終戦の詔勅(玉音放送)-現代文訳-
宮内庁が平成27年8月1日に公開した玉音放送の原盤
YouTube毎日新聞より
大東亜戦争終結に関する詔書
出典
宮内庁ホームページより
以下現代文訳
私は深く世界の大勢と日本の現状について考え、非常手段によってこの事態を収拾しようと思い、忠義で善良なあなた方臣民に告ぐ。
私は帝国政府に、米国、英国、支那、蘇連に対してポツダム宣言を受け入れることを通告せしめた。
そもそも日本国民の安全を確保し世界の国々と共に栄え、その喜びを共にすることは私の行ってきたことであり、私もそう務めてきた。
先に米国、英国二国に宣戦布告したのも、我が帝国の自立と東亜の安定を願ってのものであって、他国の主権を侵害したり、領土を侵犯したりするようなことはもちろん、私の意志ではない。
しかし、戦闘状態はすでに四年を越え、私の陸海将兵の勇敢な戦闘や私の官僚、公務員の勤勉な働き、私の一億国民の努力、それぞれ最善を尽くしたにも関わらず、世界の情勢も我々には不利に働いている。
それだけではなく、敵は新たに残虐な爆弾を使用して何の罪もない多くの非戦闘員を殺傷し、その被害は計り知れない。
それでもなお戦争を継続すれば、最終的には日本民族の滅亡を招き、そして人類文明をも破壊してしまうだろう。
そのような事態になったら、私はどうして我が子ともいえる多くの国民を保ち、先祖の霊に謝罪することが出来ようか。
これこそが政府にポツダム宣言に応じるようにさせた理由である。
私は日本とともに終始東亜の植民地解放に協力した友好国に対して、遺憾の意を表さざるを得ない。
帝国臣民にして戦場で没し、職場で殉職し、悲惨な最期を遂げた者、その遺族のことを考えると体が引き裂かれる思いである。
さらに戦場で負傷し、戦渦にあい、家や職場を失った者の厚生については私が深く憂慮するところである。
思うに日本が受けるであろう苦難は大変なものになる。
国民の負けたくない気持ちも私はよく知っている。
しかし私はこれから耐え難きことを耐え、忍び難きことを忍んで将来のために平和を実現しようと思う。
私はここにこうして国体を守り、忠義で善良なあなた方臣民の真心を信頼し、そして、いつもあなた方臣民とともにある。
もし感情的になり争い事をしたり、同胞同士がいがみ合い国家を混乱に陥らせて世界から信用を失うようなことを私は強く心配している。
国を挙げて一つの家族のように団結し、子孫共々固く神国日本の不滅を信じ、道は遠く責任は重大であることを自覚し、総力を将来の建設のために傾け、道義心と志操を固く持ち、日本の栄光を再び輝かせるよう、世界の動きに遅れないように努めなさい。
あなた方臣民は、私の気持ちを理解し、そのようにしてほしい。
昭和二十年八月十四日
以上、現代文訳終わり
8.14御前会議でポツダム宣言受諾を決定
詔書案が閣議にかけられ若干の修正を加えて文言が確定
内閣書記官長、迫水久常が作成。
漢学者、川田瑞穂が起草
安岡正篤が加筆して完成し、14日のうちに天皇の裁可があった。
大臣副署は内閣総理大臣鈴木貫太郎以下16名。
※2年前に書いた記事をあらためて出しました。今日は騒ぎ立てる日ではなく、厳粛に静かに戦没者に祷りを捧げる日である。
写真を数枚追加
知覧にて