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 アメリカ、米国債、さらにはドルの行く末について書いた「ドル凋落 ―アメリカは破産するのか (宝島社新書)」が、いよいよ明日3月10日に発売になります。(既に予約開始しています)
http://www.amazon.co.jp/dp/4796675957/  

 本日のスケジュール


 午前:コーディネータさんのところでトレーニング
 午後:写真撮影
 午後5時-6時まで:秋葉原中央改札口のスターバックスで原稿書き


 週末(3月14日 日曜日)の熊本行のスケジュールは以下になります。
13:30~15:00 長崎書店(上通り) 3F トークショー&サイン会 (13:00 開場)(トークは60分程度)
16:00~16:30 辛島公園にて街頭演説 
18:30~20:00 熊本県立劇場大会議室にて講演会(90分)(18:15開場・駐車場完備)
21:00(頃)~ 下通りダイエーそば、天王(てんおう)にて親睦会
 ご連絡・お問い合わせ: 
tmkumamoto@live.jp  


 ※熊本県立劇場の講演会では、PCとプロジェクタを使い三橋がプレゼン方式で講演します。ある意味で、この講演会がメインになるわけですね。皆様、ふるってご参加ください。(自分で言うのも何ですが、わたくしのプレゼンは面白いですよ~)


アイスランド国民投票、英蘭への預金返済法案を否決
http://jp.reuters.com/article/worldNews/idJPJAPAN-14219220100308
 アイスランド政府は7日、経営破たんした同国オンライン銀行「アイスセーブ」に預金していた英国とオランダの預金者に総額約50億ドルを返済する法案が、6日実施した国民投票で否決されたことを受け、新たな債務協定の迅速な締結に向けて英国、オランダと交渉を再開する方針を明らかにした。
 同法案は約94%の国民が反対した。
 アイスランドのシグフスソン財務相は、「アイスセーブ」の債務をめぐる新たな合意のタイミングについて質問され、記者団に対し「数日、数週間の問題ではないが、可能な限り迅速に行うことが重要だ」と語った。(後略)』


 ヘンリー・キッシンジャーは、かつてアイスランドについて「他に類を見ない最も傲慢な小国」と表現しました。タラ戦争などに関するイギリスへのやり口を知っている人は、キッシンジャーの言に同意したくなるでしょう。
 日本では、アイスランドは「火山と温泉と自然が一杯の、ファンタジックでロマンチックな国」のような報道のされ方をしています。(以前はこれに「素晴らしき金融立国!日本も見習え!」がついていた) しかし、現実ははっきり言ってDQN国家です。


 わたくしは別にイギリスを好きでも何でもないですが、ことアイスランドとの関係については、心底から同情したくなります。要は、同じように問題国が近隣にある島国の住民として、勝手にシンパシーを抱いてしまうわけですね。
 タラ戦争時、アイスランドの主力産業はタラ漁でした。アイスランドはトロール船で自国領域のタラを採り尽くしては、イギリスの漁業専管水域を侵食していきました。もちろん、イギリス側も黙ってはおらず、海軍を出してアイスランド船を砲撃することさえありました。
 これがいわゆるタラ戦争です。


 最終的には、アイスランドが自国の地理的立場(ワシントンとモスクワを結ぶ線の真ん中に位置する、冷戦時には超重要地点)を利用し、イギリスに譲歩をさせることで決着がつきました。この頃のイギリスは、まさしく今の日本のように、国民が自信喪失状態に陥ってしまいます。
 イギリスが立ち直るには、サッチャー登場とフォークランド紛争を待たねばならなかったのですが、まあ、それは別の話。


 要するに、アイスランドは自国が持つ「武器」を最大限に利用し、自国エゴイズム(別名、国益)を追求することを続けているということです。そ の際に、「ぐろ~ばる何ちゃら」とか、「地球市民がどうたら」などと、日本在住のお花畑軍団のような大甘な理念が出る隙などないのです。


 アイスランド国民がイギリスやオランダの預金者への救済を拒否したことで、同国のEU加盟はほぼなくなったでしょう(少なくとも、ここ十年は)。それ以前に、EUやユーロがどうなるんだ、という話もありますが、いずれにせよ、欧州が「最も傲慢な小国」アイスランドを見捨てると、すぐに↓こういう話が出てくるわけです。


北極航路と資源狙う中国 欧州との関係悪化のアイスランドに接近
http://sankei.jp.msn.com/world/china/100308/chn1003080035000-n1.htm
 金融危機で大手銀行がすべて国有化されたアイスランドで、英国やオランダの預金者を公的資金で保護する法律の是非を問う国民投票の開票が行われ、7日午前までに反対多数で否決が確実となった。英国などの反発は必至で、欧州連合(EU)加盟交渉への影響も避けられそうにない。アイスランドと欧州の関係悪化を横目に中国は、地球温暖化による北極海航路開通に備え、アイスランドに最大級の大使館を建設するなど着々と関係を強化している。(後略)』


 08年10月の破綻時も、アイスランドは何とロシアから資金を引き出す素振りを見せ、最終的に北欧からの支援を受けることができました。
 今回は、中国と接近をすることで、英蘭それに背後にいるアメリカからの支援を引き出すつもりなのでしょうか。もしそうしたとしても、それはアイスランドにとって、極普通のことなのです。


「中国に接近して、英蘭に譲歩させたけど・・・。それが、何か?」


 てなもんでしょう。
 ある意味で、現在のアイスランドが「世界のリアル」を体現していることは間違いありません。平和と繁栄を長期間謳歌し続けた日本人も、この世界のリアルをいい加減に理解する時期が来たのだと思います。


「それにしてもアイスランドは結構、凄い国だな・・・」と、ある意味で感嘆してしまった人は、
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