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『文明の生態史観①』三橋貴明 AJER2018.4.3
https://youtu.be/5anwlKkYWQ0
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 時局 18年5月号 に、連載「三橋貴明の経世論 第14回 公共投資の真実(前編)」が掲載されました。
 
 主流派経済学は「失業」を認めたがりません。厳密には「非・自発的失業」を認めないのです。


 失業者は全て「自発的」失業者なのだから、失業対策など打ってはならない。雇用環境は、常に完全雇用である。

 
 もし、それでも失業があるのだとしたら、構造的な失業か、もしくは失業者の能力と雇用者側の要求との間に「雇用のミスマッチ」があるためだ。というわけで、対策は職業教育と就業者の解雇を容易にする雇用の流動性強化。


 と、まあ、上記が主流派経済学の雇用に対する考え方です。日本の内閣府や日本銀行の「完全雇用の失業率」も、完全に上記を踏襲してしまっています。


 日本銀行が「日本の完全雇用の失業率は3.5%」と、寝言を言っていたのは、過去の失業率の平均をとる「構造的失業率」が3.5%だったためです。


 それはまあ、デフレで雇用環境が悪化したら、構造的失業率も上昇するだろ、と、「平均」を習ったばかりの小学生でも気が付きそうなものですが、世界の経済学者や官僚たちは、過去の失業率の平均を計算し、
「我が国の完全雇用の失業率は○○%」
 などとやっています。


 バカじゃないの? と、思われたでしょう。  


 はい、バカなのです。経済学者って。


 いや、厳密にはバカなのではなく、
「非自発的失業など存在しない」
「今は「常に」完全雇用」
「財政出動による失業対策などやってはならない。やるならば、雇用の流動性強化」
 と、世の人が思ってくれることで、都合がいい人々がいるわけです。もちろん、資本家、大企業の経営者、投資家など、いわゆる「グローバリスト」の方々です。


 グローバリストが「高失業率」をなぜ好むのか。簡単です。その方が、「ヒト」を安く買い叩けるじゃないですか。


 ヒトを安く買い叩くと、中長期的にその国の経済力は落ちていかざるを得ませんが、そんなことはどうでもいいのです。グローバリストの目的は「短期の利益最大化」であり、中長期の経世済民ではありません。彼らにとって、国家も国民経済も、行動を制約するものではないのです。(だからこそ、グローバリスト)


 それでは、失業率が低いときはどうするか。低失業率の時代は、ヒトが「高くなり、大切にされる」わけですが、それはグローバリストにとっては我慢がならないことです


 だからこその、
「人手不足だから、移民受入!」
 なのでございます。


 失業率が高いときは、「今は完全雇用」と失業対策を防止し、ヒトを安く買い叩く。失業率が低いときは、「人手不足だから移民」と、これまたヒトを安く買い叩こうとする。


 日本の移民問題の本質は、「ここにある」という現実に、国民はいい加減に気が付かなければなりません。


       


 さて、この種の欺瞞に対抗するには、民主主義を活用するしかありません。日本では「全くできていない」わけですが、ご存知の通り、欧州では「ヒトを安くする」政策に対し、民主主義による反乱が起きています。
 反移民の先陣を切ったのが、ハンガリーです。


ハンガリー総選挙  与党圧勝 「反移民」継続
https://mainichi.jp/articles/20180410/ddm/007/030/153000c
 ハンガリー議会選(1院制、定数199)が8日投開票され、強硬な「反移民」政策で知られるオルバン首相(54)率いる中道右派の与党「フィデス・ハンガリー市民連盟」が圧勝した。選管によると、開票率約99%でフィデスは憲法改正が可能となる議会の3分の2(133議席)を獲得する見通しだ。
 オルバン氏は欧州連合(EU)の統合強化や移民政策に反対する東欧諸国を代表する存在だ。ハンガリーの政策を人権などの点から問題視する国連やEUを批判し、フィデスが「国際的な圧力」で選挙に負ければ、ハンガリーが「移民国家になる」と強調。8日夜、「我々はハンガリーを守ることができる」と勝利宣言した。共産主義崩壊後、最長となる連続3期目の首相に近く、就任する。(後略) 』


 西側メディアにいわせれば、オルバン首相は「敵」なのでしょうが、ハンガリー国民はオルバン政権の反移民政策を「民主主義=投票」で支持したわけです


 毎日新聞は、
「移民問題に争点を絞り、国民の不安をあおって支持を固めた形だ。 」
 と、あたかもオルバン首相の反移民政策が「悪いこと」であるかのごとき表現をしていますが、ハンガリー国民からしてみれば、フィデス党は、
「ハンガリー国民を大事にします」
 と、公約を打ったにすぎません。その何が問題なのでしょうか。


 ハンガリーの「反移民政策」に対し、「グローバリズムの帝国」たるEUは反発を強めており、次期EU予算について「法の支配の原則」を貫く、つまりは、
「反移民を続けていると、EUからの補助金を減らすぞ、こらっ!」
 と、脅しをかけています。


 現在の「人類」は、「とにかくヒトを安く買い叩く」ことを望む勢力と、民主主義が「言論」や「選挙」を通じ、闘争を繰り広げているのです。日本の移民問題も、その一環に過ぎません。


 日本の移民問題は、「人口」の問題でもなければ、「活力」とやらの問題でもない。単に「ヒトを安く買い叩きたい勢力が、移民受入を望んでいる」という現実を、いい加減に日本国民は理解しなければなりません。


 さもなければ、我が国は移民国家まっしぐらです。


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