今日は川崎大師の風鈴市に行ってきます。

日本全国から風鈴が集まるそうです。

昔むかし

自分が小さかった夏の夜は、何処からともなく「チリリン、チリリン」と涼やかな風鈴の音色が聞こえてきたものです。

今はクーラーの室外機の「プーン」とう低く唸る音が聞こえてくるだけになってしまいました。

現代では風鈴の音は「騒音」になってしまい、その音色を聴けるのはもうこうした寺や神社だけになってしまいました。

本日の日曜法話で…

唐土（モロコシ）の

山のあなたに

立つ雲は

ここに焚く火の

煙なりけり

遠く異国の地にたなびく雲は、ここの焚き火の煙なのだなぁ。

前回の自分の拙いに日記の、夏の空の茜色に染まった雲が金魚に見えたようのは、遠くの雲が目の前の焚き火の煙だと考えて作られたこの詩と同じ発想だと感じました。

さらに法話では、人の心について述べていました。

大いなる哉、心や。

天の高きは極むべからず、しかも心は天の上に出づ。

地の厚きは測るべからず、しかも心は地の下に出づ。

日月の光はこゆべからず、しかも心は、日月光明の表に出づ。

大千沙界（だいせんしゃかい）は窮むべからず、しかも心は大千沙界の外に出づ。

それ太虚（たいこ）か、それ元気か、心は則ち太虚を包んで、元気を孕（はら）むものなり。

天地は我れを待って覆載（ふさい）し、日月は我れを待って運行し、四時は我れを待って変化し、万物は我れを待って発生す。

大なる哉、心や。

（意訳）

大いなるかな心は

私たちのもつ心とは何と広大なものであろうか。

天空の高さはきわまりないが、心はその高さをも超えることができる。

大地の厚さは測ることができないが、心はその厚さをも越えることができる。

太陽や月の光明より優れるものはないが、心の輝きはその光明をも凌いでいる。

宇宙は果てしないものだが、心は宇宙を越えて無限である。

これは、日本に臨済宗を伝えた宗祖、栄西禅師の仏教書『興禅護国論』の序文にある有名な一節です。

つまり

心とは自分がイメージするのような胸に収まるような小さなものではない、というこです。

空間を超越し、宇宙へ広がり、生と死の境目をもなくす。

でも、今はそんなことを忘れてしまっているように感じます。

虫の音や風鈴の音が、涼やかな音楽のメロディーに聞こえるのは、この大きな心がそうさせているのですが、雑音にしか聞こえないと言うことは、その心の働きが弱まって来ているということではないでしょうか。

昭和歌謡をカラオケで歌っていると、今の流行歌がいかに平板でストレート過ぎて心が働く余地がないのがよくわかります。

これだけグローバルになり人類の進化著しいように見えても、心の働きだけはどんどん小さくなっているように思えてなりません。

そんなわけで、アナクロジジィは過去の心を求めて、本日風鈴を堪能してまいります。

ごめん。

6:00
出発

7:28
【川崎大師】へ到着。
すでに薬師堂は開いていて、露天商もちらほらお店の準備をしていました。

風鈴市を行うであろう場所は、門よりすぐの場所で、広くロープか張られていました。

その中は、何もなくテントが点々と張られていました。

市は10:00からです。

このまま待つのもいいのですが、いくつか飾られている風鈴を堪能したので、次は同じく川崎の【岡本太郎美術館】へと向かいます。

もう何回となく美術館へは行ってますが、今回はヤノベケンジさんのオマージュ展です。

…が

実は間違っていました、【美術館】ではなく【記念館】の方でした。

再度イベントを確認してわかりました。

岡本太郎美術館は川崎ですが、記念館は青山なんです。

記念館の方にも何度が訪れていますが、駐車場はなく、周囲の駐車場もバカ高いし、駐車台数がどこも少なく停められるかどうかもわかりません。

そこで一計を案じて

今回は、一旦参拝も兼ねて明治神宮へ行き、車を停めて、そこから徒歩と電車で記念館へアクセスすることにしました。

こんな時は寺社活していて良かったと思います。

ただ

そこまでしてみる価値があるかどうか、考えてしまいました。

そんなことを考えていては、まだまだ青い青い青山岡本太郎記念館、と岡本太郎さんに叱られてしまいます。

再度「タロウマン」を観て考え方を変えなければ…。

https://youtu.be/1hh0zMYY9D8?si=Jg0J1WqDb469oteV

うっうっ、すでにタロウマンのTV版はyoutubeから削除されてました（泣）

ヤノベケンジさんの今回のコンセプトは

〈BIG CAT BANG／猫大爆発〉。

宇宙船「LUCA号」に乗って地球に到達した「SHIP’S CAT／宇宙猫」が無機質だった地球に生命を着床させた、というバカバカしくも壮大な物語です。

太陽の塔はそのときの宇宙船だ。

いま大阪でぼくたちを見下ろしている太陽の塔はその亡骸なのだ。

ヤノベケンジは真面目な顔でそう言います。

とホームページに解説があります。

太陽の塔も不思議だけれど、ヤノベケンジさんのコンセプトは、そもそも荒唐無稽で全くの悪ノリ、深みがないように思えます。

でもまた違った「広い心」の現れなのかもしれないと思います。

オ◯タニショウヘイさんと一緒の時代に生まれたことより、ヤノベケンジさんと一緒の時代に生まれたことに感謝します。

9:19
【明治神宮】へ到着。
参拝は帰ってきたからにして、とりあえず【岡本太郎記念館】へと急ぎます。

ここだけのお話しですが、ここ明治神宮は原宿駅からすぐの駐車場ですが、無料でした。

そして駐車場はスカスカでした。

参拝を必ずするという条件ならば、駐車しても大丈夫だと思いました。

もちろん自分も参拝しました。

さて明治神宮を後に、千代田線明治神宮前駅から参宮橋駅へと一駅電車にのります。

9:41
【参宮橋駅】へ到着
ここからは、歩きます

9:55
【岡本太郎記念館】へ到着
開館は10:00から、ドンピシャのポンポコポンでした。

大師さま、明治天皇さま、昭憲皇太さま、ありがとうございます。

一通りの館内注意事項を聞いて入館。

作品数は多くはありませんでしたが、岡本太郎の太陽の塔が「ジャック」されていました。

壁には絵コンテが何枚も貼ってあり、今回のコンセプトの短編ビデオが上映されていました。

その映像の中で、すでに忘れていた当時の「目玉男」のことが語られていました。

通称「アイジャック事件」は、1970年4月26日、日本万国博覧会会場の太陽の塔の目の部分に男が籠城した事件。

「目玉男事件」とも呼ばれる。

蓋を開ければ、目玉男は思想的な背景はなく、ただ反万博を掲げた男が起こした、個人的な事件でした。

かすかな記憶が蘇りました。

そしてヤノベケンジさんの自作映像では、同じようにヤノベケンジさんも太陽の塔の目をジャックした映像がありました。

ヤノベケンジさんいわく、未来のその先かわ見たかった…。

ヤノベケンジさんは岡本太郎さんを崇拝していると同時に、アーティストとして岡本太郎さんを乗り越えようとした結果、「太陽の塔ジャック」をしたのです。

〈BIG CAT BANG〉も単なる悪ふざけではなく、35億年前に生命がこの地球に誕生し、5度にわたる生物大量絶滅を乗り越えて、いま私たちは生かされている。

生命はどこから来て、そしてどこに行くのか？

岡本太郎が言い放った「芸術は爆発」のテーマを「猫大爆発」という妄想に乗せて、生命と宇宙の神秘のイマジネーションの炸裂をお届けしたい。

混迷と危機の世紀に立つ現在だからこそ、我々は想像と創造を爆発させ、宇宙からの俯瞰した視点を獲得しなければならないのだ。

深い！

なんだかわからないけど、深い！

でも、なんとなく自分と同じ「妄想癖」がこんがらがってしまっている人間の匂いがしました。

ただ

作品の意図を解き明かした瞬間に、作品は少し薄くなると感じました。

なぜなら、作品の作者がその「意味」で作ったというのならば、それ以外の解釈は間違い、ということになるからです。

自分の好きな安部公房さんは、今回の小説の作品の意味は、とインタビューで聞かれた時、それは言えません、と言ったのには、上のような理由からだと言いました。

意味なんかない、いや、深い意味が隠されている、など個人の来歴からくる経験や記憶が、作られた作品の意味を個人的に解き明かすのが自分は好きなのです。

自分がアングラ劇を志したのは、世の中色々な人間がいるのに、同じ場所で泣き、同じ場所で笑うのはおかしいと思うのです。

それを共感などと呼ぶのは、誰か陰でそう意図的に皆を操っている（シナリオ作家など）のを隠そうとしているからです。

作品も意味などわからなくてもいい、知らなくてもいい、ただ何かの拍子にその作品を思い出し、元の意味など全く関係なく、その人の人生へと混じりあってくれたらいいと思うのです。

ヤノベケンジさんはべらぼうな作品を作りましたが、自己の主張を込めた事を語ってしまったことが、悔やまれます。

でもその意図したことがよくわからないとことが、また、ヤノベケンジさんのいい所でもあります。

https://youtu.be/y0c-46tfJAc?si=JMfC_Vx2RHpt9M0l
カラオケありますん

https://youtu.be/lzgNN_esPiA?si=skZbkz7qg7SnRsDJ
カラオケあり〼

総評として

久しぶりにスッキリとモヤモヤした気分になれて、どん底の幸せなひと時でした。

最後まで、べらぼうな妄想にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(_ _)m

寺社から猫爆発