夜空には薄く雲がかかり、ちょうど俺の真上に雲の切れ間があった。


そこにはいくつもの星が輝いており、ぼんやりと光る月とともに僕達を照らしている。


まるでかぐや姫の世界だね。


僕達は夜の土手を散歩している途中でそんな景色と出会った。


こんな景色もう2度と見られないかもしれない、そんな事を思い写真を撮ろうと思ったが今はデジカメも携帯も無い。


冬は雪かきをしないといけないから嫌いだったが、空が澄むのは好きだった。寒がりだから12月になるとゆっくりと眺めてられないけれど。



日本人は期間限定に弱いと言うが、これも1種の期間限定だ。こうやって澄んだ空気の中で、ゆっくりと景色を楽しめるのは今だけ。探そうと思えばそんな事はいくらでもあるわけで、特に四季のある日本では毎月、毎日が期間限定である。


立ち寄ったコンビニでコーヒーと肉まんを買いまた空を眺める。


月が先ほどよりもかなり高くなっていた。それほど時間が経ったわけではなく、それはきっとイメージの問題だった。思ったよりも早く進んでいる。


僕はロケットのようなスピードで突き進みたいけれど、きっとあの月のようにゆっくりと進んでいるのだろう。


学ばなければならないこと、考えなければならないことはまだまだたくさんある。


1つずつ積み上げていこう。