「メリークリスマス!麻生首相」祭り開催中
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/21288749.html
まだご参加されていない方は、是非!
12月10日/11日放映の日本文化チャネル桜「日本よ、今...『闘論!倒論!討論!2008』」 ◆世界恐慌は来るか?!日本経済の行方 第三弾に出演しています。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1514
『中国の輸出、失速 11月、7年5カ月ぶりマイナス
http://www.nikkei.co.jp/china/news/index.aspx?n=AT2M1002U+10122008
中国税関総署が10日発表した11月の貿易統計によると、輸出は前年同月に比べ2.2%減の1149億9000万ドル(10兆6000億円)と、2001年6月以来、7年5カ月ぶりに減少に転じた。金融危機が深刻になり世界的に需要が急減した。高成長をけん引してきた輸出の不振が一段と鮮明になり、中国共産党・政府は内需拡大に向け追加の景気刺激策を打ち出す可能性がある。
11月は輸入も17.9%減の748億9700万ドルと大幅に減少した。減少は05年2月以来、3年9カ月ぶり。輸入の減少率が輸出を大幅に上回り、輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は400億9000万ドルと、4カ月連続で単月として過去最大を更新した。
今年に入り輸出は減速傾向を強めていたが、10月までは20%前後の高い伸びを続けていた。11月に一気に減少に転じたのは、金融危機の震源地である米国だけでなく、日欧や新興国の需要が軒並み落ち込んだためとみられる。』
中国は韓国と同じように輸出が対前年比で減少局面に入りましたが、輸入がそれ以上に激しく減っているため、貿易黒字は拡大しています。つまり輸出・輸入共に減少しているにも関わらず、GDPで言うところの「純輸出」が増加しているわけです。
この現象、筆者は「縮小成長」と名づけました。外需が縮小しているにも関わらず、純輸出は増加する、大変面白い現象です。
中韓の場合、輸入が減っているのは、資源価格下落の他にも設備投資や資本財輸入が減っている(反対側で日本などの資本財輸出国の輸出が減っている)ためでもあります。先進諸国の需要縮小を、中国などの新興経済諸国の需要などで補おうとしていた、日本の資本財メーカーへの影響が心配されます。三ヶ月位前まで「先進諸国への輸出が減っているので、新興経済諸国への輸出でカバーする」という論調の経営者のインタビューが、日経新聞でやたら目に付きました。(最近はゼロですが)
資本財の輸入が減っているということは、時間差を置いて輸出にも効いてくる、つまり更に輸出が減少することになります。しかし経済失速の影響が大きく、輸入の減少幅拡大が止まらない場合、純輸出(中国の場合は≒貿易黒字)だけが拡大を続けるという異常な状況に陥ることになります。
当たり前ですが、純輸出だけが拡大したところで、GDPの他項目(投資項目や個人消費など)は縮小しているわけで、総合的なGDP成長率は大きく減速することになります。縮小成長で成長するのは、あくまで純輸出のみです。
九月のリーマン・ショック以降、実体経済の悪化が進み、十一月からは明確に数字で現れ始めました。最近目に付いたニュースを拾うだけでも、
■ トヨタ自動車が今年の下半期、営業赤字に
■ インド自動車工業会発表 十一月の国内乗用車販売は前年同月比23.7%減
■ 日本の十一月の消費者態度指数が過去最低を更新
■ ギリシアの暴動拡大 高校生による警察署襲撃も起きる
冒頭に掲載した中国の輸出失速の記事ですが、ある意味、BRICs信仰やデカップリング論の終焉の象徴と言えるでしょう。ブラジルは多少マシですが、中国、インド、ロシアの三国は、一年前には考えられなかった経済失速の只中に放り込まれています。
最も危ないのは、無論、ソブリン債の格下げを受けたロシアでしょう。
12日、南米の原油産出国の一つであるエクアドルがデフォルト(債務不履行宣言)しました。理由は、原油相場の急落による石油収入の減少です。
南米では、更にベネズエラやアルゼンチンの状況も悪化しており、97年のアジア通貨危機のように破綻の連鎖が起きないか、大変心配です。(注:アルゼンチンの危機は、穀物価格の下落による)
ロシアを筆頭に、中東諸国を除く原油産出国は、軒並みデンジャラスな状況に陥ったようです。
「石油こそ我らが全て http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/21341189.html
」でご紹介した、ロシアのオンリーワン戦略は、再び危機を迎えたようです。
もちろんロシアは何も好き好んでオンリーワン戦略を採っていたわけではないのです。ソ連時代からの伝統とも言える役人・官僚の腐敗により、資源ビジネス以外の産業の振興が困難な状況が続いているだけです。先日も軽く触れた井本沙織さんの著書「ロシア人しか知らない本当のロシア」に、大変象徴的な話が載っていたので、ご紹介いたしましょう。
ロシアの行政機関は悉く腐敗しており、賄賂無しでは何も動かない状況が長年続いていますが、ロシア人は自宅から一歩出るだけで公務員の弊害に悩まされるそうです。
例えば車で通勤をしていると、意味もなく何度も警察官に停止させられ、言いがかりを付けられます。言いがかりに反論すると、「署まで行く?」と言われるので、仕方なく現金を払う(要は賄賂)で切り抜ける羽目になるそうです。
井本さんが紹介している、全然笑えない笑い話を引用します。
『あるおまわりさんとその娘がいた。おまわりさんは休日遅くまで寝ていた。娘は窓の外を眺めていた。娘はこう叫んだ。
「おとうさん、おとうさん、早く起きて! 三台の車がここをタダで通ったよ」(日経プレミアシリーズ「ロシア人しか知らない本当のロシア」井本沙織著 181頁)』
日本では中国における汚職の酷さ(と言うか、凄さ)は、かなり報道されるようになりましたが、「わいろ指数」で比べると、ロシアの腐敗度は中国さえも上回っています。
『「わいろ指数」ロシアが最悪、日本はクリーン度5位
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081211-OYT1T00258.htm
「ロシア企業には、最も強くワイロの慣習が残る」――。ドイツの民間活動団体(NGO)「トランスペアレンシー・インターナショナル」(本部・ベルリン)が9日発表した各国の汚職体質を示す「贈賄指数」調査で、ロシアが対象の22か国中最低にランクされた。
調査は、海外で事業を展開する企業の汚職傾向を国ごとに数値化したもので、主要国や新興国など22か国について実施。各国の経営者ら約2700人から聞き取りし、結果を10点満点の指数で表した。
高得点ほどクリーン度が高いが、ロシアは5・9点で最下位。中国が6・5点で続き、インドが6・8点だった。最高点はベルギーとカナダ(8・8点)で、日本はドイツや英国と同点(8・6点)の5位だった。
ロシアでは汚職が深刻な社会問題となっており、メドベージェフ大統領は「国家安全保障への脅威」と危機感を示し、改善を公約している。』
来年早々、ロシアの「皇帝」プーチン首相が来日しますが、果たして何の目的で来るのか、非常に注目されます。
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