「メリークリスマス!麻生首相」祭り開催中
http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/21288749.html
まだご参加されていない方は、是非!

 12月10日/11日放映の日本文化チャネル桜「日本よ、今...『闘論!倒論!討論!2008』」 ◆世界恐慌は来るか?!日本経済の行方 第三弾に出演しています。
 http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1514

日韓スワップ取極の引出限度額の一時的増額について
http://www.boj.or.jp/type/release/adhoc/un0812e.htm
 日本銀行は、韓国銀行との間での円-ウォン貨のスワップ取極の引出限度額を、30億米ドル相当の円またはウォンから200億米ドル相当の円またはウォンに増額することについて、韓国銀行と合意した。この増額は、2009年4月末までの時限措置とする。
 本スワップ取極は、国際収支危機といった状況にはない中での短期流動性供給を想定したもので、両国の中央銀行が、東アジアの金融為替市場の安定を図ることを目的として、2005年5月に締結したものである。
 日本銀行は、今般の措置が、健全で適切に運営されている日韓両国経済に世界的な金融為替市場の混乱が及ぼす影響を緩和し、東アジアの金融為替市場の安定に資するものと確信している。』

 詳細に入る前におさらいです。
■通貨スワップとは、自国の通貨を担保に、他国の通貨を数ヶ月のあいだ借り入れる(つまり交換、両替する)契約であり、無償援助でもなければ融資ですらない
■数ヵ月後、両国は交換した互いの通貨を当初定めた為替レート(最初の両替時)で再度両替し、精算する。この際に、互いの為替レートがどのようになっていようと、当初定めたレートで精算しなければならない
■スワップ精算時に、例えば自国通貨が大幅に下落しており、スワップ対象の通貨を用意できなかった場合、債務不履行(デフォルト)となる
 つまり、100円1500ウォン時に100億円分のスワップを行うと、精算時に100円3000ウォンになっていようと、韓国銀行は100億円分の「円」を用意しなければならないわけです。韓銀が100億円分の円を調達できない場合、デフォルトとなります。

 今回の日銀の通貨スワップ一時的増額ですが、興味深い点は以下の二点です。

(1) ドルではなく「円」の増額である。
 ご存知の通り日本円と韓国ウォンの直接的な為替市場は存在せず、為替レートはドル経由で決定されます。韓国銀行が対日本円でウォンの価値を高めたい場合、円ではなくドルでウォンを購入するしかありません。しかも、頑張って対ドルでウォンの価値を上げたとしても、日本円が対ドルで上昇を続けると(まさに、今の状況ですが)、ウォンは対円で価値を落とし続けることになります。
 韓国銀行は現在、喉から手が出るほど「ドル」が欲しい状況だと思いますが、日本からのドルスワップ増額は認められませんでした。
(2) 期限がFRBのドルスワップと同じく2009年4月末までの時限措置となっている。
 わざわざFRBと期日を合わせた以上、日本銀行とFRBの間で何らかの合意が成立していると読むのが普通でしょう。

 今回の日銀の狙いを整理してみましょう。

■ドルではなく円を対象としたことで、韓国銀行が対ドルの為替防衛を行おうとしたとき、円をドルに両替する必要が生じ、円高圧力の緩和が見込める。
 ご存知、わたくしは日銀の為替介入反対論者(理由は「続 一年後の未来から http://blogs.yahoo.co.jp/takaakimitsuhashi/21202037.html  」や以下を参照)ですが、今回の日銀のやり方は非常に巧いと思います。と言うか、こんな妙手があったとは気がつきませんでした。
 直接的に日銀が為替介入を行うと、日銀の手元にドルが積み上がり、折角苦労して減らしてきた米国債がまた増加することになります。しかも殆どのメディアや為替介入論者は気がついていないようですが、日銀が為替介入するときは、日本政府の短期証券が発行される、即ち日本政府の債務が増えるのです。
 この時期に、わざわざ政府債務を増やして(増やすこと自体は反対しません)米国債を買ってどうするのですか。どうせ債務を増やすなら、個人消費の拡大や中小企業振興など、日本の内需拡大に使った方が確実です。無理やり円安にしたところで、輸出企業の業績が拡大するかどうか、中国や韓国の状況を見れば疑問符をつけざるを得ないでしょう。
 その上、米国債を購入する事は(「韓国に援助するな!」とか叫んでいる人がお嫌いな)海外(この場合は米国)への援助、融資そのものです。
 アメリカは現在、金融機関への資本投入や不動産市場への援助、ビッグスリーへの援助、そしてオバマ政権になり始まる様々な公共事業のために、資金を切実に必要としています。もちろんアメリカ国内にお金なんてあるわけないので、米国債を乱発して海外から資金を手に入れる必要があるのです。
 今回のスワップにより、韓国が日本円をドルに両替してくれると、日本はリスク(政府債務増やして米国債購入)無しで、果実(円安)を手に入れることができるのです。しかも数ヵ月後には当初定められた為替レートで精算されるので、為替リスクもありません。
 代わりに韓国は、大嫌いな日本のためにせっせ、せっせと円高を緩和してあげなければなりません。その上、通貨スワップですので、数ヵ月後に今度は円と(日本銀行が持つ)ウォンを交換しなければならないのです。
 正直、日本は円ウォンレートが精算時にどうなっていようと、どうでもいいですが、韓国にとってはそうはいきません。もしも精算時にウォンが対円で大きく値を下げていたら、当初よりも多い金額(ウォン)で円を調達する必要があり、そしてその行為(ウォンで円を調達する)はウォンの価値を下落させる行為そのものなのです。

日本の対韓輸出業者への支援。
輸入が輸出の2倍超える…膨らみ続ける対日貿易赤字
http://www.konest.com/data/news_detail.html?no=4083
 韓国の関税庁によると、2008年1月から10月までの対日輸出、輸入、貿易赤字は以下の通りとなっています。
・日本への輸出 : 242億ドル
・日本からの輸入 : 531億ドル
対日貿易赤字 : 289億ドル
 何と、対日貿易赤字が、日本への輸出総額を上回っている状況なのです。
 昨今の円高ウォン安で、韓国企業の日本企業への支払(実際はL/Cで銀行経由でしょうが)が困難になる状況が産まれています。
 例えば十ヶ月間の対日貿易赤字が289億ドルということは、一ヶ月で平均24億ドルの「新たな」円需要が韓国で生じるわけです。韓国銀行がスワップで入手した円を金融市場に供給し、円の流動性を確保してくれれば、日本の輸出企業はきちんと支払を受けることができます。
 こんな時期に韓国と取引する方が悪いと言うかも知れませんが、単純に切り捨てて、日本企業を苦境に陥らせ、大切な国内雇用を失うわけにはいかないでしょう。
 
 しかし今回のスワップ拡大時限措置の期限が、アメリカと同じく四月末日までとなっているのは、非常に象徴的だと思います。韓銀がいくら「延長もあり得る」と繰り返したところで、日銀やFRBは期限延長について何ら正式なコメントをしていないわけです。 
 スワップの時限措置が終了し、韓国がドルや円を日米が保有するウォンと交換する精算が始まると、それまでの状況がどうであろうと、一気にウォン安が加速する可能性が高いです。日米の輸出企業の担当者が「四月末」「精算時、ウォン安が加速する可能性が高い」、そして「日銀やFRBは期限延長について何の発表もしていない」などのキーワードを見たとき、果たして何を考えるか・・・。
 わかりますよねぇ?

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