョージの大人としての建て前か、或いは面倒を避けたい思いからなのか、自分の罪を詫びる意味で譲ろうとしてるアレックスのそれとは、同じ歌詞で歌っていても意味が全然違うんだろうなって感じた。
 
◇その後も、なかなか大人になれずひたむきな姿勢を貫くアレックスを、ローズとジョージが手玉に取ってる様子が良く見えて複雑な気分だった。
 
◇舞台に目を向けると、前回センターブロックから観た時は、鮮やかだなーと思っていた舞台転換も、サイドブロックから見ると割と慌ただしい事がわかった。
 
◇ジョージが破産したシーンで、恐らくローズのマイクだと思うけど、結構派手に雑音を拾ってしまっていた。あれは残念だな。
 
◇結婚式の時のローズの早替えは本当に凄いと思う。
 
◇同時に、結婚の知らせを受けたアレックスの登場も、本当に目との先なのに本当に音もなく現れたのもびっくりした。他のシーンでは少なからず影が見えたり足音が聞こえたりしたのに、このシーンだけは本当にわからなかった。
 
◇二幕に入り、アレックスも大人になって余裕を感じる様になっていたけど、一人で行くのは寂しいから一緒に来て、とアレックスを誘ってるそばから、ヒューゴは後から汽車で来て、と命令するシーン。幾つになってもこの性格は変わらないんだな、と感じた。
 
◇ヒューゴって何者?ジャネットって何者?という掛け合いが、美女と野獣のルミエールとバベットの掛け合いとダブって見えた。
 
◇フッと気になったんだけど、劇中至る所に【オペラ座の怪人】の怪人から手紙が届いたシーンと同じ曲(カルロッタが歌うパート)が使われてるよね?同じロイドウェバー作品だけど、これは遊び心かな?
 
◇ジェニーが髪留めを外して、アレックスの背後で一瞬にして衣装が変わるシーン。もちろんそれは月日の流れと子供から大人に少しずつ成長していくジェニーを描いたものなんだろうけど、センターブロックから見てたら一体どんな仕組みなんだろうと思っていたこのシーンも、サイドブロックから見ると種が良くわかりました。
 
◇胸元で止めてるストラップのボタンを外すと、上半身の衣装が下半身の方向に反転してその中からスカートが出てきてショートパンツを覆うという、なんとも手の込んだ衣装でした(笑)
 
◇真っ向から何度も求愛するジェニーをアレックスは、心揺らぎながらも大人の対応をしていくワケだけど、ジェニーの姿にかつての自分を見てるだろうに、その時どんな対応をされてどんな気分になったかわかってるだろうに、気付かずに同じことを繰り返しているんだな。音楽が繰り返してるのはこの事を言ってるんだろうな、と思いました。
 
◇同様にローズがそうした様に、ジェニーがディリアのドレスを着てジョージの心の傷をえぐるのも、やはり同じ事を繰り返している例なのかなと。
 
◇本人にはそのつもりはなくても、何気ない行動が誰かの傷をえぐる事もある、というメッセージに感じられました。
 
◇ジェニーのベッドシーン(意味が変わっちゃう表現)や、アレックスとジュリエッタのラブシーンは席の都合上本当に目の前でした。
 
◇実は言うほど歳が離れてないアレックスとローズ(歳の差は8つ…それでもローズがアレックスを手玉に取るには十分か…)だけど、年齢の詳細が明らかにされてないながらに、ローズともジョージとも上手くやるジュリエッタは一体幾つ位なんだろうと思っていたんだけど、実は意外とアレックスと近いのかも知れない。酒とダンスのシーンで『同じ年頃の女と~』という台詞をアレックスに向けてる辺り、実はローズよりアレックスに近い年頃なんじゃないかとすら思います。その割には大人びてるけどね。
 
◇そのダンスの激しさと異様さに目を奪われがちな酒とダンスの葬儀シーンで、実は隅っこの方である種の略奪愛が演じられてる事に気付きました。
 
◇アレックスに声を掛けようとしているローズの正に目前でアレックスを連れ去るジュリエッタ。残されたローズの表情はジョージを失った上にアレックスまで取られた喪失感が滲み出ていました。
 
◇なんかもう、自分が愛する人と自分が信頼している友達がラブシーンを演じている現場を目撃してしまった某エジプトの王女の表情とダブって見えました。これ本当。
 
◇そう考えると、立場的になかなか打ち解けるのは難しい筈なのに、いとも簡単にローズと打ち解けてしまったジュリエッタも、某囚われの王女にダブって見えます(しつこい)
 
◇葬儀の後、森にアレックスを呼び出し再度告白を試みるジェニーが、告白を伝える歌を歌いながらアレックスをチラチラ見てるのが印象的だったな。
 
◇最後、泣きながらアレックスを引き留めるローズに、何を今更…と思いつつ、今回はうるっと来てしまいました。
 
◇冒頭に戻り、ジュリエッタがアレックスに『いずれあの子は大人になるけど、その時あなたはどうする?』と問いかけをするけど、そこにも『恋は結局同じことの繰り返し』というメッセージが込められているんだな、と感じました。
 
結局、全編を通じて『同じことの繰り返し』なんだなと。
 

そんなワケで二度目の鑑賞となったアスペクツ オブ ラブ。
 
前回とは随分見方が変わったな、と言う感じがしました。
 
観れば観る程、色々な感じ方が出来る作品なんだなーと。

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