1日目 電波トラブル

 僕の今使っているahamoというキャリアは、海外の電波を自動的に拾ってくれて(特別な設定なしで)、月30GBの範囲内であれば使い放題です。しかし、実は海外の電波を拾ってから15日が経過すると通信制限が掛かったように超絶重くなり、ほぼ使い物にならなくなります。よりによってその15日目がインドに着いた初日だったんですよね。しかも深夜1時。

空港の電波もパスワードをインフォメーションで聞かないと繋げられない(第一入国ターミナルになかった)、SIMカード屋も夜遅すぎてやってない、ターミナルビルに入って作戦を立て直そうにも、インドから出国する航空券が無ければ出国ターミナルに入れない。

そんな状況下で、今日泊まるホテルについて分かることは空港の近くにあるということだけ。入国ビザのゴタゴタもあって疲れていたので、声をかけてくれたタクシーのドライバーに地図を見せて連れて行ってもらいました。

騙される&野犬に追われる

タクシーのドライバーが示した地図によると、ターミナルビルからホテルまでは車で3分。しかしやけに長いし空港の敷地から遠ざかている気がする… 案の定着いたのは全く知らないホテルでした。

真っ先に疑ったのは、このドライバーとホテルがグルになって僕から大金を巻き上げようとしているのではないかということ。

しかしそんなことは無く、ホテル側の人は全く事情を知らなかったようなので「ここには泊まらない」と強く言うと解放してくれました。ドライバーが僕のリュックを持っていたのですが、それも奪い返し一心不乱にホテルを逃げ出しました。

 

相手が車だったので、反対車線に逃げ出しましたがここは夜のデリー、夜は野犬がうろついています。僕が反対車線から走り出した瞬間に、3匹の野犬が僕めがけて追いかけてきました。

「犬の足早すぎる」「狂犬病のワクチン打ってないから一回でも噛まれたら終わる」「逃げ切れなきゃ死ぬ」「逃げろ逃げろ逃げろ」

 

頭の中は犬のことでパニック状態、加えて逃げきれたとしても、タクシーのドライバーが追いかけてくるかもしれない。なりふり構っていられなかったので、近くに停まっていたドライバーにターミナルビルまで連れていてくれと言って乗せてもらい、何とか一命を取り留めました。最終的にそのドライバーには1000ルピー(1700円)請求されたのですが、命を助けてくれたと思えば安いものです。インド旅行で危険な思いは何回かしていますが、本気で命の危険を感じたのはここのシーンです。

─────────────────────────ここまでたった2時間─────────────────────

 

どっと疲れたので、ホテルを探す気にもなれず、その日の始発でニューデリー駅に向かい、駅近くのホテルに泊まっている友人に助けを求めることにしました(初日と2日目は彼と一緒にいます)。

 

 

(駅にいた野良猫が唯一の癒しでした)

 

(噂にもれず、インド人はどこでも寝るらしい)

 

友人と合流

5時ごろの始発を待ち、40分ほどでニューデリー駅に到着。駅に着いても当然電波は通じないので、トゥクトゥクドライバーの携帯を借りて、「このホテルまで連れて行ってくれ」と交渉し、何とか目的地に辿り着くことができました。ホテル予約をしていないよそ者だったので追い出されるか心配しましたが、「今日ここに○○(友人の名前)という日本人が泊っているはずだから電話を繋いでくれ」と伝えると、案外すんなりとことが進み彼の部屋まで行くことができました。6時に起こしてごめん🙇

その後はホテルのWi-Fiを使うことで、eSIMの購入に成功しました。見知らぬ土地で携帯を一切使えないってこんなに怖いんですね。

 

デリー観光

はっきり言って、デリーにはほとんど観光する場所がないです。

市街地中心部であればインド門、フマユーン廟などがありますがそれぐらい。個人的に1番興味あったのがクトゥブミナール(デリーを征服した奴隷王朝の王が自身の権力を誇示するために建てた塔)だったのですが、中心部からはかなり離れていたため今回は行けず。なので主にインド門とフマユーン廟の感想です。

 

・インド門

建築そのものの印象より、物売りと耳掻きの勧誘がしつこすぎる。耳掻きに関しては何回も必要ないって言ってるのにテキトーに理由をつけて耳掻きしようとしてきます。唯一価値があったと思えるのは、デジカメで写真を撮ってくれる人ぐらいでした。1枚50ルピー(85円)で写真を撮ってくれます。それなりに経験があるせいか、写真の出来はなかなかのものです。

インド門そのものに関しては、「インドに来てまで西洋建築を見てもなあ」って感じです。現地の人も、「あれはインドじゃねえ」と言っていたので、そこまですごいものではないのでしょう。

 

 

・フマユーン廟

ムガル帝国二代目皇帝フマユーンのお墓です。タージマハルの建築方法に影響を与えたと言えば聞こえはいいですが、いかんせんタージマハルが凄すぎたので相対的に評価は下がります。

 

観光地はショボいくせに、詐欺師(勧誘)が多すぎるので、デリーは全くもっておすすめしないです。

 

 

 

 

 

 

 

2日目 タージマハル

タージマハルってどこにあるの?

デリーから南東200kmの街アーグラにあります。

 

作られた目的は?

ムガル帝国四代目皇帝シャージャハーンの妻、ムムターズマハルのお墓。シャージャハーン皇帝が奥さんのことが好きすぎて、奥さんの死後22年と莫大な国家予算を注ぎ込んで作らせたものです。インドにありますが、実はイスラム建築です。

 

泊まったデリーのホテルからドライバーをチャーターしてアーグラまで向かいました。タージマハル、実力はいかに…

 

言葉が出ないような美しさでした。

まずタージマハル自体の感想ですが、存在感の大きさと徹底的に計算され尽くした左右対称の建築、細部に施された装飾がとにかく美しい。加えて、タージマハルに至るまでの門や道も左右対称なので、美しさに見惚れます。

たいていの宗教建築は戦いの勝利を記念するためのものであったり、自身の権力を誇示するためのものであったりと、どこか血生臭さを感じます。そんな中、このタージマハルは皇帝が奥さんのために作ったお墓ということで、唯一無二の魅力があるように感じます。

自分が生きているうちに見ることできて、本当に良かったと思えた世界遺産でした。皆さんも是非自分の目でどうぞ。

 

その後はタージマハルが見えるホテルの屋上で宿泊者たちと喋っていたのですが、日没のタージマハルと家の屋上で遊ぶ地元の子どもたちの光景が映画のワンシーンのようでエモいというより、激激エモでした。

その後は宿泊している人たちと夜遅くまで談笑をしていました。一期一会の交流があるのがホステルの良いところです。この経験も含めて、アーグラは本当にいいところでした。友人とはこの日を境に別行動をしました、その辺の経緯も含めて気が向いたら書こうかと思います。

 

 

 

(死後の奥さん(タージマハル)と繋がりたくて対岸に自身の墓と橋を架けようとしたシャージャハーン皇帝。最終的に息子によってアーグラ城に幽閉されて、その夢叶わず生涯を終えます。)

 

 

デリー2日目を書いていたら想像以上に分量が多くなってしまったので、一旦ここで締めさせてもらいます。それではタージマハルの夕暮れと子供たちの動画でお別れです。