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「コストプッシュ型インフレの真実」(前半)三橋貴明 AJER2022.9.27
  

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https://youtu.be/tpl9gQ34EXI

 


 ロシアがウクライナの占領地域おける「ロシア編入の是非を問う」住民投票が実施され、というか「実施されたとされ」、予想通り「賛成票が圧倒的多数」との結果というよりは「発表」がされました。と言いますか、この「結果」を予想していなかった人は、地球上に一人もいなかったでしょう。

ロシア、ウクライナ4州の「住民投票」で勝利主張 西側は「茶番」と非難
 ロシアが支配するウクライナの4州で開かれていた「住民投票」が27日、終わった。ロシアへの編入に対する賛成票が圧倒的多数とされており、ロシアはこの結果を、ウクライナ領土をさらに併合する根拠として使う可能性がある。
 投票は、東部のドネツク、ルハンスク、南部のヘルソン、ザポリッジャの各州で行われた。ウクライナ領土の約15%の住民ら最大400万人が、戦乱が続く中で4日間、投票を求められた。
 それらの州からロシアやクリミア(ロシアが2014年に併合)に避難した人たちも、投票できるとされた。投票は国際的に承認されておらず、独立した監視もなかった。
 ドネツク、ルハンスク両州の親ロシア派当局が運営する通信社は、ロシアへの編入に対する賛成票は最大99.23%に達すると報じている。この種の投票では異例の高率だ。(後略)』

 茶番劇の住民投票勝利を受け、プーチン大統領はウクライナ占領地域について「ロシア領となった」と宣言するでしょう。恐らくは、明日、9月30日、ロシア連邦議会の演説で、占領地域併合を発表すると見られています。


 となりますと、今後のウクライナ軍の「占領地域の奪還」の行動について、プーチン大統領は、
「ロシア領への攻撃だ」
 と、断定することになります。と言いますか、そのために茶番劇の住民投票を実施したわけです。


 すでに、「部分的動員」が始まっていますが、ウクライナ軍の「併合地域」への攻撃を受け、プーチン政権はこれまでの「特別軍事作戦」を「戦争状態」に変更することになります。となれば、戒厳令、さらには「総動員」と進んでいくことになります。

 

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 2020年、ロシア憲法が改正され、「ロシア領土の割譲禁止」条項が新たに盛り込まれました。つまりは、併合地域をウクライナ側に奪われると憲法違反となってしまうのです。


 更に刑法も改正され、領土割譲に対しては最高十年の刑が科されることになります。


 プーチン政権がウクライナ軍に「併合地域」を奪われると、憲法違反で刑法の処罰対象となってしまうわけです。無茶苦茶です。


 プーチン大統領は、9月21日の演説で、
「わが国の領土保全に脅威が生じた場合、利用可能なすべての兵器システムを必ず使用する。これはハッタリではない」
 と、警告しています。


 「わが国の領土」には、併合四地域が含まれ、「利用可能なすべての兵器システム」には、戦術核兵器が含まれるのでしょう。


 ロシア軍の戦術核兵器の使用に関するハードルは低く、大統領が使用許可を出せば、前線の師団長クラスで判断できてしまいます。


 欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、ロシアの住民投票を受け、
「われわれは見せかけの『住民投票』も、ウクライナのいかなる領土併合も認めない。事態を一段とエスカレーションさせたことに対し、ロシア政府に代償を払わせると決意している」
 として、新たなロシア制裁案を提示しました。


 ただ、プーチン大統領は完全に退路を断ったかに見えます。経済制裁の強化程度では、ロシアの行動を停めることはできないでしょう。


 そして、ウクライナ軍は占領地の奪還のために、西側の高性能兵器を活用し、進軍を続けている。
 

 明日、行われる可能性が高い「併合宣言」後に、ウクライナ軍が占領地域に進撃すると、どうなるのか。
 

 この「世界の現実」を前に、我が国はどうするのか。緊縮財政やお花畑的平和主義にしがみついている限り、繁栄の未来などありえないのです。

 

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