http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080307-OYT1T00254.htm

日本の外貨準備高、初の1兆ドル突破…中国に次ぎ世界2位
 財務省が7日発表した2月末の外貨準備高は1兆79億8100万ドル(約105兆円)に達し、世界では中国に次いで2番目に1兆ドルを突破した。
 米国の株価低迷で投資資金が債券市場などに流れ、日本が保有する米国債の価格が上昇したことなどが要因だ。外貨準備が1兆ドルを超えたことで、適正な規模や運用などを巡る論議が活発化しそうだ。
 日本の外貨準備高は、2003年~04年に行った外国為替市場での大規模な円売り・ドル買い介入で急速に膨らんだ。全体の9割程度は米国債などのドル資産とみられ、その後も米国債の利子などの運用益が積み増されてきた。
 円売り・ドル買い介入をするためには、ドルを買うための円資金が必要だ。このため政府は、国債の一種である「政府短期証券」を発行し、介入に使う円資金を金融機関から調達してきた。
 米国債の運用益などで外貨準備が膨らむ場合も、その分を国の一般会計に繰り入れて活用しようとすれば、ドルなどの外貨資産を円建てにするため、外貨資産に見合う分の政府短期証券を発行しなければならない。介入でドル資産が増えた分だけ、実は円建てで国の借金も積み上がっていることになる。
 また、運用がドル資産に偏っているため、ドル安が進めば円ベースの資産が目減りし、国の財務体質が悪化する懸念もある。

・・・というような記事が、新聞紙上を騒がしておりますが、例により日本の大手メディアは肝心な事を書かないので、補足します。
*情報提供
【wktk】韓国経済ワクテカスレ 70won【新しい神話に向かって】
http://tmp7.2ch.net/test/read.cgi/asia/1204689815/l50
レス番号>>225の名無しさん。他、同スレの皆さん。多謝!

■ドル資産(つまりは、日本の債権)の裏にある、政府短期証券を含んだ日本政府の債務を「財政破綻!財政破綻!」と騒ぎ立てているのは誰? 日本政府の債務の裏に、日本政府の「資産」があると自ら暴露したわけだけど、スルー?
■中国の外貨準備高が日本を抜いたとき、あれほど「日本は中国に抜かれた!中国が世界一だ!」と報道を繰り返したくせに、日本の外貨準備増は問題視? 日本を問題視する前に、中国の方がヤバイでしょう、どう考えても(後述)。
■そもそも、日本の外貨準備におけるドルのシェアは、徐々に低下してきているのだが、そんなことも知らずに、よく記事が書けますね、本当に。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_04.html#beikokusai

などと、突っ込みどころ満載です。
 しかも、中国の外貨準備について突っ込んでみると、更に凄いことが分かるのです。
 自国通貨がドルに対して上昇した場合、ドル建ての外貨準備は目減りすることになります。
 実際、プラザ合意以降の日本は、この目減りにより85年から87年の三年間だけで、実に20兆円もの対外純資産を減らしました。
 しかし中国の場合、対外純債権の対GDP比が06年末時点でも24.7%と、プラザ合意時の日本(9.4%)をはるかに上回っています。今、もしも人為的に安く抑えられている人民元が、プラザ合意以降の日本と同じように対ドルで上昇すると、三年間で実に6100億ドルもの対外純資産が減少することになるのです。
 この6100億ドルとは、中国の外貨準備の半分に該当します。人民元が対ドルで正常化するだけで、中国の巨額外貨準備の半分が消滅してしまうのです。
 日本の場合、幾らなんでもプラザ合意以降のように急激に円が対ドルで上昇することは考えられませんが、中国はそうではあいません。中国の外貨準備は、人民元が人為的に安く抑えられている現状では、もはや「不良債権」と呼んでも構わないと思います。

 日本の外貨準備高について批判するなとは言いませんが、もっとデンジャラスな国があるということも合わせて報道した方が、公平というものではないでしょうか?メディアさん。

*三橋貴明のホームページ「新世紀のビッグブラザーへ」を開設しました。
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/index.htm