二人の秋の風景

―ぼくらの春夏秋冬4―



君とぼく
春夏秋冬、何度も二人で迎えた秋
秋は二人で、秋を楽しみたいと出かける公園デートやコンサート
ゆったり流れる時の流れにふっと立ち止まって、秋を味わいたいと二人で出かけたね
そこには君とぼくにしか見えないぼくらの秋の風景が見えたね
 

君とぼく
毎年、秋を楽しみたいと出かける公園デート
公園のベンチに座って持ち寄ったおやつでピクニック
君は手作りのコーヒーを
ぼくは会社の近くのケーキ屋さんのクッキーを
ぼくの持ってきたセーラームーンのピクニックシートが場違いで、二人で苦笑い
それでも、君とぼく二人寄り添ってシートに腰掛けるだけで笑顔になれたね
秋の日差しは柔らかく暖かく、そしてやさしくぼくらに降り注いでくれたね
そこには君とぼくにしか見えないぼくらの秋の風景が見えたね
 

君とぼく
毎年、秋を楽しみたいと出かける公園デート
雨上がりのときもあったね
雨上がりの公園は君とぼく二人に思いがけないプレゼントをしてくれたね
そう、雨でしっとりぬれた街路樹とバラ園の薔薇が色鮮やかさを増していたんだ
その美しさに見とれながら、しっかり手をつないで歩いた時間が夢のようで
「これもきれい」「あ、ここにもこんな色の薔薇があるよ」なんて君の声を聴いて
ぼくは、「君と二人で来てよかった」と心から想ったものです
そこには君とぼくしか見えないぼくらの秋の風景が見えたね
 

君とぼく
秋の夜を楽しみたいと出かけたコンサートもあったね
素敵な恋の歌は、君とぼくの恋を想わせて
アンコールの歌が終わってもなかなか立ちあがれなかった
二人とも感激にうっとり酔いしれた夜だったね
なんとか会場を後にした君とぼく
すっかり暗くなった秋の空、見上げると街路樹の上にぽっかり満月が見えた
まるで、君とぼくの二人を温かい月明かりで包んでくれているように想ったものです
そこにも君とぼくしか見えないぼくらの秋の風景が見えたね