「純債務国化した韓国 前編」からの続きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/20859844.html

 続けて、韓国の純債務国転落確定について。

純債務国に8年ぶり転落、対外純債権-251億ドル
 韓国が8年ぶりに純債務国に転落した。韓国銀行が28日に発表した9月末国際投資対照表(速報値)によると、対外債権から対外債務を引いた対外純債権はマイナス251億ドルで、6月末の17億ドルから268億ドル減少した。
 対外純債権がマイナスとなり純債務国に転落するのは、2000年第1四半期(マイナス58億4000万ドル)以降初めて。対外債権が6月末の4223億4000万ドルから9月末には3999億9000万ドルと223億5000万ドル減少した上、対外債務が4206億4000万ドルから4250億9000万ドルに44億4000万ドル増えたことが原因となった。
 対外純債権は2006年第1四半期に1303億2000万ドルでピークに達した後、昨年第1四半期には956億2000万ドル、ことし第1四半期には131億6000万ドルに縮小した。
 韓国銀行は、外国人の株式投資減少で対外資産が減少し純債務国となったが、返済負担のない外債(1112億ドル)を除くと対外純債権は861億ドルと集計されるため、表面的な純債務数値を指して心配する必要はないと説明した。
 対外債務のうち、9月末現在の短期外債は1894億2000万ドルで6月末から129億4000万ドル増加した。長期外債は84億9000万ドル減の2356億6000万ドル。これにより、短期外債が対外債務全体に占める割合は3カ月前から2.6ポイント上がり44.6%となった。
 流動外債(短期外債と、長期外債のうち1年以来に満期が到来するもの)は2271億2000万ドルで、6月末から62億9000万ドル増加した。対外債務全体に占める割合は52.5%から53.4%に拡大している。

 
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_01.html#KoreaD&A07

 上記URLの表を見て頂ければ、既に第二四半期の末時点で、韓国が第三四半期に純債務国化する事は確定的だったことが分かるでしょう。
 世界では別に純債務国は珍しくもありません。アメリカも英国も純債務国です。しかし、この両国はそもそも「貿易立国」など志向していないわけです。
「アメリカもイギリスも純債務国だ。だから韓国が純債務国化しても大丈夫だ!」
 などという理屈は通じません。韓国と同様に貿易立国の中国やドイツが対外純債務国ならばまだしも、実際にはこの両国は世界で五指に入る対外純債権国です。
 また、「返済負担のない外債(1112億ドル)を除くと対外純債権は861億ドルと集計されるため、表面的な純債務数値を指して心配する必要はないと説明した。」などと、韓銀は相変わらず暢気な主張をしています。例えば韓国造船企業の通貨スワップ分が対外債務に積み上げられ、造船企業のビジネスが順調にいけば、通貨スワップ分の債務は消滅していくのは事実です。
 が、こういう主張をするのであれば、対外債権側、具体的には外貨準備高の内訳についても、正しい情報をディスクローズするのが筋でしょう。外貨準備高の中で、サブプライム危機により事実上、換金不可能になったデリバティブや有価証券が何割を占めているのか、韓銀は未だに明らかにしていません。
 対外債務については「通貨スワップ分が1000億ドル以上だから、問題ない」と主張し、外貨準備については「総額2000億ドル以上だから、問題ない」と主張する。これでは、ダブルスタンダードと呼ばれても言い訳できないと思うのですが。
 さて、外貨準備の内訳と言えば、櫻井よしこさんの最新のブログです。(コメントに貼っていただいた方、ありがとうございました。)
 注目は、以下の箇所です。

http://yoshiko-sakurai.jp/index.php/2008/11/27/%e3%80%8c%e9%9f%93%e5%9b%bd%e3%81%ae%e5%8d%b1%e6%a9%9f%e3%80%81%e4%b8%ad%e5%9b%bd%e3%81%8c%e6%94%af%e9%85%8d%e7%a2%ba%e7%ab%8b%e3%81%8b%e3%80%8d/trackback/
(前略)各国政府が保有する外貨は、貿易黒字によってもたらされるだけではない。他国から借りて外貨を積み上げる場合もある。韓国の場合、2,600億ドルの外貨のうち貿易黒字で稼ぎ出した「真水」は約6割にとどまるといわれる。(中略)
 だが、韓国の外貨準備のうち、約500億ドルがファニーメイ(米連邦住宅抵当金庫)に投資されていたとの情報もある。事実であれば、500億ドルは失われたも同然だ。
【再びIMF管理下の危機】
 このような状況の下で、韓国政府は10月末に米国政府と300億ドルのスワップ協定を結んだ。米韓の中央銀行が300億ドル分のドルとウォンを互いに預け合い、自国の通貨を安定させるために使うというのだ。この場合はウォン安定化のためにドルを使うという意味だ。韓国政府はこの300億ドルのスワップを必要とするところまで外貨不足に陥っているということでもある。(後略)』

 外貨準備は必ずしも貿易黒字によってもたらされるものではなく、他国から借りて外貨を積み上げる(厳密には、他国からの借金を理由に積みあがる)ケースもあるという記述は、日経の鈴置氏の記事を参考にされたようです。
 ポイントは、その次の外貨準備の内訳の箇所。この種の主張を国内で展開していたのは、わたしの知る限り2chの東亜+板、韓国経済wktkスレ、ウォンを看取るスレ、監修者様(代表戸締役様)のブログ、そして当ブログしかありません。
 外貨準備は現預金で保有するよりも、何らかの証券で運用するケースがほとんどなわけです。であれば、一体何の証券で運用しているのか、価値がゼロに近づいているサブプライム関連証券で運用しているケースはないのか、などが「普通の人」であれば気になるはずです。(日本の似非経済評論家さんたちには、この種の発想が皆無だったようですが。)
 特に韓国の場合、韓銀が外貨準備のうち、500億ドルをファニーメイ及びフレディマック債で運用している事を公表しています。現在価値で言えば、この二つのGSE債権の価値は100億ドル程度に目減りしてしまうか、或いは櫻井さんの言うとおり「失われたも同然」でしょう。韓国自慢の2000億ドルの外貨準備のうち、400億ドル超は、実際には存在しないも同然なのです。
 そして韓国の外貨準備高の過半を占める1000億ドル分の「有価証券」なる項目の内訳が、現時点では明らかにされていません。韓銀はひたすら「外貨準備は総額で2000億ドル以上あるから、問題ない」を繰り返すだけです。これを素直に信じるほど、他国のアナリストや投資家は甘くはないのです。

 しかし韓国の外貨準備の内訳に目をつけるとは、櫻井さんって、もしかして2chねらー? それとも・・・。 

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