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「何故、現在の実質賃金のグラフが岸田内閣を苦しめているのか?」(前半)三橋貴明 AJER2023.11.28
  

令和の政策ピボット呼びかけ人に「やまと経営者連盟 代表理事 古賀真氏」が加わって下さいました。

 

どうするんだよ、これっ!パリ協定と電力自由化が日本にもたらす悪夢 [三橋TV第795回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/rMy_GvD0AS4

 

 昨日のエントリで、
「個人的に一番怖いのは、国民や政治家の多くがカーボンニュートラルの脅威を理解していないという点なんですけどね。」
 と、書きましたが、地球温暖化の原因はともかく、パリ協定以降の「世界」は脱炭素、ネットゼロ、カーボンニュートラルの方向に向かっています。これは「外部環境」であるため、なかなか修正しがたい要件です。


 カーボンニュートラルと聞くと「遠い話」のように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。


 今後の「世界」は、
「省電力」
「省化石燃料」
 な製品やサービス「しか買わない」方向にシフトしていく可能性が濃厚なのです。


 2020年9月の国連総会で、習近平はいきなり、
「中国は2030年までにCO2排出をピークアウトさせ、2060年までにカーボンニュートラルを達成する」
 と宣言しました。(中国の宣言を受け、日本も慌てて2050年カーボンニュートラルを宣言した)


 なぜ、習近平はいきなりカーボンニュートラルを宣言したのか。中国共産党は、世界の様々な市場、分野における「ゲームチェンジ」を企てているのでしょう


 例えば、内燃機関の自動車の技術では、もはや中国が日本に追いつくことはできない。ならば、自動車の市場自体を「非・内燃機関」に変えてしまえばいい。そのためには、カーボンニュートラルだ。


 しかも、中国のCO2ピークアウトは2030年。それまでは石炭火力燃やしまくり、EVで世界の自動車市場を奪う。


 EVにしても、石炭火力で発電した電気を充電するのでは、「省化石燃料」でも何でもありません。さらには、EVの製造の際に化石燃料を燃やしまくるのでは、やはり「省化石燃料」ではない。


 とはいえ、中国にとってそんなことはどうでもいいのでしょう。目的はカーボンニュートラルでも何でもなく、EVで自動車市場のゲームチェンジャーになることです。(無論、自動車市場以外においても)


 「世界」の方も(日本は?ですが)そんなことは百も承知なので、EUなどはEV補助金等で「中国」を排除しようと図っています。本来は関税をかけたいところでしょうが、WTOにより無理なのです。

 

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中国共産党のプロパガンダ「南京事件(南京大虐殺)」とは、何だったのか? 「南京安全区」の実態を把握することが南京事件の完全な解明につながります。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

(※本動画は一般動画サイトの削除対象になってしまうため、本「経世史論」でしか視聴できません)
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 もっとも、EV補助金は「財政政策」の影響を受けます。

ドイツのEV補助金、1年前倒しで停止 電動化に失速懸念
 ドイツ政府は17日から電気自動車(EV)の購入時に支給する補助金を停止すると明らかにした。2024年末まで継続予定だったが、新型コロナウイルス対策で使わなかった過去の予算の転用が違憲となり、補助金を捻出できなくなった。欧州の旗振り役だったドイツの突然の支援停止で、電動化に失速懸念が出てきた。(後略)』

 ドイツは補助金で内燃機関からEVへの転換を図っていましたが、「財政規律」により停止することになりました。 


 また、フランスは中国などアジアで生産し、輸入するEVについて、補助金の対象外とすると発表。理由は、アジアで生産されたEVは、輸送距離が長く環境負荷が大きいため、とのことです。


 外国産のEVについては、
「生産時に化石燃料を燃やしまくっている」
「輸送の際に化石燃料を燃やしまくってる」
 といった理屈を持ち出すことで、関税はかけられないものの、補助金の対象外にするといった「保護政策」が採れるわけです(というか、EUは採っている。もちろん日本もやるべき)。


 いずれにせよ、中独仏などの事例から、カーボンニュートラルの「世界」へのパラダイムシフトの際に、「国家」のパワーが圧倒的に重要であることは明らかです。そして、90年代以降「小さな政府」をひたすら追求した日本国が、カーボンニュートラルの世界に対応できるのか?


 発電や自動車の状況を見ている限り、不安にならざるを得ないのですよ。
 

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