人を裁くことの意味を問うリーガルサスペンス。弁護士・大伴の妻が殺された事件からドラマは始まる。死刑制度反対の持論を覆す大伴を目にした友人の大学法学部講師の水戸は、弁護士に転身する。

 死刑裁判をめぐり繰り広げられる衝撃の社会派サスペンスである。
 司法の厳しさに直面する主人公の法学部講師・水戸裕介には、連続ドラマW「パンドラ」「パンドラII 飢餓列島」出演の実力派俳優・山本耕史。妻を殺された失意の弁護士・大伴浩二郎に、ドラマ・映画・舞台で活躍する小澤征悦。二人の同級生の検事・永瀬麻梨子に、連続ドラマW「マークスの山」での熱演が記憶に新しい戸田菜穂。我が子を殺された過去を持つ、大伴の妻殺しの容疑者・鯖江申三には、演技派俳優・柏原崇。そして、この事件を担当するベテラン刑事・對馬久作には、名優・柄本明。その他にも、京野ことみ、近藤芳正、矢島健一、金田明夫、佐藤二朗、山本圭、 光石研ら、実力派キャストが共演。また、監督には連続ドラマW「マークスの山」、ドラマW「震度0」と重厚な群像劇でメガホンをとった水谷俊之。 

 死刑の基準は永遠に決まらないと思いますが、水戸、大伴そして麻里子という法学部で法を学んだ学友が、ある事件をめぐって巻き込まれていくというストーリー。死刑廃止論の扇動家として有名になった大伴の妻が何者かによって殺害され、大伴が容疑者の死刑を求刑し、かつ、往年の自分の主張であった死刑廃止論の取り下げた(その社会的責任として弁護士バッジを外す)

 その一方で、水戸と彼らの恩師であった堀田弁護士が控訴審で検察官となった麻里子と大伴に対峙していく・・・。

 

 死刑廃止論は、対置される死刑存置論の必要性を併せて検討する必要がある大きなテーマであり、そこへ加えて冤罪を組み込むと、「死刑は被害者遺族の復讐のためのものではない」という弁護士になった水戸の言葉で一応の締めをしたように感じもした。

 法廷シーンに重きを置いたドラマで、法廷以外は事件に関わる極く限られたシーンで構成されていて、とてもドラマに集中して見る事が出来ました。
 しかも今まであまり取り上げられてなかった死刑制度に付いて真剣に考えるきっかけになったのではないかとも思いました。


 大伴に恨みを持って居た鯖江が犯人として捕まるのですが…もう死刑確定かと思う頃になって検察が証拠として出して居ない事が分かって…

 大伴の女友達でこの裁判を受け持つ検察側の弁護士の戸田は、思っても居なかった新しい証拠が出た事で、上司に裁判をやり直すよう訴えますが、圧力に屈し検察を去ります。

 同期の水戸裕介(山本耕史)が弁護士になり、老刑事と組んで真相解明して行くのですが…鯖江が口を開かず、このまま行ったら死刑もやむを得ないとまでされた裁判を、あくまで真実を探り、法廷に出向かせ解決に向かわせた水戸…あくまで真実を求めようとする熱意と雄弁をふるう姿に山本耕史さんに重ね合わせて頼もしく感じましたヽ(^o^)丿


 水戸の活躍により犯人扱いされていた鯖江が真犯人じゃない事が判明して…真犯人を見つけ出します。

老刑事(柄本明)の死刑廃止論はそう言う冤罪を無くす為にある~と言う言葉が印象に残りました。

 このドラマでは、加害者ばかりを考えるのでなく被害者の気持ちも考える事も大事な事~など教えられましたね。

 水戸が何とか大判の荒れた気持をほぐし、やる気を取り戻させたい気持ちの一心で臨んだ裁判でもあった様で、この裁判により、大伴も加害者の立場・被害者の立場が理解できたようで~大学の同期だった3人の変わらぬ友情が暖かく観て居て感動しました。

 

 主演の山本耕史さんは大学講師と法廷での弁護で、ものすごいセリフの量だったと思いますが、すらすらと弁護士らしくて驚きました!

 ドラマとしては暗いドラマでしたが、次々と真相が解明されていく面白さだけではなく、それぞれの立場で物事を考える事が大事と教えられたり、死刑廃止論に付いても真剣に考えるきっかけになったドラマでした。

 機会があったら観られた方がいいよねとオススメしておきますね(*^_^*)