迷宮物語の中の一つ『工事中止命令』


監督・脚本・キャラデザを大友克洋が担当


 ジャングルの奥地で全自動で進む工事に中止命令を伝えに行く事となった主人公。人も入り込めない熱帯雨林は、雨季になると濁流のごとく水に埋もれ、高層ビルの中腹まで水びたしになる。そこでは”機械的″に動く上の自然との歪みがあり、その歪みの隙間すら人間は入り込めない状態になっている世界であった。


 この作品は眉村卓のSF小説を元に1987年に作られた。一番心に残ったシーンは、我慢できなくなった主人公が機械を壊しに向かう、去った後のテレビ電話では彼の上司の〝作業再開命令″が。誰もが身勝手だと思うはずで、それ以前にこの工事自体身勝手の塊でらる事がクライマックスで這い寄られるようにじわじわの感じた。


このスケールはアニメでしかできないし、アニメーションの存在意義の一つである”空想と現実のシンクロ”が大いに発揮された作品である。私が生まれる前の作品なので、20年前にこのような”警告”または”空想”ができたということは、今の私たちはどこまで進めているか疑問を抱かずにはいられない。まだ灰色のジャングルに迷い続けているのかもしれない。



坂道のアポロン 第7話


自分が傷つくのを恐れ、自ら離れる様に千太郎と決別したボン。

彼の昔の記憶は、楽しいジャスとは裏腹に、ボンの足に深く絡みつき、

坂道への足取りを重くする。


千太郎は、ジャズとボンが無い生活に気持ちを落としつつ、そんな空気を

振り払いたくて慣れない友人のドラムを叩く。


 迎レコードでレコードを探す百合香を見つけた千太郎は、彼女が探していたレコードが

あのBarで淳兄が歌った曲に気づく。振り返った百合香と千太郎の顔が近づき、百合香は

今は千太郎の気持ちを大事にしようと思った。千太郎はこのあやふやな気持ちのまま

でも、彼女への気持ちは止まらないと、唇に触れようとしたとき、暗闇から行方不明中の淳兄

が現れる。昔とは全然違う哀れな姿と心無い言動で百合香を傷つけた。千太郎は彼の失言と

自分が強引に百合香の気持ちを押し倒そうとした罪悪感に耐えられず、淳兄に失望と怒りの拳をぶつけた。


 文化祭当日、文化祭実行委員を任されたボンと律子は一緒に千太郎のステージを見ていた。

突如、エレキアンプの故障で演奏中止。ボンが暗闇で故障原因を探していると、明日からはジャズに戻ると、

待たせているボンへの答えを彼は分厚いカーテンを境に聞いた。

ボンの足は軽くなった。沈黙の中、ボンのピアノが観客を静め、ジャズの世界へ導く。二人は地下で練習していた様に心踊る演奏をして観客を魅了し、軽やかにあの坂道を下っていった。



 舞台は60年代後半、今から50年まえの舞台だが、私たちの生きる道にもこのような喜び、悲しみ、葛藤が私たちの足にくっついて離れない。しかしそれは大切な〝重さ″であり、重くても歩けば筋肉が付く、軽くなればどこまでを飛んでゆける気がする。一番早く悲しみを乗り越えたボンは自分の居場所を見つけた。だがまだ千太郎、薫、百合香、そして淳兄がまだ足取りが重く、一人で歩いている。彼らがその重さを受け止め、手を取り合って歩いていける日は来るのだろうか。

Angel Beats!



こんなび綿密で濃厚なストーリーがあったことに私は嬉しくて涙が流れた。

最近のアニメは出オチみたいな設定で結局キャラの個性によるストーリー展開にシフトしてしまうが、

このアニメのシナリオはKeyの脚本家 麻枝 准のオリジナルアニメ最初で最後の最高傑作だ。


 主人公 音無が目が覚めた場所は死後の世界、平気で銃をぶっぱなす高校生達に出会う。


〝天使と戦わなくちゃ、この世から消されちゃうのよ″


銀髪の天使はまだあどけなさの残る女子高生で、銃を平気でよける。


彼らは現世とあの世の狭間で、過去を思い、今に抗い、未来になにを想うのか。



前情報ゼロで見た筆者は冒頭何がなんだかわからなかったが、ストーリーが進むに連れて、

キャラの個性と共にそれぞれの意思が交差する展開に心打たれた。是非見て欲しい。