三橋貴明診断士事務所  を開設しました。お仕事のご依頼はこちらから 
Klugにて「三橋貴明の『経済記事にはもうだまされない』」連載中


「ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本」( 講談社)発売中!
「中国経済・隠された危機」( PHP研究所)発売中!
「高校生でもわかる日本経済のすごさ」 (彩図社)発売中!


「無料メルマガ 三橋貴明の週刊ニュースレビュー」  
 ご登録者数が早くも(出版社様の)目標数値を突破! ありがとうございます。

 なお、本メルマガではセミナー、勉強会のご案内など、メルマガならではの情報発信をしていきます!


マスゴミ崩壊~さらばレガシーメディア~  発売開始!


----------------


『(前略)また確かに、原理的にいえば民主主義と世襲君主制は相容れない。しかし何事によらず原理主義には気をつけたほうがよいとくに民主「原理」主義には、ジャコバン党の昔からいくつも前科があり、要注意だ。もともと民主主義は、すべての人民が統治の主体でもあり客体でもあるという実行不能のフィクションに基づく。だからこれを極端に突き詰めていくと、かつての共産主義諸国家のような全人民の名を僭称する独裁政党による支配をも生み出すことになる。
 第一次世界大戦後のドイツでワイマール憲法が制定されたとき、史上最も民主的といわれたこの憲法と敗戦後ドイツの政治的現実との落差を危惧したチャーチルは、「カイザーの孫を名目的な元首とする立憲君主制が望ましい」と警告した。老練なチャーチルは、立憲君主制が全体主義の歯止めとなると洞察していたのだろう。
 現行憲法は、天皇制存置の根拠を「主権の存する日本国民の総意に基づく」と規定している。これは敗戦後の国際政治状況を反映したもので、連合国への説明的意味合いが強い条文である。しかし、天皇制の存在理由を、固有の歴史や伝統と切り離し、国民主権との関連のみで、このように簡単に言い切ってしまうことには違和感を覚える。
 わが国において皇室が存続してきたのは、その歴史的伝統的な要請に由来するものである。それを仮に伝統原理と呼ぶことにしたい。民主「原理」主義を野放しにしておくと、人民の名を僭称するさまざまな独裁や極端なポピュリズムの惨禍を招く。その抑制力となるのが伝統原理なのである。大英帝国の宰相エドモント・バークのいう保守主義も、言い換えれば、伝統的なるものに信頼をおき、民主主義の原理的な行き過ぎに歯止めをかけようという立場である。(後略)』

前原国土交通大臣「(Q.八ッ場ダムは)ですから、マニフェストに書いてあることですので、中止します」

長妻厚労大臣『民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)の冊子を手にしながら、「政権が交代した今、ある意味では、国民と新しい政府との契約書、あるいは命令書と考えてもよいと思う。厚労省所管の部分を熟読し、どうすれば実行できるか知恵を出してほしい」』

原口総務大臣「マニフェストに沿って、城原川ダムは大きく見直す」

千葉法務大臣『思想・言論の自由の制限につながると指摘される人権侵害救済機関について「国際的にみても(設置が)当たり前の機関だ。実現に向けて早急に取り組みたい」と述べ、内閣府の外局として設置する考えを示した。』

 まさかと思って見直したら、民主党のマニフェストに以下の記述がありました。(6の消費者・人権の章の50)

人権侵害救済機関を創設し、人権条約選択議定書を批准する
【政策目的】
○人権が尊重される社会をめざし、人権侵害からの迅速かつ実効性ある救済を図る。
【具体策】
○内閣府の外局として人権侵害救済機関を創設する。
○個人が国際機関に対して直接に人権侵害の救済を求める個人通報制度を定めている関係条約の選択議定書を批准する。』

 はっきり断言しますが、民主党に投票した3347万人の内、マニフェストを熟読し、全て納得して投票した人は1%に満たないでしょう。何しろ、わたくしは「仕事上」民主党のマニフェストを読む必要があり、きちんと目を通したにも関わらず、人権侵害救済機関に関する記述があることに全く気がつかなかったのです。
 こんな保険の約款並の細かい字で書かれた(しかも大量に!)政策を、
国民との契約書、国民の命令書だ!
 などと、電波なことをいうのは止めて下さい。賭けてもいいですが、どうせあなただって民主党のマニフェストを細部まで全て暗記しているわけではないでしょう、長妻厚相。
 
 日本国民は、政治家にマニフェストを見て政治をして欲しいわけではありません。現実を見て、政治をして欲しいのです。
 たとえ、現実の問題を全て解決できる奇跡のようなマニフェストがあったとしても、そんなものはすぐに役に立たなくなります。なぜならば、マニフェストの前提となっている現実は、刻一刻と変化していっているからです。
 マニフェスト原理主義など、環境変化を一切認めない、狂気の沙汰です。
  
 国内メディアはともかく、海外メディアは冷静に日本の新内閣を見ています。(情報提供:nek*z*ku* 様)
『Japan's Wooden Cabinet
 http://online.wsj.com/article/SB10001424052970203917304574415852090106042.html
 The bad news is that the new leadership team is populated with antireformers, socialists and union leaders who combine an open hostility to free markets, deregulation and entrepreneurship with a romantic longing for a somehow simpler, fairer economic and social system.
 日本のぎこちない内閣。
 悪いニュースは、新指導陣が単純で、公正な経済や社会システムへのロマンチックな憧れを抱き、自由市場や規制緩和、企業家精神に敵意を抱く、反改革者、社会主義者、組合長で占められているということだ。』

 民主党の関係者が口にする、
「マニフェスト! マニフェスト!」
 は、まさに冒頭の引用にて、この文章の書き手が懸念している「民主原理主義」の暴走に思えてなりません。
 
 ちなみに、本エントリー冒頭に引用した、現代の日本を予言するような見事な見識を示したのは、実は現内閣総理大臣 鳩山由紀夫だったりします。
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2003/01291/contents/307.htm

最後の一文に度肝を抜かれた人は、
 ↓このリンクをクリックを。

新世紀のビッグブラザーへ blog

人気ブログランキングへ


 新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
 
新世紀のビッグブラザーへ blog一覧 はこちらです。
 
関連blogへのリンク一覧 はこちらです。

 兄弟ブログYahoo!版へ