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【新番組】「安藤裕と三橋貴明の日本経済論 第二話」(前半)三橋貴明 AJER2020.6.7
    

 

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信じがたい展開! 経産省から反・財務省の狼煙が上がるとは! [三橋TV第404回] 三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/A9rjGEwspY4

【RE:明るい経済教室 #31】間違え方も多種多様?バラエティー豊かな専門家達の勘違い貯蓄超過論[桜R3/6/16]
https://youtu.be/UGQlN7ZxhKE

 三橋TVと「明るい経済教室」双方で取り上げたテーマと関連しますが、わたくしにとって財政破綻論者や緊縮派の経済学者が言う。
「財政赤字は民間貯蓄でファイナンスされている」
 という表現が「謎」でした。「ファイナンス」って、何?
 

 伊藤元重先生の第28回産業構造審議会総会における発言で分かりました。


 要するに、
1) 国内民間収支+国内政府収支+海外収支=0
2) 民間黒字=政府の財政赤字+経常収支黒字(※海外収支の赤字)
 これを、経済学の貯蓄・投資バランス論が、
3) 民間の貯蓄超過=政府財政赤字+経常収支黒字
 と、表現する。そのため、「貨幣」「会計」を理解しない学者たちが、
政府の財政赤字のためには、民間の貯蓄超過が必要だ
 と読み解いてしまい、だからといって実際に民間の貯蓄が政府に借りられることはなく、
政府が民間の貯蓄を借りているならば、「貯蓄超過」になる時点で変ですよね(笑))
 彼ら自身も実はよくわからないので、「ファイナンスしている」と、それっぽく表現しているわけですね。


 事実は、政府が財政赤字を増やすと、民間の貯蓄超過(黒字)が増える、ですよ、伊藤元重先生。昨年の特別定額給付金で理解したでしょ?


 貨幣とは、貸借関係が成立した時点で創出されます。政府が「借りる」ことで貨幣が創出され、支出されれば、民間の貯蓄超過が増える。それだけの話です。

 

 ちなみに、政府が「借りる」だけではダメです。何しろ、政府が国債を発行した時点では、「日銀当座預金という資産」と「国債という負債」が同時に増えるため、「民間」「政府」「海外」のバランスは変化しません。

 政府が財政赤字として「支出」することで、「政府の赤字(=純負債の増加)」となり、2)の式の右辺が増え、同時に左辺の「民間の黒字」が増えるのです(民間の純資産の増加)


 さて、我々「人類」は、貨幣観の修正と同時に、経済に対する考え方を変えなければなりません。そして、パラダイム・シフトはすでに始まっています。
 

 ワシントン・コンセンサスから、コーンウォール・コンセンサスへの大転換です。
 

【三橋貴明の音声歴史コンテンツ 経世史論】

リクエスト多数につき再掲載!

作家・古代史研究家 長浜 浩明【日本人はどこからきたのか?】【邪馬台国はどこにあったのか?】

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

『G7提言 思想の変化映す 米国版エディター・アット・ラージ ジリアン・テット
「ワシントン・コンセンサス」という言葉は30年ほど前に生まれた。当時の米国の指導者らが全世界に広めようとしていた自由市場とグローバル化の推進などをまとめて表す言葉として、米ピーターソン国際経済研究所のシニアフェローだった英国出身の経済学者ジョン・ウィリアムソンが考案した。
 そして今、「コーンウォール・コンセンサス」という言葉がささやかれている。(後略)』

 ポイントを引用します。

『今の指導者は、自由市場から得られる果実の分配があまりに不公平なため、大衆(ひいては大衆迎合的な陣営からの)反発を招くのではとの不安に駆られている。』

 自由化、グローバル化が所得、資産格差を拡大することは、すでに証明された事実です。先進国の国民が「グローバル化疲れ」に陥った今の状況では、かつてのように「自由」「グローバル」を声高に推進すことは困難、という話ですね。

『グローバル化と自由市場競争が効率性だけでなく様々なもろさも生むことをG7の指導者がついに認めた』

 もろさ。あるいは脆弱性。特に、サプライチェーンにおける脆弱性は、「非常事態」の際に即座に露呈します。「経済」とは、より強靭でなければならない。「レジリエンス(回復力)」こそが、重要なのです。
 レジリエンス、強靭化。藤井聡先生が提唱した考え方が、ついに「世界」が進むべき方向になりつつある。

『G7の議論は中国への脅威に取りつかれている』
『世界の半導体生産が台湾に集中する状況を許したことが深刻な戦略的ミスだったことを、西側各国政府は遅ればせながらようやく認めた』
『今ではあらゆる場面に政府と企業の「パートナーシップ」という言葉が出現する』

 実際問題として、中国という存在は「人類文明」にとって脅威となりつつあります。
 しかも、中国は「グローバル化」と叫びつつ、自らは決してグローバル化することなく、国家主導で驚異的な成長を遂げた
 

 片や、(いわゆる)西側先進国はグローバル化を「本当に」進めてしまい、国家のパワーを弱体化させていった。政府と企業の結びつきを「弱める」ことが善とされた、


 結果、国家主導資本主義の中国が「覇権候補国」になってしまった。
 

 というわけで、今後の主要国は「国家(あるいは政府)と企業の結びつきを強める」方向に動いていくことになります。日本にとってみれば、要するに「護送船団方式」の復活です。


 経済産業省の「新機軸」も、明らかにコーンウォール・コンセンサスに則っています。誰が主導したのかは知りませんが、経産省の官僚たちは正しく「世界の流れ」を見ています。
 

 もっとも、日本の政官財の殆どは、コンセンサスの転換を未だに正しく理解していません。
 

 時代は変わった。ワシントン・コンセンサスに基づく緊縮財政、自由化、市場化、グローバル化は「もう古いんだよ!」という現実を、時代遅れの連中にたたきつけて下さい。
 

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