さて今回はIndependent Studyについて。もともとの動機は、今学期に平日VCでお手伝い
をしていたので折角だしその内容をレポートにして単位を取ろうかな、という軽いものだったが、やり始めてみると結果的にあれもこれもといろいろ気になることがあって手を広げていってしまった形だ。
当初の入口は漠然と、シリコンバレーをシリコンバレーたらしめている(他がコピーできない)要素は何なのか、それに基づいて日本は完コピまでできないまでも何をどう改善したら良いのか、という関心だった。それらについて色々な書籍や論文を読み進めるうちに、数年前からずっと問題意識をもってきた外国人労働者・移民受入れ関連のトピックにフォーカスしてリサーチした。
性格的に締切がせまらないとエンジンがかからないので、結果的にガッツリやったのは中間レポートと最終レポート前のそれぞれ1, 2週間程度になり、自分の知らないことを調べるのに精一杯、それらに基づく自分なりの洞察的なものは残念ながらほとんど盛り込めておらず尻切れトンボ感は否めない。。
とはいえそれなりに時間をかけていろいろ調べたので、大枠だけでも書き残しておきたい。
まずテーマは"Silicon Valley's Ecosystem - What Japan Should Learn From Them"という壮大なもの。。
第一章では日本の起業環境について概観。アベノミクス三本目の矢の中に含まれる起業支援政策や、過去の関連政策、加えて関連する最新データ(ベンチャー投資やIPO・M&Aの推移、VCの規模感など)を調査。
第二章ではアメリカについて、同様の最新データ調査や直近のスタートアップトレンドとしてのGo Public vs Stay Privateのトピックに触れた。そしてVCでの経験・学びについても触れ、シリコンバレーがいかに多人種・多国籍で構成されているかについての気づきについて展開。
第三章ではシリコンバレーにおける移民の役割についてフォーカス。VC経験を通じた気づきに加え、中東駐在時にも外国人労働者の経済発展に対する役割について意識を持っていたので、今回のスタディをきっかけにこのトピックについて深堀りしてみたいという動機。ちなみに自分の駐在していたカタールは人口の8割が外国人労働者で占められており、もはや彼らなしに国家はまわらない状態にまで依存している。シリコンバレーでの移民の歴史や役割については、AnnaLee Saxenianが膨大な先行研究をしており、さらに偶然にもAnnaLeeが現在UC Berkeley, School of InformationのDeanであることも知り、彼女の先行研究を読み漁った。またこれら研究がやや古い(1970-80年代に渡米した第一世代移民にフォーカスしている)ことからも、身近な第二世代移民にも関連インタビューを行った。
第四章では、これらを受けて日本の移民政策に関するトピックを概観、自分なりにシリコンバレーの移民の役割やカタールでの運用状況を踏まえて日本はこうすべき、という簡単なレコメンデーションをもって締めくくった。日本の状況に関しても、外国生まれで日本で働いている知人数名にインタビューを行った。
結果的にいろいろな方にインタビューをしたり、教えを乞うたりしているうちに、それらの方々から「面白そうなテーマだからレポートできたら見せてね」と言われ。そうなってくると中途半端なものは書けないなーと思いながら、最後は締切ぎりぎりまで書き続けて時間内にできる内容で終了。。本当は時間があればもっと深めたかったのだが。何気に自分はビジネスよりも研究者のほうが向いているのかもしれない。
最後に、本論文を書くにあたり参考にした書籍・論文を以下まとめておく。
- Martin Kenney. Understanding Silicon Valley. Stanford Business Books.2000.
- AnnaLee Saxenian. Regional Advantage. Harvard University Press. 1994.
- AnnaLee Saxenian. The New Argonauts. Harvard University Press. 2006.
- AnnaLee Saxenian. Silicon Valley's New Immigrant Entrepreneurs. Public Policy Institute of California. 1999.
- AnnaLee Saxenian. Local and Global Networks of Immigrant Professionals in Silicon Valley. Public Policy Institute of California. 2002.