WEB記事を読んで、気になったところをメモしていきます。

 

その1

 

こんなにモノに溢れているのに、自分が欲しいと思えるモノが少ない。これって不思議だと思いませんか?

 

「正しさ」はもう「強さ」にはならない。

 

正しさだけだと、もはや当たり前のこと、誰が考えても同じ結論になることしか提案できないと気づいたのです。

 

未来を他人に聞くのではなく、「あなたは、いったいどうしたいのですか?」と、そろそろ問いそのものを変えなければならない時期に来ているのだと思います。

 

今マインドフルネスがアメリカでこれだけ浸透しているのも、リーマンショックに代表されるような、行き過ぎた金融資本主義に対する違和感から来ているのではないかと思います。

 

その2

 

今求められているのは、本当に大事な判断を下したり勇気を持って行動したりする原動力となりうるOSとしてのリベラルアーツなんですね。

 

私たちは自社のシェアが高ければ高いほど良いものだと思い込みがちです。特に変化の激しい今のような時代においては、一つのモノサシを当てて短兵急にものごとを判断し、行動したくなるものですが、そんなときだからこそ、落ち着いて別の角度から複眼的にものごとを見るリテラシー、皮膚感覚の知恵というものが求められてくると思います。

 

その3

 

要は「それはそれ、これはこれ」、まさにデュアルスタンダードなんです。

 

グローバル資本主義の中で、GDP(国内総生産)にせよ、企業の財務指標にせよ、そうした量的な尺度に合わせようとすることでたいへん苦労しているという状況は今も変わっていません。

 

アメリカには多様性や議論の文化があったように、日本人は単一民族でありながら、「三方好し」に代表される道徳や信頼を重んじる価値観、複数のモノサシを当てて考えるバランス感覚がありましたが、劣勢に陥るとあっさりとそれを手放してしまった。その結果が株主資本主義をはじめとする極端なシングルスタンダードの風潮で、それらは今の日本社会に見られる美意識の欠如につながっているようにも思います。

 

その4

 

古くは、今から100年以上前、自分のコナトゥスを発揮して成功したのが阪急電鉄の創業者、小林一三です。僕がいちばん尊敬する経営者でもあります。彼は慶應義塾大学を卒業して三井銀行に入りました。当時でも典型的なエリートコースでしたが、先輩たちとの出会いから事業の面白さに目覚め、34歳の時に三井銀行を退職し、後に阪急電鉄となる箕面有馬電気軌道を創設します。

そこで彼は私鉄のあらゆるビジネスモデルを築き上げました。路線の先にベッドタウンを造成したり、誰もが家を購入できるようにと住宅ローンの仕組みを作ったり。さらに、日曜日にも電車に乗ってもらうために駅の上にデパートを作り、閑散期のお盆に全国から乗客を集めるために甲子園の高校野球大会まで企画しました。宝塚歌劇団を創設したのも彼です。

 

でも、これは反対に、自分の心が動かされない、コナトゥスの動かない状態で働いている個人や組織が、相対的に競争力を失っていくということでもあるんです。

 

その5

 

イノベーションの種は、不自然にまかり通っている常識(非常識)の中にこそ存在していて、それを乗り越えるようなオルタナティブ(代案)を提案できれば、多くの人から共感を得て世の中を大きく変えることができるかもしれないんですね。

 

例えば、格安航空会社のPeach Aviationは、代表取締役CEOの井上慎一さん自らが会社の存在意義を「戦争を無くすため」だと言っています。過去の不幸な戦争は、互いに国を行き来していないから、互いをよく知らないから起こってしまった。未来を担う若者に多くの国に行って文化を体験してもらうことが最高の教育である。そのためには運賃を下げなければいけないし、たくさんの路線を用意しなければならない。それにはまず安定的な経営基盤を確保する必要があるから「コストが大事」と訴えるのです。

やっていることは他の格安航空会社と同じですが、質的な意味が与えられていることによってそれが社員の原動力となり、同社の強さにもつながっている。質的な意味を設定するには、より大きな価値の連鎖として、今自分たちがやっている仕事が「世の中」のどういう意味につながっているのか、そこにどうやったら貢献できるのか、自分の中に広い世界観を持ち、高い視座から考えていくことが求められてきます。

 

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