未解決事件~東京亀戸女性漫画家殺人 | オレはこう思う

未解決事件~東京亀戸女性漫画家殺人



シドニーオリンピック開催中の2000年(平成12年)9月29日、東京江東区亀戸6丁目のマンション。
国勢調査の調査員がなかなかこのマンションの住人に会えずにいた。さらに異臭がしているため不審に思い、マンション管理人に知らせ、管理人が部屋を開けてみると、洋間のベッドの上に仰向けで倒れ、上半身がTシャツ1枚、下半身が裸になった女性の腐乱死体を発見した。

被害者はこの部屋で一人暮らしをしていた女性漫画家Yさん(当時28)で、首に絞められた跡があり絞殺とみられる。

死後10日ほど経っており、9.18付のコンビニのレシートが部屋から見つかっている。

マンションには防犯カメラがなかった。
亀戸といえば、東京の下町なのだがこの辺りはマンションが建ち並び、近くには大型ショッピングモールができ、人の入れ替わりが激しい場所のため、1人暮らしの人は近隣との交流がなく証言が得られない事が捜査の支障となってしまったようだ。


被害者は同人誌の漫画販売のイベントに出品もするなど、同人誌の業界ではまずまずの知名度があったという。
高校卒業後、近所の両親の元から離れて住んでいた。
その後も月1で両親のもとに泊まりに来ていた。
この年のうちに両親の元に戻って同居する予定だったという。

事件現場となったマンションはJR、東武線の駅からも程近く、マンションから出ると、すぐ目の前に幹線道の京葉道路がある。京葉道路とは反対方向に行くと蔵前通りがある。
京葉道路を渡った先には消防署が、駅前には交番があり、これらを避けつつ、犯人は電車か、大通りに出て車か自転車かタクシーに乗るなどして逃走したものと推察される。

人通りの少ない夜に殺害し、そのまま大通に出て紛れてしまえば、難なく逃げ失せる事が出来たのだろう。

事件発覚時は玄関の鍵は掛かっておらず、部屋の合鍵がマンションの廊下に落ちていたという。
とすると、犯人は被害者が帰宅するのを待ち伏せしていたのか。あるいは被害者から鍵を預かれるほど親しい間柄だったのか、はたまた何らかの手段で合鍵を作ったのか。


部屋に荒らされた形跡はなく、現金に手は付けられていなかった。

遺体には顔に白い布が被せてあったという。犯人は被害女性に特別の思い入れを持っていた男で、激情に駆られ絞め殺してしまったか。

被害者は二次創作のヤヨイというジャンルで美少女の同性愛モノを描いていたという。このジャンルのファンは主に女性だが、美貌の持ち主だった被害者に思いを抱く男がいても不思議ではない。
住居兼仕事場であったため、同人誌の作品に自分の住所を書くことにより、簡単にファンに住所を知られてしまう危険性があった。

被害者は風俗で働いていたとの情報もあり、警察は同人誌関係、風俗関係を中心に調べたが、残念ながらいまだに犯人検挙には至っていない。

親元に戻る前に、1人無念の死をとげてしまった被害者のためにも風化させることなく、執念の捜査で犯人を取っ捕まえてもらいたい。

この2000年の暮れには世田谷一家惨殺、春には少年バスジャック事件が起きている。




参考資料

警視庁ホームページ
増刊大衆
Wikipedia








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