咄嗟の反応力、対応力を身につける。
「腕を掴まれたら… こうやって捌いて対処する」とかいう技術も大切だが、どんな素晴らしい技も結局気持ちが居着いて動けなくなれば意味ない。
命のやり取りする状況で動けなければ、そんな技術を何万回練習しても意味がない。
武術で必要なのは、咄嗟の状況判断。
瞬間的に、
逃げるのか、戦うのか、かわすのか?
頭で考えていると間に合わない。技術をもってるなら、身体が勝手に動かないと終わりである。
それは日常生活にもいえる。
突然、車が飛び出してきたとき動けるのか?
足場の悪い場所で突然転倒しそうになったとき、安全に回避して動けるのか?
身体が瞬間的に危機回避のために反応しなければ、怪我や事故に巻き込まれる。
一般の武術稽古での護身術的な場面は、普通に生活してれば日本では、そう出くわすことはない。
相手に抱きつかれたら、腕を掴まれたら、
ナイフで襲ってきたら、などなど
リアリティにかける。
命を脅かされる場面に遭遇したら、素人武術練習者は間違いなく、そんなにうまく対応出来ないでしょう。逃げるのが一番。ただ、逃げるという判断が咄嗟に出て行動に移せるかということだが‥
我々が危機的場面で身を守らなければならない状況は、日々の暮らしの中での事故や怪我を防止する身のこなしであり、それは反応力である。
さらにいえば、何となくヤバそうな空気感を察知する能力である。
普段、我々でも感受性の強い人は
「この場所、何か居心地悪い」という感覚を持ったりすることもあるはず。
要する、身の危険を察知する反応力を研ぎ澄ませられるようになることが必要であり、それは思考より行動に移せるか、ということである。
思考が働く前に反応できるか? それを養って鍛えていくことが現代における武術のあり方ではあるまいか。
私はそう思う。