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「値上げしろ、人を囲い込め、投資しろ(前半)」三橋貴明 AJER2024.4.2
令和の政策ピボット呼びかけ人に「独身研究家 荒川和久先生」が加わって頂けました。
消費税は〇〇税?〜小学生のうちから洗脳される日本国民 [三橋TV第852回] 大奈(政治団体赤字黒字幹事長)・三橋貴明・高家望愛
さて、いよいよ4月28日。衆院補欠選挙の投票が始まりました。
大混戦の東京15区に注目が当たりがちですが、最も今後の政局に影響を与えるのは、やはり島根1区。「保守王国」の島根で、自民党候補が野党候補に「大差」で敗れた場合、さすがに岸田降ろしの方向に向かうでしょう。
ところで、今後の日本の政治や我々の生活に大きく関連するのが、為替レートです。日銀による政策の現状維持が決まり(当たり前ですが)、アメリカ側でFRBの利下げが遅れそうとの「思惑」が広がり、NYで1ドル158円を付けました。
ポイントは、少なくとも現在のドル高円安は、「日本の財政赤字が不足した」ことにより起きているという点です。
【G7諸国の政府の債務残高(2018年=1)の推移】
http://mtdata.jp/data_89.html#G7
図の通り、アメリカは21年までに、対2018年比で三割以上も政府債務を増やしました。莫大な財政赤字が、民間経済に支出されたのです。結果、経済が過熱化し、インフレ率が一時は8%にまで上昇し、FRBが前代未聞の利上げを繰り返した。
日本は21年までに、対2018年比で一割しか政府債務を増やしていない。財政赤字が不足し、民間経済はデフレ化したまま。結果、日本銀行が利上げをする環境にならず、日米金利差が開き、ドル高円安になった。
本件について、国民民主党の玉木代表がポストしていますが、この認識は正しい。
『玉木雄一郎(国民民主党代表)@tamakiyuichiro
ドル円が34年ぶりに155円台。
理由はひとえに米国経済の強さ。
FRBが金利を上げても経済が堅調で、特に、労働市場がタイトで賃金上昇が続いていることが大きい。理由が米国側にある以上、正直、日本側でできることは限られている。日銀の政策決定会合が開かれるが、あまりジタバタしない方がいい。(後略)』
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後略部で玉木代表が書かれている通り、円安にはメリットとデメリットがあります。
メリットとしては、もちろん輸出企業の好調。はっきり言って、今の為替レートでは、日本輸出企業はダンピング輸出しているようなものです。ちなみに、円安の影響で、2023年(CY)の財の輸出は、史上初めて100兆円を超えました。
デメリットは、輸入物価上昇。
【日本の輸入物価指数(2020年=100)】
http://mtdata.jp/data_89.html#yunyuubukka
日本の輸入物価は契約通貨ベースでは下がっていっているのですが、 円ベースでは高止まり。もちろん、昨今の円安が影響している。
となると、輸入物価上昇に起因するコストプッシュ型インフレは終わらない。対策は、玉木代表が書かれている通り、
『(引用)当面は、円安でメリット受けた側の果実を円安でデメリットを被っている側に再分配するなどの対策が必要。例えば、大きな利益が出ているであろう外為特会の資金を使って、エネルギー高騰対策や低所得者対策をはじめとした家計対策を行うべき。』
を含む物価対策を行う。最も適切な物価対策は、消費税減税。さらには、ガソリン税廃止。5月分で終了予定の電気代、ガス代への補助を継続する。
なのですが、どうせやらんでしょ、岸田内閣は。
となれば、物価上昇による実質賃金の下落は続く。
ちなみに、そもそも為替レートに責任を持つべきは「財務省」です。だからこそ、外為特別会計があるのです(ちなみに、玉木代表が書いているように外為特会の資金を一般会計化するには、法律の制定が必要です)。
外為特会で為替対策をするのは、財務省の所管なのです。日本銀行ではありません。
さて、まとめ。
1.現在のドル高円安は、財務省の緊縮財政により「コロナ禍においても財政赤字を十分に増やさなかった」ことが原因
2.円安の「デメリット」に対し、本来は消費税廃止やガソリン税廃止に踏み込むべきだが、財務省は絶対に認めない
3.円安(というか、日米金利差拡大)を日本銀行の責任にしている限り、現在のドル高円安は続き、輸入物価上昇に起因するコストプッシュ型インフレは終わらない
結局のところ、財務省の緊縮財政が日本国民に史上最長の実質賃金低下をもたらし、さらには緊縮財政を続ける限り、これからも続くという話なのです。
落ち着いて考えてみれば、理解できます。緊縮財政を続ける限り、日本の実質賃金下落は続く。結果的に、政治は不安定化する。
日本国民も追い詰められているのですが、財務省も追い詰められている。まるで、チキンレース。
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