涙が出たら

君とぼく
想いがいっぱいで、時に涙があふれ出る
涙がほおを伝う
そんな涙がぼくは哀しい
ううん
君とぼくの涙
もうずいぶん前から、哀しい涙でないことは知っている
でも、やっぱりぼくは涙を見るのは哀しいんだ
だから、君のほおに涙を見つけたら
そっと優しくぼくの手で、ぬぐってあげたいんだ
そっと、ぼくの舌先でなめてあげたいんだ

君とぼくの幸せな瞬きのなかで
初めて君の涙を見たときは
「何がそんなにつらいのか」「ぼくはいつの間にか、何かひどいことをしてしまったのではないか」と
とまどい、あわてたぼくだった
でも、その涙が哀しみの涙ではないことを知って、うれしく小躍りしたものだった

ううん
それでも、ぼくは君の涙を見るのは哀しかった
うれしいことを、喜びを、涙を流して表現しないといけない君
どんなにつらいこれまでだったのかと、振りかえりたくもないだろうこれまでの君を想うと哀しかった
だから、君のほおに涙を見つけたら
そっと優しくぼくの手で、ぬぐってあげたいんだ
そっと、ぼくの舌先でなめてあげたいんだ

君とぼく
想いがいっぱいで、時に涙があふれ出る
泣き虫のぼく
君のこれまでと、君のために十分なことができないぼくを想うとき
たまらなくて、ボロボロと涙がほおを伝う
そんな涙がぼくは哀しい
君は「泣きたいときに泣ける幸せが、あなたと私にはできたのだから」
「気がすむまで泣いてね」と言ってくれる君
だから、きっときっと
ぼくは、笑顔で「そんなこともあったね」といえる君とぼくになる、そう決意するんだ

でも、でも・・・
涙を見るのは哀しいんだ
だから、ぼくのほおに涙を感じたら
そっとぬぐうんだ
そっと手の甲でぬぐうんだ
きっと
うれしいこと、楽しいこと、喜びを感じたとき
笑顔と大きな笑い声で表せるときが
もうそこまでやってきている
そんな予感を感じている
えへ・・・・また泣き出しそうなぼくを許してね