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「国債の利払いが増えて破綻する論を、財務官僚が、国会答弁で否定してしまった。(前半)」三橋貴明 AJER2024.6.25

  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。

 

【全編公開】財務省による支配構造を徹底解剖!なぜ財政破綻論者は消えないのか?[三橋TV第881回]三橋貴明・saya


https://youtu.be/hqLYbJ3ENMI
 

 二十年ぶり新紙幣発行が始まりました。もっとも、まずは市中銀行が、
「日銀当座預金の引き出し」
 という形で新紙幣を入手するため、我々が手にするのはもう少し先になります。


 我々は、自らが保有する、
「銀行預金の引き出し」
 により、現金紙幣を入手いたします。


 さて、本ブログ読者の方はご承知でしょうが、現金紙幣は日本銀行の「負債」としてバランスシート(貸借対照表)の貸方に計上されています。

【2024年3月末時点 日本銀行のバランスシート(兆円)】


http://mtdata.jp/data_91.html#BOJBS24Q1

 この事実ほど、「貨幣の真相」を国民に示すものはないでしょう。何も知らない方は、現金紙幣は(日銀の)負債であると説明されても、
「え? 何、言ってんの? 頭、大丈夫?」
 となること確実です。


 そこで有効になるのは、「貴方の銀行預金はどうやって産まれたの?」という問いです。


「え? 私が働いて、給与を振り込んでくれたから、あるんでしょ?」
「貴方に振り込んでくれた会社は、どうやって銀行預金を手に入れたの?」
「え? それはもちろん、お客さんに何かを売って、手に入れたんでしょ?」
「そのお客さんは、どうやって銀行預金を手に入れたの?」
 と、「考えてもらう」ことで、最後は必ず、
あ、そうだ!(ピコーン!閃いた!)現金紙幣を銀行に預ければ、銀行預金になるじゃないですか! 銀行預金の源は現金紙幣です!」
 などと言い出すわけですが、
じゃあ、その現金紙幣は、どうやって手に入れたの?
 と、聞くと、「アレ?」となってしまうのです。もちろん、現金紙幣は「銀行預金を引き出す」ことで入手しています。もとに戻ってしまいましたね。


 銀行預金は、誰かが貨幣を市中銀行から借り入れることで創出されます。その証拠に、現金紙幣の総額は図の通り、125兆円に「過ぎない」わけですが、銀行預金の合計(=流動性預金+定期性預金+譲渡性預金)の合計は、1691兆円に達しています。


 ちなみに、銀行預金は便利な貨幣ですが、利用者の制限があります。銀行預金の口座を持っていない人には、使えないのですよ。というわけで、現金紙幣の出番というわけです。


 現金紙幣は、現在の日本において、最も汎用性が高い決済手段なのでございます。


 が、現金紙幣の流動性には別の問題もあります。
 

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特別コンテンツ「三橋貴明×宇山卓栄:日本人はどこから来たのか(前編)」がリリースになりました。
https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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新紙幣が20年ぶり発行  初日は1.6兆円、機器の更新一部に遅れ
 日本銀行は3日、新たな紙幣の発行を始めた。1万円札は「資本主義の父」と呼ばれる実業家の渋沢栄一、5千円札は女性の地位向上に尽くした津田梅子、千円札は破傷風の治療を確立した北里柴三郎の肖像となる。刷新は2004年以来20年ぶり。前回は1年間で、流通するお札の6割ほどが新紙幣に切り替わった。
 日銀本店(東京都中央区)と全国32支店では3日午前8時ごろから、新紙幣が金融機関に引き渡された。日銀によると、この日の引き渡しは2.8億枚で、金額は1.6兆円だった。1日平均の7.5倍にあたる。今後、新紙幣を入手できる銀行などの店舗が増えていくとみられる。(後略)』

 現代においては、現金紙幣を「機械」が扱うケースが少なくないわけです。


 人対人の決済であれば良いのですが、「人対機械」の場合は、機械側が対応してくれなければ、新紙幣は決済手段としては使えないということになります。


 貨幣の定義は、
1.単位がある(円、など)
2.債務と債権の記録である
3.譲渡性がある
4.担保がある
 の四つになります。


 因みに、「はじまりの貨幣」である国債の担保は「国民経済の供給能力」ですが、それ以外の貨幣には「国債」「預金」といった資産としての担保が存在します。


 現金紙幣は、そもそも日銀当座預金を紙化しただけの存在です。そして、日銀当座預金の担保は、日本国債です。日本銀行は、日本国債と引き換えに、日銀当座預金を発行しています(それが、紙になると現金紙幣)。


 民間の銀行預金の担保は、我々が融資を受ける際に差し入れた借用証書が担保になります。

 

 小切手の担保は、我々が保有する当座預金ですね。


 上記の4つの定義を見ると、3の譲渡性については大小があることが分かります。銀行預金は、預金口座を持っていない人は使えない。現金紙幣は、人対機械については、現時点では制限がある。


 話は「オールオアナッシング」ではありません。100%の譲渡性が保障される貨幣はありません。「預金口座を持っていない」「機械が対応していない」といった特殊事情は考慮した上で「譲渡性が高い」からこそ、銀行預金や現金紙幣は貨幣なのですよ。


 そして、硬貨(コイン)は貨幣ではないのです。何しろ、誰の債務でもなく、さらに譲渡性が制限されている(一度の決済の際に、額面価格の二十倍の硬貨を一度に使うことは禁じられている)。


 硬貨とは、「補助通貨」なのです。紙幣のみでは、小口の決済が難しいでしょ? だから、政府が利便性を高めるために硬貨を発行してあげる。だから、利便性を損なうような使い方をするなよ? という話。


 だからこそ、硬貨は外貨への両替ができない。海外旅行をした際に、コインを日本円に両替することができないのは、そもそも貨幣ではないためなのですよ。


 貨幣の世界って、面白いでしょ? 面白いからこそ、学べる。貨幣について正しく学び、正しい国民経済を理解しましょう。
 

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