株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッターはこちら
人気ブログランキングに参加しています。

チャンネルAJER更新しました。
「日本の食糧安全保障を強化する自助・共助・公助(前半)」三橋貴明 AJER2024.7.2

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

【徹底解説】財務省はどうやってメディア・世論を操っているのか?[三橋TV第889回]三橋貴明・菅沢こゆき

 

 日本政府は食料安全保障について、「輸出を増やし」強化することを目標の一つとして掲げています。


 輸出を増やし、食料安全保障を強化するとなると、当然「穀物」でなければなりません。トマトやキュウリの輸出を増やしたところで、食料安全保障強化になりません。


 日本の場合、穀物を輸出するとなると「コメ」以外にはあり得ない。


 確かにアメリカや欧州諸国はコムギの輸出により食料自給率を引き上げていますが、
A:農家への所得補償(欧州)
B:再生産可能な価格の保障(アメリカ)
 という、政府の財政出動により実現しています。


 アメリカや欧州の農家であっても、生産コストが高すぎるため、穀物価格がグローバル市場では「高すぎる」のです。だからこそ、政府の支援なしでは輸出できない。


 というわけで、日本がコメ輸出で食料安全保障を強化したくとも、政府の財政支援なしでは「どうにもならない」のでございますよ。これは、日本だけの問題ではなく、アメリカと欧州も「同じである」という現実をご理解ください。


 日本のコメ価格はグローバルで戦うには「高すぎる」。当然、農林水産省は把握しています。

【コメの内外格差 円/kg(精米ベース)】


http://mtdata.jp/data_91.html#kome

 令和三年のタイ米(グローバルな基準となるコメ)のkg当たりの価格は62ドル。


 それに対し、日本のコメは216ドル。三倍以上です。


 この状況で「コメの輸出で食料安全保障の強化を図る」となると、政府が農家への個別補償をするか、再生産価格を保障するしかない。


 どちらをやるの?

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

特別コンテンツ「三橋貴明×宇山卓栄:日本人はどこから来たのか(前編)」がリリースになりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

「日本のコメ」平時は輸出、有事は国内…作れるだけ作って生産増「無償の備蓄」に
 6月下旬。台湾・台北市のディスカウントストア「DON DON DONKI忠孝新生店」の一角に、明太子(65台湾ドル=約320円)、鶏の照り焼きマヨネーズ(69台湾ドル)などのおにぎりが並んでいた。
 「日本のコメは甘くてもちもちしていておいしい。円安で値段も手頃です」。台湾北東部・宜蘭県の会社員(26)は日本産のコメのおにぎりを食べて笑った。同店を運営する会社の担当者は「海外への販路拡大が日本の稲作を守ることにつながる」と話した。(後略)』

 それはもちろん、日本のコメ価格であっても輸入する国はあります。とはいえ、日本の輸出量は「微量」です。

 

 日本の食料安全保障を強化するとなると、少なくとも100万トン単位のコメを輸出しなければならない。何しろ、生産量はおよそ700万トンという単位なのです。


 現実には、4万トン弱。


 わたくしはもちろん、日本の食料安全保障を強化するために、穀物輸出を拡大することには賛成します。とはいえ、その場合は価格の問題をクリアしなければならない。

『(引用)同戦略研究所の山下研究主幹は「コメを作れるだけ作り、国内で消費できない分は輸出する。平時に海外で安く売ることができれば世界の消費者が喜び、さらに需要は増すし、有事の際に国内消費に向ければ、『無償の備蓄』となる。世界と日本両方の食料安保に貢献できるのが日本のコメだ」と話している。』

 最近、山下氏が「コメの輸出」を推奨しており、その考え方自体は正しいのですが、「平時に海外で安く売る」を実現するとなると、政府が財政支出する以外に方法がない。


 とはいえ、財務省主権国家の日本では、財務省が「日本国民の食」のためであったとしても、財政支出を拡大することはない。


 となると、
「コメの輸出で食料安全保障を強化! え? 高すぎて輸出できない? 農家の努力が足りない!」
 となる未来以外に見えないのですよ。

「政府の財政支出で食料安全保障強化を!」に、ご賛同下さる方は、

↓このリンクをクリックを!

本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。

◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページはこちらです。

㈱日本富民安全研究所のブログ絶望の先にはこちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページはこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」はこちらです。