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『国土経済論(後編)①』三橋貴明 AJER2018.2.27
https://youtu.be/d1Wb6lbcE4I
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 さて、本日はイタリア総選挙です。 

 同時に、ドイツの社会民主党(SPD)における「大連立支持」の党員投票日でもあります。党員投票で否決されると、メルケル首相は少数与党か、もしくは再選挙の選択を迫られることになります。


 ちなみに、直近のドイツの政党支持率では、SPDはAfD(ドイツのための選択肢)に抜かれてしまっています。元々、CDU・CDSとの連立により埋没し、政党支持が下がってしまったことが、「大連立」がここまで揉めた原因です。

 SPDの支持者が「さらなる埋没」を招きかねない大連立に、素直に賛成するのか。注目です。


 さて、イタリア総選挙ですが、ベルルスコーニ元首相のフォルツァ・イタリアと北部同盟を中心とする「中道右派連合」、五つ星運動、そして与党の民主党の三つ巴の争いになっています。
 現有議席は、与党が約360議席、中道派連合が約80議席、五つ星運動が88議席と、与党が大差をつけているため、いずれにしても、
「与党惨敗。中道右派、五つ星運動の躍進」
 という結果になる可能性は濃厚です。


『イタリア、4日に総選挙 3勢力とも過半数は困難か 連立の枠組み焦点に
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO27672100T00C18A3EA1000/
 イタリアの総選挙は4日、投開票される。移民対策や欧州連合(EU)との関係を主な争点に、中道右派連合、ポピュリズム(大衆迎合主義)政党「五つ星運動」、与党・民主党の三つどもえの争いとなった。支持率は中道右派が僅差でリードしているが、各陣営ともに過半数の獲得は難しいとみられる。欧州連合(EU)の将来を左右しかねないイタリア政局は、選挙後の連立協議がカギを握りそうだ。(後略) 』



                                    


 今回のイタリア総選挙では、18歳のイタリア人女性パメラ嬢殺害事件、ルカ・トライニのアフリカ移民への銃撃事件を受け、移民問題がクローズアップされました


 有権者が移民問題を重視するならば、五つ星運動や中道右派連合の同盟(元・北部同盟)を利することになるでしょう。与党民主党には、もろに逆風になります。


 もっとも、より興味深い争点は、今回の総選挙において三勢力が三勢力ともに、「財政拡大」に舵を転じると宣言していることです。


 五つ星運動は減税と公共投資拡大、中道右派連合も減税と公共投資拡大、民主党までもが財政赤字対GDP比を3%に抑えるEUの財政規律「見直し」を訴えています。


 特に、中道右派連合は、一部の公共投資について、
「財政赤字から除外し、インフラ投資を拡大する」

 ことを共通公約にしており、この点は「日本も見倣え」と言いたいわけです。


 もっとも、イタリアは共通通貨ユーロ加盟国です。イタリア政府は、中央銀行に通貨発行で国債を買い取らせ、負債を実質的に返済してしまうことはできません。


 そのイタリアの政府の負債対GDP比率は、130%。


 子会社の日本銀行におカネを発行させ、国債を買い取ることができる日本政府の負債が対GDP比で何パーセントだろうが「財政破綻(政府の債務不履行)」はあり得ませんが、イタリアは違います。イタリア政府は、ユーロを発行することができないのです。


 今のところ、イタリア国債(新規発行十年物)は2%未満で安定していますが、政権が交代し、EUの財政規律を破棄。国債発行と公共投資拡大に転じたとき、金利がどう動くか、予断を許さないところです。


 いずれにしても、重要なのは、
「日本円建ての国債しか発行していない日本政府と、自国通貨建ての国債を発行できないイタリア政府は違う」
 という、至極、当然のことを知っておくことです


 日本のみならず、世界中に国債の「通貨」を無視する頭の悪い連中が蔓延り、我が国の財政破綻を煽ってきます。日本とイタリアは違う。この当たり前の事実を、日本国民は改めて理解しておく必要があるのです。

「日本とイタリアは違う」に、ご納得頂けた方は、

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