子どもの自主性を伸ばしたい。

そう思ったときに大人はどのように関わればよいのでしょうか。

 

3つの項目にまとめました。

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1.自主性と主体性の違い
2.自主性を伸ばすには
3.キーワードは安心

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1.自主性と主体性の違い

 

自主性に似た言葉に主体性という言葉があります。
まずはこの2つの言葉の違いを明確にしておこうと思います。

自主性とは

 

やるべきことがわかっていて、他者からの働きかけや指示を受ける前に率先して行動することです。

決まった目的(たとえばルールや規則など)に向かって行動を起こします。
 

自主性が感じられないときは「言われる前にやりなさい」と言いがちです。

責任の所在は他人やよそにあると感じます。

 

やるべきことを繰り返し伝えることが大事です。
 

・自主性の例

月に一度訪れる町内会の掃除当番には遅れることなく参加して、担当する範囲を掃除する。

主体性とは

 

自らの意思や判断に従って行動することです。

目的やゴールを自ら考え決定します。


主体性が感じられないときは「自分で考えなさい」と言いがちです。

「言われる前にやりなさい」よりも高度な要求だと思います。

責任の所在は自分にあると感じます。

 

・主体性の例

町内会の掃除当番が月に一度訪れるが、掃除をすると気持ちよく過ごせると思うので当番以外の日にも掃除している。

 

自主性も主体性も

 

子どもたちには、自主性だけでなく主体性も持ってもらいたいと思うのではないでしょうか。

主体的に考えるには、選択肢となる知識が必要です。

自主性のあとに主体性が生まれます。

 

2.自主性を伸ばすには

 

子どもの自主性を育むための8つのチェック項目を考えてみました。

やるべきことを「ルール」と表現しています。

 

(1)子どもは守るべきルールや決まりごとを知っていますか?
伝えたつもりになっていませんか?

子どもがルールを守らないのは、守るべきルールがあることが伝わっていないのかもしれません。
「前にも言ったでしょう」「何度も言わせないで」ではなく、子どもが理解できるまで何度でも伝えましょう。

(2)子どもは安心して考えたり発言したり行動したりできていますか?
子どもの発言を最後まで口を挟まずに聞いていますか?
自分の言いたいことを聞いてもらえた、という体験をさせてあげましょう。

(3)子どもに安心して過ごしてもらえる環境づくりができていますか?
子どもは大人に比べて経験したことが少ないので不安に感じやすいです。
身の安全を守りながら、自由に行動できるような環境づくりをしてあげましょう

(4)ルールそのものがあるといい理由を理解していますか?
ルールは、その場を利用するすべての人が心地よく過ごせるように作られます。

自分だけが心地いい状態ではなく、また、他人だけが心地いい状態でもなく、自分も含めてみんなが心地よく過ごすために作るのがルールです

(5)それぞれのルールの意味を理解し、伝えていますか?
ひとつひとつのルールが存在する意味や守る理由を大人が理解した上で子どもに伝えられていますか?

伝える側が理解できていないことを、伝えられる側が理解できるでしょうか。
ルールだから、決まりだからでは理由を知ることができませんし、自分で考えることもできません。

(6)大人はルールを守っていますか?
子どもは大人をよく見ています。

子どもにはルールを守れと言いながら、大人がルールを破っていたら子どもはどう思うでしょうか。
なんで僕だけ?なんでわたしだけ?大人だけずるい!
疑問や不満を感じますよね。

(7)できたことを当たり前にせずに声をかけましょう
発表できたね、考えたね、言えたね、など声をかけましょう。
いいなと思ったらいいねと伝えてもいいし、ジャッジせずに行動を認めるだけでもいいです。
自分のやったことを見てもらえている、自分の言ったことを聞いてもらえている、と思ってもらうことが大切です。

(8)Why、How、Whatで分解してみましょう
どんなルールがありますか?
どうやってそのルールを守りますか?
なぜそのルールを守らなければならないのですか?

こうして分解すると、大人も子どもも理解しやすいのではないでしょうか。

 

3.キーワードは安心

 

子どもたちに自主性を、あるいは主体性を持ってもらいたいと願うなら、安心してもらうことがもっとも大切だと思います。

 

安心して考えられる。

安心して発言できる。

安心して行動できる。

 

そのために大人ができることは、

 

・守られている安心感
・やっていいんだという安心感
・失敗してもいいんだという安心感

 

これらを子どもたちに与えることではないでしょうか。

そうすることで、もともと子どもが持っている自主性や主体性を伸ばすことができると思います。

 

 

参考記事