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「アメリカの大転換と高圧経済」(前半)三橋貴明 AJER2020.7.5
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2021年7月17日 三橋経済塾第十期第七回講義 会場:那覇市
ゴールは近い! 財政拡大とミッション志向の税制改革で二兎を追え! [三橋TV第414回] 三橋貴明・高家望愛
銀行法が改正され、銀行グループの他業規制の緩和や、銀行グループにおける事業会社出資規制(5%、15%)の事実上の撤廃が決まりました。
中小企業のM&Aを容易にする法律改正も進んでいます。今後、日本の中小企業(※非上場企業)の多くが「短期主義」の株主資本主義に飲み込まれていくことになります。
結果、長期的視点からの研究開発は困難になり、気概のある若手の経営者も「短期で売り抜けられる技術開発」に傾注するようになります。とにかく、短期的に目立つ技術を開発し、大企業に会社ごと売り飛ばし、創業者利益を得るわけです。
結果、技術進歩は停滞します。
なぜ、断言するのかと言えば、わたくしは外資系IT企業で働いていた頃、その種の光景を日常的に見ていたためです。
ところで、2019年10月にゴールドマンサックスが日本での銀行の営業免許を申請しました。となると、今回の一連の中小企業「改革」は、何も菅政権で始まったわけではない。安倍政権の頃から、着々と進められてきたと考えるべきでしょう。
『金融庁:ゴールドマン・サックス・バンクUSA東京支店の銀行業に営業免許
金融庁は7日、銀行法第4条第1項の規定に基づき、ゴールドマン・サックス・バンクUSA東京支店の銀行業の営業免許を行ったと発表した。』
めでたく、デービッド・アトキンソンの古巣であるゴールドマンサックスが、日本での営業免許を取得しました。銀行法が改正された直後に、GSが営業免許取得。
分かりやすいこと、この上ないです。
これで、GSは「銀行」というパワーも利用し、日本でM&Aビジネスを展開できるわけですね。
日本は相変わらずこんな有様ですが、世界は明らかに「逆方向」に進み始めました。
【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】
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作家・古代史研究家 長浜 浩明【日本人はどこからきたのか?】【邪馬台国はどこにあったのか?】
https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
『「底辺への競争」消耗戦回避 潮目変えたコロナ危機 転換グローバルタックス(上)
「安定的で公正な国際課税制度に関する歴史的な合意を成し遂げた」。10日、イタリア北部のベネチアで開いた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議は国際的な法人課税の新たなルールでの合意を明記した共同声明を採択して閉幕した。合意を確認すると赤れんが造りの会場は参加者らの拍手で沸いた。(後略)』
歴史的な合意と言っても過言ではないでしょう。G20、財務相・中央銀行総裁会議が7月10日、国際的な法人課税の新たなルールの大枠で合意し、閉幕しました。企業が負担する法人税の最低限の税率を「少なくとも15%」とする。
グローバル企業が税率が低い国、地位に子会社を置き、租税を回避することを防止すると同時に、「格差縮小」の方向の「ミッション志向の税制改革」を推進する。
10日の会議閉幕後、アメリカのイエレン財務長官は、
「世界は底辺への競争を終える準備を整えた」
と、発言しています。
ちなみに、アメリカとイギリスは、すでに法人税率を引き上げることを決めています。
皮肉な話ですが、80年代以降、企業誘致や投資活性化をお題目に、法人税率の引き下げ競争を主導してきたのも、英米両国なのでございますが。
環境に応じ、素早く舵を切り直す。相変わらず、英米は凄いです。
そもそも、法人税率引き下げの「狙い」は、投資活性化でも、人件費引き上げでもなく、
「純利益を大きくし、株主への配当金や自社株買いを増やす」
ことでしかありませんでした。
また、法人税減税で純利益を膨らませると、配当金や自社株買いに加え、企業の内部留保(というよりも、現預金)を積み増すことになりました。
いずれにせよ、投資や人件費に、おカネが向かうことはありませんでした。
むしろ、話は逆で、法人税率を引き上げた方が、企業に「費用を拡大する」インセンティブを与えます。法人税減税は、デフレ脱却ではなく、デフレ促進策でもあるのです(投資や人件費の削減をもたらすため)。
『(引用)税負担が軽くなった企業はその分を投資に振り向けたのではなく、一部を自社株買いなどで投資家への還元に回し、結果として富の偏在や格差を広げて株主資本主義の限界を浮き彫りにしたとの指摘もくすぶる。』
まさに、法人税減税政策は、単なる株主資本主義。株主の「今だけ、カネだけ、自分だけ」という邪な欲望を満たすための政策に過ぎないのです。
菅内閣の一連の中小企業「改革」が、M&A会社やGSのような連中の「ビジネス拡大」が目的であるのと同じです。
イエレン財務長官ではないですが、確かに、
「世界は底辺への競争を終える準備を整えた」
のです。日本も、底辺への競争を追える準備を整えましょう。
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