第83回アカデミー賞外国語映画賞受賞作『未来を生きる君たちへ』のスサンネ・ビア監督と脚本家アナス・トマス・イェンセンのコンビによるサスペンス映画。2014年制作のアメリカ映画。

 妻子と幸せな日々を過ごしていたが、突如思いも寄らぬ悲劇に見舞われた刑事の葛藤を、育児放棄や家庭内暴力など現代社会が抱える問題を取り上げながらスリリングに描く。ニコライ・コスター=ワルドーを主演に、『ある愛の風景』などのウルリク・トムセンらが出演。

 あらすじはこんな感じ( ◠‿◠ )

 愛する妻と幼い息子と幸せな毎日を送っていた刑事のアンドレアス(ニコライ・コスター=ワルドー)は、妻のアナと幼い息子のアレクサンダーと幸せに暮らしていました。

 アレクサンダーは真夜中になると泣くので、アンドレアスが車に乗せて寝かせます。アレクサンダーは車に乗ると、いつも直ぐに寝てしまいます。

 ある日、通報を受けたアンドレアスは、相棒のシモンとあるアパートの部屋を訪ねます。部屋には以前逮捕したトリスタンがいました。

 トリスタンは、サネという女性と一緒に暮らしています。二人ともジャンキーで、外からは言い争う声がしてきます。

 踏み込んだアンドレアスは、トイレで糞尿まみれの赤ん坊を見つけます。彼は二人の子供であり、名前はソーフスといいました。

 アンドレアスは水で洗い流してあげて、凍えていることから毛布でくるんであげます。

トリスタンは暴力をふるうこともあり、アンドレアスは子供を保護するべきだと、上司や同僚に主張します。証拠の写真もいくつもありました。このままでは、トリスタンがサネもソーフスも殺してしまうかもしれません。

 アンドレアスの同僚のシモンは妻と別れて、息子とも会えずに独り暮らしをしています。息子の新しい父親は水泳コーチで、シモンは会うことに頭を抱えていました。

 案の定、ストリップバーで暴れだし、夜中にアンドレアスが連れて帰る始末となります。その間、アナは息子をベビーカーに乗せて、散歩に出かけてあやすことにします。

 子育てが大変なことから、アンドレアスは後悔してる?と妻に聞きます。アナは何てことを言うのと激怒します。謝罪したアンドレアスは、昔からアナが子供を欲しがってたことを口に出します。

 ある夜、アナは息子の様子を見に行きます。すると息をしておらず、死んでいました。

泣き叫ぶ彼女の声を聞いて、アンドレアスは目を覚まします。心臓マッサージなど蘇生を試みますが、アレクサンダーは戻ってきませんでした。

アンドレアスは通報することにしますが、アナが連れて行ったら自殺すると言います。

アナを落ち着かせるために、アンドレアスは薬を飲ませます。アナが寝ている間に、アンドレアスはシモンに電話をします。シモンは電話に出ず、どうしたら良いか分からず、助けてくれと留守電を入れます。

 そして、アンドレアスは、トリスタンとサネの家に侵入します。そしてトイレの床にいるソーフスを見つけて、アレクサンダーの遺体とすり替えます。

 目を覚ましたアナに、アンドレアスは全てを話します。アレクサンダーが死んだことも再度伝えます。

 一方、目覚めてトイレに行ったトリスタンは、ソーフス(アレクサンダー)が死んでいることに気づきます。サネを叩き起こして慌てます。またもや刑務所に行くのは嫌なのです。 

 そこでトリスタンは思いつきます。遺体をバッグに詰めて、森の中に埋めることにしたのです。

 その後、ベビーカーを押して公園に行って、息子が連れ去られたと叫びます。公園にいたお母さんたちに、警察を呼ぶように頼むのでした。

 

 留守電の様子から、心配したシモンはアンドレアスの家に行きます。アンドレアスはアナの調子が悪いと言い訳して、シモンを帰らせます。

 トリスタンからの通報を受けて、アンドレアスとシモンは現場に向かいます。アンドレアスは、トリスタンの言ってることを全く信じませんでした。それもそのはずで、連れ去ったのは自分だからです。

 あまりにもアンドレアスがトリスタンにキレるので、シモンは不思議に思いながらも冷静になろうと落ち着かせます。サネを尋問すれば、すぐに口を割るだろうと考えます。

サネは、ソーフスが死んでないと思っていました。あの子は別の子だと考えています。

 クリスマスが近づいて、アナは準備を整えます。そして真夜中にベビーカーを押していきます。
 トラック運転手は、道路の真ん中にアナとソーフスがいて急停止します。何があったのかと思い、駆け寄ります。
 アナは、ソーフスが凍えて肺炎になってしまうから、トラックに乗せてと頼みます。運転手は赤ん坊を乗せた後、家に送るからなと言ってトラックに向かいます。
 するとアナは橋の上から川に飛び込みます。どうして良いか分からない運転手は、アナの携帯電話をとります。
電話口のアンドレアスは急いで現場に向かいます。警察がやってきて、運転手は事情を聞かれます。アンドレアスはパトカーの中で、ソーフスを抱きながら運転手を見続けます。
シモンは、アンドレアスを心配して会いに行きます。何があっても味方だぞと言います。シモンはアレクサンダーの目が変わったことに気づきます。
するとアンドレアスは、帰ってくれと頼んで、ソーフスを見せないようにします。
 アンドレアスは、サネが吐いたとトリスタンに伝えます。トイレの床で死んでいたんだろと話し始めます。
 シモンは、なぜそんなに詳しいのか不思議に思います。アンドレアスはハッタリだと説明します。

 サネは病棟に入れられ、ソーフスの名を叫びながら暴れます。ソーフスは死んでないと訴えます。面会に来ていたアンドレアスは、椅子に座りながらその声を聞きます。トリスタンはヘロインや銃が出てきたことから、更に勾留されることになります。

 トリスタンは森の中に埋めたことを白状します。ただ、自分は何もしておらず、サネが殺したのだと罪を擦り付けます。

 その様子を見てキレたアンドレアスはトリスタンを暴行します。適切な睡眠をとるように言われ、アンドレアスはしばらく休養を指示されます。

 森の中で捜索が行われ、アレクサンダーの遺体が見つかります。アンドレアスは朝早くに、検死結果を聞きに行きます。

 死因は脳の出血が原因でした。助骨も骨折しており、明らかな乳幼児揺さぶり症候群でした。つまり虐待をされていたのです。

 アナがアレクサンダーを虐待している様子が映し出されます。怒りの収まらないアンドレアスは、窓ガラスを拳で割ります。心配したシモンもはねのけて、アンドレアスは車を運転して去ります。

 スマホの写真を見て、シモンはアレクサンダーの顔が違うことに気づきます。アンドレアスを迎えに行きます。

 アンドレアスは直接、サネに謝りに行きたいと言います。シモンが送ってくれて、ソーフスをサネに渡して謝ります。

 アンドレアスは、アナとアレクサンダーのお墓参りに行きます。

 刑事を免職になったアンドレアスはホームセンターで働き出し、サネの姿を見かけます。彼女を見つけようとしていると、男の子が声をかけてきます。

 彼は迷子なの?とアンドレアスに聞きます。アンドレアスは従業員なんだと答え、彼に名前を聞きます。彼はソーフスと名乗るのでした・・・。

 

 子育の大変さと幸せを知っている人であれば共感できる作品だと思います。主人公とその妻の気持ちが痛いほど伝わってきて、作中の2人の行動には、始終胸が締め付けられました。

 考えさせられる作品ながら、ラストにキラっと光る温かさもあり、後味は悪くなかったです。

 映画はオチが読めるとか、ひねりがどうのとかいう事で論じるべきものではないかと思いますね。予想もしていなかったおちなのでびっくりしましたけどね。

 ラストの場面は個人的には良かったです。最初は軽い気持ちで見始めましたが、演者の演技力の高さと、誰しもが同じ状況下にいたら、魔がさすのではないか?と思わされるような人間的な作品でした。深く心に刺さってくるいい映画でした。

 オススメしたいです。ぼくはAmazonプライムビデオで観ました(*^_^*)