株式会社三橋貴明事務所
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『2013年を振り返って2014年を考える(後編)③』三橋貴明 AJER2013.12.17(3)
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1月18日 「2014年 日本はデフレ脱却し成長路線に回帰するのか?」( 日本橋人形町)
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夕刊フジ(12月26日)に「回顧2013年『正しいデフレ対策』推進された画期的な一年 逆行させる消費税増税に懸念」を寄稿しました。
文芸春秋1月2日・9日 新年特大号「韓国破れたり『北朝鮮』『経済』『反日』の三重苦で朴槿恵の断末魔」にインタビュー出演しています。
http://shukan.bunshun.jp/articles/-/3501
昭文社「なるほど知図帳世界 2014 ニュースのツボがすいすいわかる 」の「要点が知りたい 経済ニュース用語」を担当させて頂きました。
本日は色々と取り上げなければならない件がありますので、久々にオムニバス方式で。
とにもかくにも、これだけは「記録」に残しておきたい、2013年12月25日の毎日新聞の報道。
『安倍首相:年内の靖国神社参拝見送り…外交への影響考慮か(毎日新聞 2013年12月25日)
http://mainichi.jp/select/news/20131225k0000m010125000c.html
26日に政権発足1年を迎える安倍晋三首相が、年内の靖国神社参拝を見送る見通しになった。
首相は昨年の自民党総裁選の際、2006~07年の第1次内閣で参拝しなかったことを「痛恨の極み」と述べたが、政権発足後は自重してきた。中国、韓国との関係改善のめどが立たない中で参拝を急げば国内外の批判を招きかねず、今後も慎重にタイミングを探るとみられる。(後略)』
安倍総理の靖国神社参拝「前日」に、毎日新聞「のみ」が、「年内の靖国神社参拝見送り」という記事を報道しています。「世紀の大誤報」といったレベルではないかも知れませんが、誤報は誤報です。しかも、「前日」の報道というわけなので、単純に「誤報でした」で終わる話ではないように思えます。
記事を読むと、「政府関係者」が24日に、
「行く気配はないし、この時期に行ってもいいことは何もない」
と指摘したことを根拠とし、さらに菅義偉官房長官が首相の参拝には慎重だったことを上げています。
とはいえ、さすがに参拝の直前に菅官房長官が「翌日の総理の参拝」を知らないなどということは考えられません。となると、「政府関係者」が、
「本人も翌日の参拝を知らず、毎日新聞に意見を述べた」
か、もしくは、
「本人は翌日の参拝を知っていたものの、何らかの思惑から毎日新聞に『参拝見送り』という情報を流した」
のいずれかになります。
あるいは、毎日新聞が(厳密には毎日新聞の記者が)個人の願望を元に記事を書いた可能性もあるわけですが、さすがに、
「安倍首相:年内の靖国神社参拝見送り」
と断定的な見出しで書いている以上、何らかの情報ソースがあったのは間違いないと思います。
いずれにせよ、ここまで見事な「大外し」はそうはないわけですが、マスコミ情報がいかにいい加減かが改めて如実になったため、今後のためにエントリーで取り上げました。
別に意地悪で言うわけではなく、毎日新聞は本誤報に関する検証記事を書いた方がいいと思います。
『自社株買い2兆円超、5年ぶり高水準 業績改善で株主還元
http://www.nikkei.com/markets/kabu/marketsnews.aspx?g=DGXNASGD22002_25122013MM0000
上場企業の自社株買いが回復してきた。年初からの取得総額は2兆円を超え、年間では2008年以来の高水準となる。国内外の景気回復や円安で業績が改善した企業が、潤沢な株主配分の強化に向け手元資金を振り向けている。投資尺度として自己資本利益率(ROE)への関心が高まるなか、資本効率の改善を目的に自社株買いを進める企業も多い。
金融情報会社のアイ・エヌ情報センターによると、年初からの自社株買いは合計約2兆1000億円。昨年1年間の実績(1兆5541億円)を4割近く上回っている。(後略)』
自社株買いとは何かといえば、企業が「自社の株式」を市場から買い戻し、ROE(自己資本利益率)を改善する経営手法です。自己資本、株式辺りの利益が増えれば、株式市場における投資家の買を誘い、株価が上昇します。すると、株主が「含み益の増加」という形で恩恵を被るわけです。
もちろん、企業が利益を上げることは良いことというか、そもそもの「目的」ですが、利益処分の方法の一つに自社株買いに代表される「株主への還元」があるわけです。
問題は、我が国が「消費税増税+法人税減税」と、国民の所得の一部を企業に移転する政策を打ち、企業の純利益が(国民の損の下に)拡大している中における「自社株買い」が正当化できるのか、という話でございます。法人税減税で純利益が増えた企業には、幾つもの選択肢があり、その一部は必ずしも「国民の所得拡大」に向かうとは限りません。
内部留保(現預金として貯蓄)の場合は、利益は銀行に留まり、企業の財産となります。国内の設備投資に向かえば、必ず国民の所得拡大に貢献します。海外直接投資に向かえば、今度は「外国」の人々の所得拡大に貢献します。配当金や自社株買いに向かうと、株主の財産を増やします。
「単純な法人税減税」には、様々な使い道があるわけです。特に、現在の日本に必要なのは「企業の国内への設備投資拡大」になります。
この状況で、無条件の法人税減税に賛成する人は、あまりにもナイーブか、もしくは国民「全体」の所得を増やす以外の目的があるとしか思えません。安倍政権は、結局、今月上旬に復興特別法人税を1年前倒し廃止を決定してしまいました。(同時に、4700億円規模の設備投資減税も決めましたが)
国民の「損」の下に法人税減税が実施された結果拡大した企業の純利益の「使い道」については、十分注視させて頂きます。日本の韓国化など、まっぴらごめんです。
『ユーロ上昇、バイトマン氏発言で
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MYHF7B6VDKI001.html
ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで2011年10月以来の高値に達した。欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、バイトマン・ドイツ連邦銀行総裁が低金利は政治改革をリスクにさらす可能性があると指摘したことが背景。
ユーロは主要16通貨の大半に対して上昇。バイトマン氏は低インフレを緩和的な金融政策を正当化する口実に使うべきではないと述べたと、独紙ビルトが報じた。円はユーロに対して2008年10月以来の安値に下落。アジアや欧州の株式相場が上昇したのに伴い、安全通貨としての円の魅力が薄れた。(後略) 』
日米英などの主要国が量的緩和を継続する中、ECBは加盟国の国債買取に乗り出さず(乗り出せず)、ユーロが一方的に高くなる状況になってきました。2014年は非常に読みにくい一年になると思いますが、ユーロ圏がさらなる困窮に陥ることだけは間違いないと考えています。
2007年までのユーロも、他通貨に対し高くなっていましたが、あの当時のユーロ圏はドイツ以外の諸国がことごとく不動産バブルになっていました。ユーロ最大の輸出国であるドイツは、ユーロ高でユーロ圏外への輸出が縮小しても、ユーロ圏内に輸出することで失業率を改善していったわけです。
ところが、今回はドイツ以外のユーロ加盟国の多くがバブル崩壊後のデフレ化、失業率の上昇に悩んでいます。ドイツにとって、ユーロ圏は主力輸出先にはなり得ません。とはいえ、ユーロ圏外に対しては「ユーロ高」という重しが圧し掛かります。
恐らく、今後のドイツはますます「日本批判」の方向に舵を切ることになると思います。ドイツの文句に対しては、
「日本はデフレ対策を実施しているだけで、為替対策をしているわけではない。ユーロ高が困るというならば、そちらも金融政策を拡大すればいい」
と、堂々と反論していく必要があるわけです(現状の安倍政権はそうしています)。
話は変わりますが、アメリカは安倍総理の「当然すぎるほど当然」な靖国神社参拝に対し、かつてない態度で批判を展開しています。わたくし個人としては、要するに、アメリカ自信が東アジアのコントロールについて、自信を失いつつあるという話だと理解しているわけです。しかも、オバマ政権はオバマケアの失敗でレームダック化し、さらにTPPだ、中間選挙だと、「積極的なアジア外交」など打ち出せない状況です(発言はするでしょうが、行動は難しいでしょう)。
2014年は東アジア、ユーロを始め、世界中が激動の一年になりそうです。
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Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」
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