映画予告編

 

『奇跡の人』(The Miracle Worker)は、アーサー・ペン監督による1962年のアメリカ合衆国の伝記映画である。

ウィリアム・ギブスンによる1959年の同名の舞台劇を原作とし、ギブスン自らが脚色した作品。

もう50年以上前の作品ですが、TSUTAYAディスカスでレンタルできるDVD作品だったのでレンタルして観てみました。実は先日、梅田ドラマシティで、サリバン先生役で高畑充希さん、ヘレン・ケラー役に鈴木梨央さんのキャストの演劇を観てきたのもあって、幼年期から何度も読み観てきた「奇跡の人」を味わいたかったのです(*^_^*)

 

作品は、モノクロ映画ですが、それがまた雰囲気があり、趣のある映像美を表現されているように感じられました。

 

内容は、ご存知のように、ヘレン・ケラーと、三重苦のヘレンに効果的で何より厳しくも人間的な教育を授けて行ったアン・サリヴァンの偉業が描かれるという作品と言って間違いがないでしょうね。アカデミー賞では5部門にノミネートされ、主演女優賞(アン・バンクロフト)、助演女優賞(パティ・デューク)を受賞した作品です。

 

あらすじ的には次のような感じです(*^_^*)(ウィキュペディア参照及び引用)

ケラー夫妻(夫アーサー、妻ケイト)は、生後7ヶ月に高熱を伴う病気のため、目が見えず耳が聞こえず言葉も話せない娘ヘレン・ケラーを育ててきたが意思疎通が図れず悩んでいた。

ある日夫妻はヘレンとの会話の手段を得ようと視覚障害者の生徒が通う学院に支援を求めると、後日住み込みの家庭教師としてアン・サリヴァンがやって来る。

室内に入りヘレンに対面したサリヴァンは持ってきた人形を渡すと彼女の手を自身の指に触れさせて、指文字によるアルファベットで“D・O・L・L”と一文字ずつ表す。ヘレンが指文字を“猿まね”[したことに「今はただ真似をしてくれるだけでいい」と喜び、“CAKE”(ケーキ)などの単語を教える。しかしその直後サリヴァンはヘレンに顔を叩かれてしまい、しつけも教える必要があると気づき“良い”“悪い”も教え始める]。

その日初めて家族と食卓を囲んだサリヴァンは、テーブルの周りを歩きながら家族の料理をつまみ食いする形で食事するヘレンに愕然とする。ヘレンの無作法な食事のことで夫妻と口論したサリヴァンは、食堂から家族を追い出してヘレンと2人きりになると最低限の食事のマナーを教えることに。

反発して暴れ回るヘレンにサリヴァンは力ずくで座らせるなど応戦し、嵐のような攻防の末数時間かかってヘレンに食事の仕方を教え込む。

その夜夫妻はサリヴァンと話し合い、アーサーは強引なやり方の彼女を辞めさせようとするが、ケイトは彼女の力を信じたいと夫を説得する。

ヘレンが時々暴れるのは夫妻の哀れみと過保護が原因と気づいたサリヴァンは、夫婦の目が届く場所では彼女を教育できないと訴える。夫婦から「ヘレンに優しく接する」「2週間だけ」の条件で許可を得たサリヴァンは、ケラー家の離れを借りてヘレンと2人だけで過ごし始める。

サリヴァンは日常の様々な動作とマナーに加え、ヘレンに様々な物に触れさせては物のつづりを限られた時間の中で教え続ける。サリヴァンは、「全ての物には名前があり、ヘレンがそれを気づけば世界が広がるのに」と苦悩するが、結局彼女は指文字を猿まねするだけで期限が過ぎて、2週間が過ぎてしまう。落ち込みながらも約束通りヘレンと共に母屋に帰るサリヴァンだった。

夕食の帰宅祝の席、家に帰ったことを知ったヘレンは2人だけの生活の時とは逆にあえて手掴みで食べ、水差しを倒す。

家族たちの反応を探ろうとする少女の本能的な計算がそこに感じられ、今日は特別とひきとめる母親(インガ・スウェンスン)をふりきってヘレンを井戸に引きずり出し、こぼした水を水差しに汲ませた。井戸の冷たい水、それがヘレンをとりまくカベを破った。生後6ヵ月で<水>を知り、まわらぬ舌で発音さえしたヘレンの記憶がいまここで甦ったのである。指文字で「WATER」と綴り、理性の光が、理解”するという形で少女に初めてさし込んだ瞬間だったのである。

ヘレンは指文字の言葉を実体とともに理解し、2人の努力が報われ家族と共に涙を流すのだった(*^_^*)

 

主な登場人物について

・アン・サリヴァン

ヘレンの家庭教師。ケラー夫妻に依頼されてボストンの視覚障害者がいる学院からやってきた。視覚障害者だが学校の成績は優秀。本などは顔に近づけないと読めない。あらゆる光が苦手なため室内でも日常的にサングラスをかけている。ジェームズという弟(ヘレンの兄と偶然名前が同じ)がいて、作中では過去に弟とやり取りした様子が描かれている。愛情深いが時々暴れるヘレンに厳しい態度で接することもしばしばで、頑固な所がありやや協調性に欠ける部分がある。盲・ろう者のヘレンに言葉を教える難しさに苦悩する。

・ヘレン・ケラー

赤ん坊の頃に熱を伴う病気にかかった後視力と聴力を失い、話せない状態となる。顔の表情で大雑把な喜怒哀楽は表現できるが、具体的な細かいことまでは表現できない。また、甘やかされて育ったため、要求が通らないと相手を叩いたり周りにある物を壊すなど時折癇癪(かんしゃく)を起こす。人形遊びが大好きなようだ。

・アーサー・ケラー

タスカンビア(アラバマ州)で一家で暮らしている。職業は軍人なのか、普段から家族に“大尉”と呼ばれている。障害を持つヘレンを愛しているが日常的に生活が乱されてきたため、少々怒りっぽい性格になっている。

・ケイト・ケラー

アーサーの後妻でヘレンの実母。サリヴァンが来る前に自身にとって2人目となる赤ん坊を産んでいる。

・ジェームズ・ケラー

アーサーと前妻との息子。ヘレンの腹違いの兄で、年は20歳前後。障害者となったヘレンが暮らしやすいよう施設に入れた方がいいと思っている。

この映画は「ヘレン・ケラーが三重苦を克服してゆく物語」だと思っていた。見たら、ぜんぜんちがうんだと分かった。

これは、サリバン先生の物語。教師の物語で教育がテーマではないか。ヘレン・ケラーは完全な脇役。考えてみれば、原題は”The Miracle Worker” だから、メインはサリバン先生のことだってすぐ分かるのだが、「奇跡の人」だとなんだかヘレン・ケラーのことだと勘違いしてしまうね。

 

あまりに、やり方が激しいので、父親はサリバン先生に聞く。

 

 サリバン先生、あなたはこの子を好きなのかね?

 あなたの方こそどうなんです?

 

サリバン先生は、甘やかすのが「愛」だとは思わない、と反論する。

そして、こう言う。

 

「可哀想だと思う方が、何かを教えるよりずっと楽ですものね。」

 

とても古い映画ですが、新しい時代を迎えている今、観てみるのもいいかもですね。断然オススメします(*^_^*)