アニメ 映画「劇場版 ハイスクールフリート」 感想 | FXで有り金全部溶かした友達の顔を見てみたい。

 

見てきたので感想を書きます。

 

「劇場版 ハイスクールフリート」

 

TV放送から約4年経ち、期間が空いた続編となりましたね。

荒廃した世界でブルーマーメイドになるべく学校に通う女子高生を描いた作品。

TVアニメでは研修中にパンデミックに巻き込まれ、感染した仲間と戦い、救出するというのが大まかストーリーでした。

映画ではこのパンデミックが何故起こったのかとか、自然発生したものなのか、意図的に発生したものなのか、触れる事は一切なく、テロリストが乗っ取った船と戦う物語になっています。

 

脚本ですが、OVA以降 吉田玲子さんはこの作品に参加しておりません。

何で参加していないのかは謎ですが、TVシリーズと劇場版で大きな相違はないと感じました。

TVシリーズにある緊張と緩和が劇場版でも生きていたと思います。

そもそもTVシリーズと劇場版では作りが変わってくるので、脚本に違和感を抱いても仕方のないことだとは思いますし。

1点良くなかったのは、キャラクター中心の作品で、均等に出番というか台詞がないのは気になりましたね。

サブキャラの出番が少ないのは分かるけどメインキャラの舵取っていた子とかタブレットぽちぽちしていた極道っ子とか。

 

作画については、TVシリーズから劇場版で制作会社がプロダクションアイムズ→A-1Pictureに変更しています。

というより前の制作会社は倒産してしまいましたね。

前の制作会社の作画凄くよかったので、その話を聞いた時は残念でしたが、A-1に変更であれば特に問題はなさそう・・・って思ってましたが、作中怪しい作画が何点かありましたね。

それでも、重要なカットは力が入っていたので、あまり気にはならなかったけど。

ただ正直、劇場版で作画が崩れることで凄く嫌な気持ちになるのは私だけでしょうか?

ネットでよく聞く「劇場版クオリティ」という言葉があるとおりクオリティがTVシリーズに比べ上がると思って観てしまいますからね。

 

演出について、TVシリーズから軍艦がドリフトしてぶっ飛んだシーンがあったと思いますが、劇場版はそれを遥かに超えた演出でした。

大きな船を内部から破壊して、後ろから追ってくる爆発を避けながら脱出するというシーンがあるのですが、道中瓦礫で逃げ道が塞がっていて、それを破壊する為にホバークラフトで突っ込んだり。

この短時間で目まぐるしい展開が映画における見所の一つだったと思います。

脱出のシーンでTVシリーズのOPが流れ、さらに盛り上げていきます。

個人的にはこの忙しい展開に振り落とされ呆然と観ることになりました。

ラストで急激にアクセルを踏み込んだ展開についていけなかったんだと思います。

 

ちゃんと映画らしいシナリオでしたが、ソシャゲキャラの登場も含め完全にファン向けな作品となっていました。

テレビシリーズに匂わせていたパンデミックや日本政府の怪しさ、世界各国の不穏な情勢をもっと掘り下げてくれれば、作品の世界観が広がり、ただの萌えアニメではなくなっていたと思います。

ただその反面、この作品はビッグコンテンツになれなかったので、次回作がもう作られない可能性も十分にありますので、これ以上、風呂敷を広げることができないというのも分かります。

例え、風呂敷を広げたとしても、主人公たちは学生であって軍人ではないので、物語に入っていくのが難しくなっていくでしょうし、色々と限界を感じる作品でした。

 

映画というよりも、この作品に対して、残念に思う気持ちが多いです。

好きな作品だけど、設定が違っていれば、もっと面白い作品になれたようにも思いますので・・・。